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現在の岸辺
第296話
しおりを挟む説明しようがなかった。
「タイムリープ」ならまだしも、誰かの意識の中に憑依するなんて、オカルトすぎないか?
いやいや、タイムリープも十分あり得ない現象だけど、まだ頭が追いつく。
何度も経験してると、嫌でも理解するようになってくる。
でも今回の出来事は、どういう風に理解すればいいかもわからない。
バチンッ!
「ウワッ!びっくりした!なんや??」
思いっきり自分の顔を叩いてみた。
…痛い
痛みだけが襲ってきて、ヒリヒリする。
ごめんキーちゃん。
思いっきり叩いちゃった…
覚める気配はなし。
というか、ここが夢かどうかも定かじゃない。
「…そんなにショックやった?」
「なにが??」
「告白したこと…」
そうだ。
何か忘れてると思った。
コイツ、急に告白してきたんだ。
「好き」だとか「付き合ってくれ」だとか、言ってたな。
そういえば…
「別にショックではないが…」
「それならええんやが…。なんか変やで?」
状況が整理できない。
そもそも、「私」はどこに行ったんだろうか?
また岡山に引っ越してるとか、そういうパターン?
電話番号はわからないし、今から岡山に行くのもなぁ…
大体、どこに住んでたっけ??
南区ってのはなんとなく覚えてるが、詳しいことが思い出せない…
「ねえ」
「ん?」
「ほんまに知らん…?」
「知らんもんは知らん」
「そうすか」
どうしよう
どうすればこの状況を解決できる?
キーちゃんになっているということは、今はひとまず「キーちゃん」にならなきゃいけないってことだよね?!
「私」じゃなくて、「キーちゃん」。
うーーーーーん
ぐるぐるその場で歩き回りながら、考えた。
大丈夫か?という声が聞こえたが、無視無視
大丈夫なわけがないだろう。
異常事態だ、これは。
どうすればいいんだ…
一体…
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