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第124話
しおりを挟む亮平から聞いた話を繰り返し頭の中でリピートする。
『ALS』という病気について。
その、症状。
“筋萎縮性側索硬化症”
難しい言葉の中に隠された病気の内容は、うまく理解できなかった。
その文字の意味、
具体的な症状、
具体的な話を聞けば聞くほど、まさかキーちゃんがそんなことになっているとは思えなかった。
体が動かないってなに?
1人じゃ箸も持てないって、…なに?
新幹線は時速約300キロのスピードで岡山に近づいていった。
途中で考えるのはやめた。
とにかくキーちゃんの元に向かわないと…
それだけを考えるようにした。
岡山に着いたのは午後17時だ。
あたりは少しずつ薄暗くなっていた。
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