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第469話

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 「恋人…、やったらしい」


 こい…びと…?


 「…誰と誰が?」


 「俺と、お前が」



 …


 ………


 ……………



 「はあ!?」


 「まあ、驚くよな。俺も驚いたし」


 「…ちょ、…待って…。こいびとって、あの恋人!?」


 「他になにがあるんや?」


 「こい…、び…と…。って、…ええ!?」




 ちょいちょいちょい、まじで何言ってんだコイツ。


 聞き間違いじゃないよね?


 …つまりその、そういう関係だったってこと?


 そんなまさか…


 「恋人」…だと?


 いや絶対、そんなのあり得るわけないだろう。


 私と…、あんたが?



 いやいやいやいや、あり得ない。




 「証拠はあんの!?」

 「…証拠?」

 「大体、別の世界ってどういうこと??私の「過去」を見た…って、それ、いつの話よ?」



 意味わかんない。


 何から突っ込んでいいかもわからないほど。



 冗談にも限度ってものがあるだろう。


 よりによって、私とあんたが?



 …無い無い。



 私は「キーちゃん」じゃない。


 ここにいるのは正真正銘の「私」。


 あんたには運命の人がいる。


 ちょっと大げさな言い方をしてしまったかもしれないけれど、あながち間違っちゃいないと思う。


 あんたが好きなのはキーちゃん。


 そして、キーちゃんはあんたのことが好き。


 この世界のあんたにとっちゃ、関係ないことなのかもしれないけどさ?



 「俺が知ってるのは、お前が、あるプロジェクトに参加させられてるってことや」

 「プロジェクト??」

 「まだ、お前が時間を移動する前のことや。隕石が落ちたって言ったやろ?未来で」

 「…う、うん」

 「隕石が落ちたのは、偶然やなく必然やった。クロノクロスネットワークの稼働によって、世界の均衡が破られたんや」

 「…は!?」

 「…とにかく、それで、お前が…」

 「私が??」

 「『セカンド・キッド』として、ある科学的な実験に身を捧げることになった」

 「実験…?」

 「もし、隕石を止める術が無いとしたらどうする?」

 「…いや、そんなん、急に言われても…」

 「隕石っていうか、世界が滅びるのが運命やとしたら?」

 「…そんなん嫌や!」

 「多分、その当時のお前も、そう思ってたんとちゃうかな」

 「…ちょ、一体なんの話?!」
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