異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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588変装

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この家に移って来てから、サリナ姫とヨハン王子は外に出ようとしない。
俺達がギルドからの依頼を受けて外に出ている時も、家の中で過ごしている。
襲われた事を気にしているのだろが、この状態は良くない。

「明日は市場が出る日なので、皆で見に行きましょう。
 人目を気にしているみたいですが、俺に策があります。」

俺が用意したのは、髪の色染めと眼鏡や帽子等の小道具。
本人だとばれない様に、変装すれば良いだけの話だ。

それぞれに、工夫を凝らした変装のお披露目会が始まった。
先ずはヨハン王子。俺と浩司で頑張ってみた。

「王子色を消して、学者風に変身させてみました。
 ヨハン王子の入場です。」

ヨハン王子が、さっそうと部屋に入って来た。
髪に分け目をつけ、眼鏡を掛けてみた。しかし、皆の反応はイマイチ。

「ねぇ、拓ちゃん。確かにヨハン王子だとは分からないけど
 何だか垢ぬけない感じが酷いわね。」

何とも言えないジェニファーさんの感想。
正直、根暗なオタクの様な感じになってしまったと思う。
そこは、本人だと分からなければ良しとしよう。
次は、サリナ姫。ジェニファーさんとロビンさん、クリスティーヌさんの努力の結晶

「私達の方は大成功よ。
 王女の姿から、可愛らしい村人に大変身。
 サリナ姫の入場よ。」 

照れたような感じで入って来たサリナ姫。
髪は3つ編みにして、ホホには化粧でそばかすを描いている。
麦わら帽子を被ったサリナ姫は、本当に素朴で可愛らしい村人に見える。

「凄いな。これなら誰もサリナお姉さんだと分からないよ。」

そして、最後にガゼルス将軍。エチゴさんとレオが対応してくれた。
ガラとアルの特殊なセンスを発揮させると大変なので今回は不参加。

「そうですね。タイトルは、研究者です。
 ガゼルス将軍どうぞ。」

入って来たガゼルス将軍は髭を付けて、髪型はオールバックで眼鏡をかけて知的な教授だ。
服装の所為か、少し恰幅が良く見える。
眼福眼福、ますます俺の好きなタイプになっているんですけど。
本人だとは分からないが、カッコ良過ぎて逆に目立たないか心配していると

「痛いです。浩司、ほっぺたが痛いです。」

思いっきり、浩司にほっぺたを引っ張られてしまった。

『本当に拓は浮気性じゃな。』
『浩司は惚れた弱みってやつにゃ。しかし、浩司と付き合う事で被害者が出なくて良かったにゃ。』
『そうじゃな。拓なら夜這いをして相手の動きを封じるのくらいは簡単じゃからな。』

こいつ等は何を言っている。俺はそんな事はしない。やったとしても覗き見くらいだ。

『そこまでしなくとも、覗き見はしていたじゃろうな。』

俺の考えが読まれているのか。
浩司、頼むから溜息を吐かないで欲しい。俺は未だ何もしていない。
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