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【第4章】アナザーワールド

第225話

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 「何言ってんの?」

 「…いや、せやから、私今タイムリープしてて…」

 「タイムリープ…?」

 「…うーんと、ややこしいことは省きたいんやけど、なんとなくわかるやろ??」

 「なにが?」

 「タイムリープが何か!!」

 「何かって言われても…。漫画とかでよく見るやつ?」

 「そうそう!それそれ!」

 「それがどうかしたん?」

 「…やから!今私がそうなっとるんやって…」

 「…プッ。それ本気?」

 「冗談言っとるように見える!?」


 梨紗は笑いながら、なにそれって言う。

 まともに聞いてくれなかった。

 タイムリープなんて馬鹿げてるって。

 そんなことわかってるけど、家族なら信じてよ!


 話は噛み合わなかった。

 なにを言っても、「はいはい」の一点ばり。

 部屋に戻って、財布がないか探した。

 机のすぐ横に置いてあるスクールバックの中に、二つ折りの財布があった。

 1000円札が、6枚。

 時計を見たら17時だった。


 「…ちょっと、どこ行くん!?」

 「神戸」


 玄関先で母さんにそう言った。

 話してても埒があかないと思ったんだ。

 今するべきことは、2人に会うこと。


 「ちょっと友達に会いに行ってくる」


 来たこともない岡山の街並みに戸惑いながら、駅を探した。

 家の近くのバス停でバスに乗り、岡山駅に向かう。

 駅に着いたあとは、一直線だった。

 3番乗り場から快速に乗り、須磨駅を目指す。

 お金はギリギリ足りた。

 帰りのお金はなかったけど、まあ…何とかなるだろう。

 須磨に着いたのは、午後19時を過ぎた頃だった。

 
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