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578冷静

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******(浩司)

俺達にハイオーガを倒させる為に、拓ちゃんが特殊な2体を引きつけている。
あんな奴等に、拓ちゃんを傷付けさせるか。

「このオーガが。邪魔をするな。ドラゴンライトニング。」

何発もの雷撃を放って1体を倒す。残り3体
拓ちゃんのサポートが無いと、動きの速い敵相手に当てるのは難しい。

「慌てるな。無駄に魔力を使うな。お前は、あの2体を倒す為の切り札だ。
 少しは俺達に任せろ。この為に鍛えてきたんだ。」

『拓が吾輩達を信じて2体の囮をしているにゃら、その期待に答えるのが浩司の勤めにゃ。頭を冷やすにゃ。』

ガラやヤマトの言う通りだ。
拓ちゃんを助けたかったら、冷静になれ。

「サリナ姫達は下がってください。
 我々が囮になって引きつける。
 残りが足止めをして、浩司殿が1発で倒せ。」

バラン将軍はそう言うと、バラン将軍、ガゼルス将軍、ロダン侯爵の騎士モーゼスさんとジークフリートさんが飛び出すと4人で2体のハイオーガと対峙する。
1体を倒すのに50名以上の力が必要だと言うのに。

「戦いに集中しろ。残ったメンバーで確実に倒す。
 浩司は、ギリギリまで魔力を温存。行くぞ。」

「「「おう」」」

ガラの声に、全員が応えた。
ハイオーガに攻撃は殆ど効いていないが、攻撃は完全に見切っている。
それでも紙一重だ。1発でも攻撃を喰らえば危険だ。
1体の注意を引きつけ、もう1体を穴に落としシールドとダークマインドで動きを封じた。

「ドラゴンライトニング」

やっと2体目。
拓ちゃんとなら、もっと早く確実に倒せるというのに。

「後は任せろ。浩司殿とヤマトは拓殿の援護に回れ。」

ガゼルス将軍が叫ぶ。

「浩司ほどの威力は出せんが、2体なら我々だけでも倒せる。
 2人に鍛えられた成果だな。
 もう大丈夫だ。早く行くと良い。」

今まで、魔力を練っていたのだろうか。
ヨギ魔道師にも言われ、俺は拓ちゃんの援護に向かった。


******(ヨギ魔道師)

ハイオーガは協力体制を取ろうともしない。
そうでなければ、我々だけで対処も出来なかっただろう。
モーゼスとジークフリートが1体を引き付けている間に残りの1体の動きを封じると、その口の中へ火魔法エクスプロードを放つと倒す事が出来た。
しかし、分かってはいた事だが浩司の攻撃に比べ威力が弱い。
その程度の攻撃ですら、後一回が限度だ
残りは1体。疲れている我々には全員で戦ってもギリギリの所か。
しかし、これ以上 拓だけであの2体の相手をさせるのは危険だ。
こんな所で、彼を失う訳にはいかない。
そして、我々もここで倒される訳にはいかない。

「残り1体だ。最後まで気を抜くな。」
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