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686導く者
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無事に山越えをした俺達を待っていたのはサリナ姫からの説教
「無事に帰って来れたから良かったものの、何か有ったらどうするの。
2人がどれだけ凄い力を持っていても、独りで出来る事には限界が有るんでしょ。」
だからと言って、サリナ姫自身がこの場所に来るのは危険だと思ったが
「今、国が混乱していて、動けるのは私達しか居ないでしょ。
それで、拓ちゃんはこの人達をどうするつもりなの。」
正直、サリナ姫達が来てくれて助かったのも事実だ。
ラグテルの町の近くに村を開拓する話をすると、サリナ姫は少し考えた後
「私の名前を使いたいのね。出来る限りの事はするけど、私には政治的力は無いわ。
それでも、やるしか無いのよね。」
対応してくれる事を決心してくれた。
「サリナさん、俺も力になるよ。
この間の内乱で、拓と浩司の成果だが、グランザム王国が恩を売った形になっているからな。
援護は任せてくれ。」
ヨハン王子も手を貸してくれる。
場所さえ手に入れば、資金は俺のアイテムボックスに貯まっている分で何とかなるだろう。
いざとなれば、グランザム王国とギリス教に忍び込んで、資金調達をしても良い。
今まで獣人から搾り取って来た分を返してもらう。
やっと一息つける状態になった。
『拓、気を抜くのは早いぞ。全ては、村の開拓の許可を得てからじゃ。』
『そうにゃ、早く毒を用意して、邪魔になる貴族を倒しておくにゃ。』
俺もヤマトと同じ事を考えてしまったが、そんな事をしたら真っ先にサリナ姫が疑われるだろう。
その辺は、ブルネリ公爵と連携し、邪魔な相手の弱みを探り出して従わせる方向で何とかしたい。
それよりも獣人達を安心させるため、サリナ姫が話をしようと剣君、斧ちゃんと一緒に姿を現すと
獣人達のリーダがその姿を驚きとともに見つめ、膝をつき頭を下げる。そして、他の獣人達もそれに倣って膝を付いて頭を下げた。
サリナ姫は、この行動に驚いたが
「細かい話は後で話します。先ずは皆に声を掛けてください。」
斧ちゃんの姿で横に立った俺が小声で話を促し、獣人達に頭を上げさせ簡単な演説をして馬車に戻る。
先程の獣人達の態度について説明する為、獣人達を説得するのに使った光の導く者を作りだした。
「もしかして、これって私。」
「直轄領の近くで村を開拓するなら、これが一番だと思って。」
「つまり、自分達を導いた者が私だと思って膝をついたって事。」
「もしくは、導いた者がサリナお姉さんに託したと思ってかな。」
大きな溜息を吐くサリナ姫と、笑って誤魔化す俺・・・
「これで獣人の皆さんが私の話を聞いてくれるのなら良いわ。」
「サリナお姉さんなら、受け入れてくれると思ってました。」
調子の良い事を言った俺の頭に、久しぶりの姫チョップが炸裂した。
「無事に帰って来れたから良かったものの、何か有ったらどうするの。
2人がどれだけ凄い力を持っていても、独りで出来る事には限界が有るんでしょ。」
だからと言って、サリナ姫自身がこの場所に来るのは危険だと思ったが
「今、国が混乱していて、動けるのは私達しか居ないでしょ。
それで、拓ちゃんはこの人達をどうするつもりなの。」
正直、サリナ姫達が来てくれて助かったのも事実だ。
ラグテルの町の近くに村を開拓する話をすると、サリナ姫は少し考えた後
「私の名前を使いたいのね。出来る限りの事はするけど、私には政治的力は無いわ。
それでも、やるしか無いのよね。」
対応してくれる事を決心してくれた。
「サリナさん、俺も力になるよ。
この間の内乱で、拓と浩司の成果だが、グランザム王国が恩を売った形になっているからな。
援護は任せてくれ。」
ヨハン王子も手を貸してくれる。
場所さえ手に入れば、資金は俺のアイテムボックスに貯まっている分で何とかなるだろう。
いざとなれば、グランザム王国とギリス教に忍び込んで、資金調達をしても良い。
今まで獣人から搾り取って来た分を返してもらう。
やっと一息つける状態になった。
『拓、気を抜くのは早いぞ。全ては、村の開拓の許可を得てからじゃ。』
『そうにゃ、早く毒を用意して、邪魔になる貴族を倒しておくにゃ。』
俺もヤマトと同じ事を考えてしまったが、そんな事をしたら真っ先にサリナ姫が疑われるだろう。
その辺は、ブルネリ公爵と連携し、邪魔な相手の弱みを探り出して従わせる方向で何とかしたい。
それよりも獣人達を安心させるため、サリナ姫が話をしようと剣君、斧ちゃんと一緒に姿を現すと
獣人達のリーダがその姿を驚きとともに見つめ、膝をつき頭を下げる。そして、他の獣人達もそれに倣って膝を付いて頭を下げた。
サリナ姫は、この行動に驚いたが
「細かい話は後で話します。先ずは皆に声を掛けてください。」
斧ちゃんの姿で横に立った俺が小声で話を促し、獣人達に頭を上げさせ簡単な演説をして馬車に戻る。
先程の獣人達の態度について説明する為、獣人達を説得するのに使った光の導く者を作りだした。
「もしかして、これって私。」
「直轄領の近くで村を開拓するなら、これが一番だと思って。」
「つまり、自分達を導いた者が私だと思って膝をついたって事。」
「もしくは、導いた者がサリナお姉さんに託したと思ってかな。」
大きな溜息を吐くサリナ姫と、笑って誤魔化す俺・・・
「これで獣人の皆さんが私の話を聞いてくれるのなら良いわ。」
「サリナお姉さんなら、受け入れてくれると思ってました。」
調子の良い事を言った俺の頭に、久しぶりの姫チョップが炸裂した。
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