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670花
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式が終わった後、サリナ姫とアルバート王子がオリバー隊長やクリーム、アークと一緒に居る俺達の所へやって来た。
「サリナお姉さんは、これからどうするの?」
「私は、またラグテルの町に行く事になると思うわ。でも、私は・・・」
「マクニス王国をこのままにして立ち去りたくないですか?」
「そうだけど、私に出来る事は無いから。」
サリナ姫が悔しそうにしている。
今回の謀反では、城と周囲の貴族の屋敷が潰れはしたが、国民への被害が無かったのが救いだった。
しかし、立て続けに起きた謀反。
国民に被害は無くても、国に対する不信感は強いものとなっている。
「確かに、独りで出来る事なんて限界が有りますからね。」
「えっ?」
「サリナ姫。サリナ姫は何を伝えたいですか。」
マクニス王国を出る前に、出来る事をやっておこうと思う。
******
「お父さん、一体何が始まるの。」
「さあな。夜、手が空くなら城の方へ来いとの話しだ。」
「でも、皆が元気になる様な事なんでしょ。」
「何度も国が襲われて、元気になるもないだろう。」
父親に連れられた女の子が、これから起きる事を楽しみにしているが、父親は何の期待も込めていない様に話す。
マクニス王国中に、明日の夜 手が空く者は城の近くに来るようにとの通達が有った。
連続して発生した国に対する反乱はの首謀者は、現国王の兄、それに従った貴族達
全員が討伐され一連の騒ぎは治まったと言われているが、国民の不安は治まっていない。
早々に、マクニス王国を離れた国民も居る。
この親子も、もっと安全な所に引っ越しをしたいと思っているが
金も伝手も無く、身動きの取りようがなかった。
今回の騒動で国の活気も無くなり、多くの国民がやる事も無く城の方へと集まっていた。
日も落ち、暗くなると
パン、パン、パン
と城の上空で音が鳴った。
集まった国民が音の方を眺めた、次の瞬間
大きな音と共に、夜空に光の花が咲いた。
次々に咲き乱れる光の花に国民は目を奪われ、大きな音に合わせて体に振動が伝わってくる。
殆どの国民が口を開けて夜空を見上げていた。
「お父さん、お父さん。凄いよ、空に光の花があんなに咲いている。」
娘に言われて、我に返った父親。
娘の頭を撫でると、再び空に描かれる光の花を眺める。
国民から声が上がり始めると、城の周りは大歓声に包まれていた。
父親も他の国民と同じ様に歓声を上げていた。
ひと際大きな光の花が咲き終わった後、皆の目に映ったのは
「わぁ、皆が笑っている。」
光の魔力で描かれた人々の笑った顔。人間、獣人関係なく皆の笑顔だった。
そして、見ていた国民たちも笑顔で歓声を上げていた。
最後は、光の絵は消え巨大な炎の鳥が空に向かって飛び立った。
パン、パン、パン
城の上空で終了の音が鳴ると、兵士達が光る魔道具を持って広場の周りや大通り沿いに立ち国民が安全に帰れるように誘導を始めた。
飲食店をやっている者達は直ぐに店を開け、楽器を使える者は音楽を奏で、国中が夜通し祭りの様に賑わった。
「サリナお姉さんは、これからどうするの?」
「私は、またラグテルの町に行く事になると思うわ。でも、私は・・・」
「マクニス王国をこのままにして立ち去りたくないですか?」
「そうだけど、私に出来る事は無いから。」
サリナ姫が悔しそうにしている。
今回の謀反では、城と周囲の貴族の屋敷が潰れはしたが、国民への被害が無かったのが救いだった。
しかし、立て続けに起きた謀反。
国民に被害は無くても、国に対する不信感は強いものとなっている。
「確かに、独りで出来る事なんて限界が有りますからね。」
「えっ?」
「サリナ姫。サリナ姫は何を伝えたいですか。」
マクニス王国を出る前に、出来る事をやっておこうと思う。
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「お父さん、一体何が始まるの。」
「さあな。夜、手が空くなら城の方へ来いとの話しだ。」
「でも、皆が元気になる様な事なんでしょ。」
「何度も国が襲われて、元気になるもないだろう。」
父親に連れられた女の子が、これから起きる事を楽しみにしているが、父親は何の期待も込めていない様に話す。
マクニス王国中に、明日の夜 手が空く者は城の近くに来るようにとの通達が有った。
連続して発生した国に対する反乱はの首謀者は、現国王の兄、それに従った貴族達
全員が討伐され一連の騒ぎは治まったと言われているが、国民の不安は治まっていない。
早々に、マクニス王国を離れた国民も居る。
この親子も、もっと安全な所に引っ越しをしたいと思っているが
金も伝手も無く、身動きの取りようがなかった。
今回の騒動で国の活気も無くなり、多くの国民がやる事も無く城の方へと集まっていた。
日も落ち、暗くなると
パン、パン、パン
と城の上空で音が鳴った。
集まった国民が音の方を眺めた、次の瞬間
大きな音と共に、夜空に光の花が咲いた。
次々に咲き乱れる光の花に国民は目を奪われ、大きな音に合わせて体に振動が伝わってくる。
殆どの国民が口を開けて夜空を見上げていた。
「お父さん、お父さん。凄いよ、空に光の花があんなに咲いている。」
娘に言われて、我に返った父親。
娘の頭を撫でると、再び空に描かれる光の花を眺める。
国民から声が上がり始めると、城の周りは大歓声に包まれていた。
父親も他の国民と同じ様に歓声を上げていた。
ひと際大きな光の花が咲き終わった後、皆の目に映ったのは
「わぁ、皆が笑っている。」
光の魔力で描かれた人々の笑った顔。人間、獣人関係なく皆の笑顔だった。
そして、見ていた国民たちも笑顔で歓声を上げていた。
最後は、光の絵は消え巨大な炎の鳥が空に向かって飛び立った。
パン、パン、パン
城の上空で終了の音が鳴ると、兵士達が光る魔道具を持って広場の周りや大通り沿いに立ち国民が安全に帰れるように誘導を始めた。
飲食店をやっている者達は直ぐに店を開け、楽器を使える者は音楽を奏で、国中が夜通し祭りの様に賑わった。
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