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1000年の邂逅

第247話

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 いわゆる「ブラックアウト」と呼ばれる期間が、2083年9月以降の世界に訪れた。2084年の初頭には、世界の約65%の人が、生命を維持できる手段・環境を失っていた。そしてそれ以外の20%が、激変した環境の内側に立たされ、共同しながら生活をしていた。それぞれがそれぞれの生活の支援と基盤を構成しながら、生活の体制を整えようと奔走していたのである。

 その大部分は、それぞれの地域、避難区域毎に設けられた難民施設の利用や、緊急災害用施設の利用を活用しながら、新しいライフラインの形成と確立のために活動している人たちだった。

 中には、そうした政治的主導を顧みず、独自の共同体制を組みながら集団を構成し、物資の供給や食料の調達、生産・運輸取引などの活動に従事しているものたちもいた。いずれにしても、世界全体で生き残るための方法を、多くの人々が主体的に取り組み、生活を続けていく上での局地的な活動が、大小問わず拡散的に行われていった。

 が、それはあくまでひとつなぎの方法に過ぎなかった。長期的・急激な地球規模の気候変動を考えれば、人々の生命を確保できる安定したライフラインの基盤を部分的にも回復させるのは、ほとんど不可能な状態に陥っており、持続的な暮らしと生活関連物資の供給を得ることは、とても継続的に見通せる状態ではなかった。

 ゴーストタウン化した街。荒廃した大地。寒冷化した海や空気。焼け焦げた森に木々。錆が生え、乗り捨てられた道路脇の自動車。

 「雨」は降り止まなかった。何日も降り続け、川という川は氾濫し、ダムや堤防は次々に決壊していった。それは大地の地形を変えるほどの雨量と、水害だった。

 隕石衝突から何年も、世界に「晴れの日」は訪れなかった。見上げた空は暗く、太陽光は届かない。やがて、地上で生活していた人たちの大半は、生活の困窮を極めるようになっていった。


 世界人口のわずか0.5%、——「クロノ・ポリス」という地下都市に、生活の場を移した人たちを除いて。
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