COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

今日からお前は私の従者だ

第３４話

　「…ごめん、どうしても帰れなくてさ」

　「ハァ！？」

　「変なことをするつもりはないんだ。昨日はごめんって…。あんなこと言って」


　男は反省したように俯き、しょぼくれている。

　大丈夫？

　そんな格好じゃ絶対風邪引くよ？

　別に謝らなくていいから。

　そっちはそっちで事情があるんだろうし。


　…と思ったが、よくよく考えてコイツの行動はちょっとやばいな。

　ごめんって言われたから少し怒りが収まったが、玄関前にずっといたってやばくない？

　何がどうなってそうなってるの？

　聞くつもりもないけどさ？


　「これからジョギングに行くからついてこないでね。あと、次勝手に入ったら警察に行くから」


　男は納得してくれなかった。

　俺もついていくと言い始めて。


　「あのさ、一回ぶん殴っていい？」

　「お前の気が済むなら」

　「ストーカーとかじゃないよねほんとに」

　「ストーカーに見えんのか？」

　「現在進行形でね？」

　「わかった。じゃあ一回殴れ」


　…なんでそうなる。

　殴ってキャンセルみたいなノリで言うな。

　私が悪いみたいじゃないか。


　「記憶がないって言ってるでしょ！」

　「それはわかったって」

　「わかったんならもういいじゃん。去ってくれない？」

　「去るわけないだろ。お前が目の前にいんのに」


　あーだめだ。

　日本語が通じないわ。

　殴って気絶させてもいいんだが、そんなことしたら説教だけじゃすまない気がする

　はて、どうしたものか。