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バトルフェスティバル 地区予選編②
第104話
しおりを挟むドンッ
最初のショック・ウェーブが衝撃を伝えている最中、左から放たれたニ撃目がぶつかる。
その威力は岩を砕くには十分過ぎた。
衝撃波が一瞬で全体に及び、ビキビキッと表面に亀裂が入る。
砂が内側から飛び出したように見えたのは、衝撃を受けきれなかったシールドの内部物質が、勢いよく外へと弾き出されたためだ。
破壊される外殻の破片が、ドッと空気中に漂う。
先輩は腰を落としている。
「中」にいるカーティスを引っ張り出すために、攻撃を続けて繰り出せる体勢を崩さない。
地面からは攻撃を妨害する渦や波が立ち上がっていた。
カーティスの魔力が地面と接触している限りは、「攻撃」の手段と方法が途切れることはない。
変形する地面がそばにあった。
先輩の重心を「外」へと逃がすためだ。
ただ、それはあくまで後手に回っていた。
先輩のスピードはカーティスの視界の外に動いていた。
だから魔力を展開するスペースや指定箇所が、どうしても先輩の行動の「後」にズレていた。
ただでさえシールド表面上の強度に魔力を費やさなければならない局面。
効率よく敵の行動を制限するための地形の変化は、無差別に指定できない「理由」と「範囲」があった。
壁の修復に流れていく魔力。
足元に及んでいく物質の変化。
漂流する岩の破片の中に飛び交うスパークが、周囲の慌ただしさを物語っていた。
先輩の影が、変形を始める地面の曲面上に流れていた。
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