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今日からお前は私の従者だ

第42話

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 「大丈夫か?」

 「あ、うん」


 どうやら、彼の言ってることは嘘じゃないっぽい。

 逆になんか申し訳なくなってきた。

 いや、なんとなくね?

 同情してるとか、共感してるとか、そういうことじゃない。

 なんで生前の記憶が無いかがわかんないけど、あっちからしたら、亡くなったはずの「私」が目の前に現れたわけだ。

 単なる知り合いじゃなくて、仲が良かった幼なじみが。

 再度、写真を見せてもらった。

 彼は高校ではバスケをやってて、全国にも出場するくらいの強いチームで、3年間プレーしてた。

 正確には6年間だ。

 バスケは、中1の頃からやってたみたいで。


 写真の中にいる「私」に問いかけたくなる。

 そこで何してんの?

 なんで記憶が無くなったの?

 って。


 あとで彼に案内してもらった。

 自分が住んでいたという「家」に。

 ちなみにこれもルール違反だ。

 生前の家には、基本は立ち寄らない。

 まあ、暗黙の了解で自らの事を家族なんかに話さなければ、大体は見逃してくれるっぽい。

 ただ、意味もなく何回も訪れたり懐かしんだりしてたら、さすがに怒られる。

 私の場合はこれが初めてだから、許してくれるよね?

 それに、今はもう誰も住んでいないみたいだし。

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