異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
598 / 761

598新しい食材

しおりを挟む
ジャポの町を取り囲む外壁が見えて来た。
遺跡は更に離れた場所に在るので、ジャポの町で数日過ごしてから遺跡の見学を行う予定だ。

「エチゴさん、先ずは醤油を見に行きましょう。」
「拓さん、先ずは宿に向かいましょう。馬車を預けてからでも醤油は逃げませんよ。」

エチゴさんの言う通りだ。先ずは宿が先だな。

しかし、町の宿を訪ねてみたが24名が泊れる場所は無かった。
唯一開いていたのはギルド会館に併設されている宿。
駆け出しの冒険者も泊れるように安いが、寝床は堅く、汚い。

「我々は、見張りを兼ねて馬車で寝泊まりをします。」

そう言うのは、護衛の兵士4名。
馬車に設置した椅子を倒すと、この辺の宿よりも数段寝心地の良いベットになる。
兵士4名は皆から見られると、あからさまに視線を逸らしていた。
完全に、ベット狙いの申し出だろう。

「まぁ、気持ちは分かるけどな。
 こうなったら、空き地にテントを張るか。
 拓、数日泊るから、天幕を出してもらっても良いか。」

仕方がないので、ガラの言う通り町の外れの広場に泊る事にし、男性用に2つと女性用に1つ天幕を用意した。
簡易ベットをセットし、タープで風呂やトイレも用意する。

「俺と浩司は馬車に泊っても良いかな。
 せっかくだから、長期の旅でも寝泊まりしやすい様にもう少し改造してみたい。」

俺がそう言うと、エチゴさんからは「やり過ぎない様に」と一言いわれ
クリスティーナさんには、「まぁ、まぁ、流石ですね。」と何が流石なのか分からないが、とても嬉しそうだ。
サリナ姫が何か変な事を言ってのではないだろうかと疑ってしまう。

残りの馬車2台には護衛の兵士4人が寝泊まりすると言う。
先程言った事を気にしなくても良いと思うが、危険な人が近付いてこないか見張るのに都合が良いらしい。
荷物の整理を行ったら、早速ジャポの町の散策だ。

護衛の4人が残ってくれると言うので、俺達全員で行かせてもらう。
ジャバの町は獣人に対する偏見も無く、レオやアルが一緒でも問題ない。
それが普通の事だと思いながらも、ここは良い町だと思う。

真っ先に向かったのは醤油工場。
エチゴさんのお陰で醤油が広まったと言われ、工場の案内までしてくれた。

「それにしても、醤油の良い香りだな。」

建物周辺が、醤油の香りで充満している。
大量に醤油を購入させてもらい、清酒、みりんの工場を案内してもらった後、他の調味料や食材を見ていると

「やっぱり有ったよ。味噌だよ、味噌。」

発酵食品を作っているのなら、有るのではないかと期待していた。
皆、見た目の色に引いていたが、俺は味見をさせてもらい懐かしい味に感動。
その場で、大量に購入させてもらった。
後は昆布と鰹節が有れば、美味い味噌汁が出来るのだが…
その辺について話を伺うと、この地方で取れる木の実を見せてくれた。

「ハクレンの実と言いまして、これを煮出して味噌を加えます。」

店の好意で、煮出した汁を飲ませてもらうと、一番だしの旨味。
売っている店を教えて貰い、店を回ってハクレンの実を買い漁って来た。
店を回っているといると、藁に包まれた大好きな食材も発見。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

処理中です...