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未来の記憶

第117話

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 …いちいち考えてても話が進まない


 今1番気がかりなことは、どうして「未来に来たか」ということだ。


 …記憶を思い返せ…


 確か、展望台にいて…、隕石が降ってきて…、乾いた音が背後で鳴り響いて…




 …そうだ、


 …思い出した


 …亮平が、あの時倒れて…


 …それで、…血を流してた



 真っ赤だった



 地面が、まるで雨でも降ったかのように濡れていって…


 それで…




 キーちゃんが目の前に現れたんだ。


 右手には銃を持ってた。


 「銃」を。


 実際に現物を見たことはない。


 でもそれが銃だったということを、記憶の中に思い返せる。


 乾いた音。


 弾けた空気。


 火薬の匂い…



 亮平が血を流していたのは、…きっと…




 なにも考えられなくなった。

 …キーちゃんはあの時、一体なにをしていたんだ…

 …何か言っていた。

 私にも、亮平にも

 …でもうまく思い出せない

 雑音しか聞こえない

 あの時、あの瞬間、…一体どうなっていた?

 亮平が倒れて、血を流していて、キーちゃんが何かを呟いて…


 …亮平は、呼びかけても反応がなかった。

 ピクリともしなかった


 …見たんだ

 …この目で


 パンッ!という音と一緒に、頭から血が溢れて…




 それで…
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