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世界と楔
第480話
しおりを挟む今言ったように、私たちは一見すると、「実体を持つ物質(事態)」の1つに見られがちだ。
しかしある研究結果を境に、私たちそれぞれが「それぞれ」に独立した時間や運動の範囲を持つということはなく、常に全体のエネルギー状態として量子的にその構成分子が統括され、連続的な運動の集合性として様々な出来事や物理情報が繋がっている状態が、個人と世界との間に電気的に常にオンライン状態になっていると、考えられるようになった。
つまり「私たち」とは、世界全体の「物理量」としてあらゆる物体間の量子状態に常に影響を与え続ける【通信ネットワーク=電子】であり、また、それに隣接する複合的な【エネルギー準位】が、時間量子的な現在の“波動状態に“流動的(連続的)に接合している量子ネットワークを、“直接的に繋ぐことができる存在”だと、考えられるようになった。
この「流動的(連続的)」という意味は、イメージとしては、信号機の「黄色」を思い浮かべてみて欲しい。
端的に、私たちは【過去/現在/未来】をイメージした時、それぞれの「時間軸」に対して色を分けて考えることができると思う。
それは青や黄色や赤というように、それぞれがそれぞれの“独立した”「時間⇄タイミング」を持っていると関連させ、考えることができるだろう。
これを信号機に拡張して考えてみて欲しい。
例えば「現在」が青だとすれば、過去は「黄色」かもしれないし、「赤」かもしれない。
もしくは、「青色」のままだということも考えられる。
しかし“現在と同じタイミングの青色”ということは、考えられないはずである。
なぜなら時間は変動的であり、常に一方向に向かって進んでいるので、すでに現在とは違う状態になっていることが、「過去」、あるいは「未来」という段階に対してその事実(時間量)を当てはめることができるからである。
しかし、もしも現在という「時間の幅」が青や赤ではなく、黄色だけだとしたらどうだろうか。
交差点に差し掛かった時、信号が「黄色」だけだった場合、車や人はタイミングを選ばず、全ての方向に進行することができるはずである。
これに際して「過去」や「未来」という部分的な段階も同時に黄色だった場合、現在進行形であらゆる時間にそのタイミングを問わず“全方向に進むことができる”ので、過去と現在、あるいは現在と未来の【境界面】が交差点の上で“いつ合流するか”は、信号が黄色であり続ける限り、常に不規則⇄自由状態な値になる、という「確率=乱流値」を導出することができる。
これは過去、及び未来と現在の繋がりが【確率的に等価ではない=直線的に一定ではない】と言っているのではなく、過去から未来、あるいは未来から過去にかけて連続的に動ける領域がある一部分(この場合で言えば1秒前であったり1秒後であったり)に“限定されない=車が交差点に進入できるタイミングを問わない”ということを、教えている。
さらに直感的に言えば、「現在」とは6面上の(またはそれ以上の多面を持つ)サイコロそのものであり、変動する確率の中間に“動き続けているもの”だ、と解釈することができるだろう。
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