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【第3章】青い土地

第141話

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 それはほとんど咄嗟に出した反射的な言葉に違いなかった。



 その「中身」には、理由なんてない。

 激変した世界の先で私は「時間」を追いかけようとした。

 2013年になっていたり、2022年になっていたり、——とにかくそういったなす術もない「時間」と「距離」のズレが、ここ数日の間に次々と起こっていたからだ。


 ——2014年……


 ハッと思った。

 それはその数字だけじゃなく、目の前の「景色」も合わさって、感じたことだ。


 この教室、そしてその服…


 記憶が逆再生する様に急激なスピードで戻ってきた。

 交差点にいた、——あの時、

 世界がクリスマスになる前の元々の世界の「色」や「形」が、突然、舞い戻ってきたんだ。



 「…ここは、元々の…、世界?」

 「なにわけわからんこと言っとんや」

 「…え、ああ…」


 不思議な感覚だった。

 まるで、今まで夢を見ていたかのような…



 …でも、夢…?


 ここは確かに、私の「記憶」に1番近い場所だ。

 奇妙な言い方かもしれないが、それ以外に表せる言葉がない。


 時間を遡ったり、突然大人になっている未来の世界に行ったりしているうちに、なにが「現実」かもわからなくなっていた。

 でも、夢から目が覚めると、突然「現実」のスピードに追いつける。

 あ!夢か…!

 って感じに目を覚まして冷静になれる時が、誰にでもあると思う。

 その「感覚」がすぐ近くにあった。

 机の上で爆睡をかましていた私が、先生の声に起こされて飛び上がる。

 そんな感覚にも近い「現実の出現」が、目の前にあった。


 「あんたも顔洗いに行きな?」


 キーちゃんは、何事もなかったかのようにスタスタと教室を出てトイレに向かった。

 私も釣られるようにトイレに向かった。


 「待ってや!」
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