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どちら様ですか?

第14話

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 「電話なんてしなくていいよ。私が連絡しとくから」

 「…えっと、ちょっとまだ状況が整理できてないんですが、「先生」というのは?」

 「文字通りの意味でしょ」


 文字通り!?

 でもこの課題書には一言もそんなこと書いてないですけど。

 書いてあるのは1日のスケジュールと、“やるべきことリスト”と…


 「あー、それ?捨てていいよそれは。パンフレットみたいなもんだから」

 「捨てていいんですかこれ?!」

 「あんたはこの半年間、私が担当してる地域のパトロールに参加してもらう。スケジュールなんてものは私が決める。おk?」


 ええええ

 よく読んでくださいって言われたよ!?

 大丈夫なのかほんとに…

 地域のパトロール??

 真琴先輩とやったことはあるけど


 「あんたの部屋は2階にあるからね?着替えの服は全部タンスにある。あと、冷蔵庫にも色々あるから」


 事情がよくわからないまま、あれこれと説明された。

 夏木リン。

 第八位の天使で、私の先輩。

 2年前から烏森町の担当になったらしい。

 この家は今夏木先輩名義で登録されてて、生活も1人で切り盛りしてるっぽい。

 「生活」って言っても、人の生活とは全然違う。

 ただ、家賃とか電気代はちゃんと払ってるみたいだった。

 住民票だって持ってるから、そういう意味では、普通の人たちの暮らしとそこまで変わらないみたいで。

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