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525パレード

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そして迎えたパレード当日。
サリナ姫は普段と同じ様に振る舞っているが、無理をしているのが分かる。

「サリナお姉さん、大丈夫ですよ。
 パレードを成功させる為に、皆が力を貸してくれています。
 俺も、防御力なら有るので皆が逃げる時間稼ぎ位は出来ます。」

声を掛けた俺に、軽い姫チョップ

「子供が余計な心配しなくても大丈夫よ。
 私は大丈夫だから、拓ちゃんは無理せず逃げるのよ。
 全てが終わったら、皆で美味しい物を食べましょうね。」

何時もの様に振舞っているが、緊張をしている。

『後は、吾輩に任せておくにゃ。きちんと守るにゃ。
 終わったら、吾輩にも美味しい物を食べさせるにゃ。』

念のため、ヤマトにはサリナ姫に付いてもらう。
終わったら、美味い食事をお腹いっぱい食べさせてあげよう。


******(ヨハン王子)

「まいったな。俺の立場が無いじゃないか。」

拓がサリナさんを元気付けるのを見て溜息が出てしまった。
自分の考えを曲げず、怖くても無理をするサリナさんを俺が守りたかったのに。

「拓ちゃんは守る事は出来ても、支える事は出来ませんよ。」

そんな俺に浩司が声を掛けてきた。

「それにしても、サリナさんは無理をするよな。
 まぁ、拓ちゃんもそういう所が好きなんだろうけど。良いな。」

何が良いと言うのだろうか。

「拓も、結構無理をすると聞いているが。」
「拓ちゃんの場合は、無茶をしでかすからな。
 問題に向かって行くのではなく、問題を起こす方ですから全く意味が違いますよ。」

浩司ほどの男でも、拓が相手だと色々と苦労をしているみたいだな。
俺も、負けずに頑張るか。


******

浩司と俺は、何時もの様にゆるキャラの剣君と斧ちゃんの着ぐるみ姿でパレードの一番前の馬車に乗る。
サリナ姫には白いドレス、ヨハン王子は光る様にした自分の鎧を着て貰う。
貴族の私兵の方々の鎧もトリス練成術師が光る様に細工をしてくれている。
彼等は馬車の横を歩き、その外側でロダン伯爵領のパレード部隊が踊りを披露する予定だ。

「警備の強化し過ぎでパレードの雰囲気が心配になったけど、凄く豪華に見えるな。」

出発前のパレードの眺めた感想だ。
時間になり屋敷の門が開き、パレードが始まった。
驚いたのは、貴族の私兵がロダン侯爵領の人達に合わせて踊り始めた事だ。
簡単な踊りだが、ロダン侯爵領の人達に合っていて凄く華やかなに見える。

『またしても、拓達のゆるキャラは目立たぬな。
 これなら安心して周囲の探索に力を注げて良かったじゃないか。』

その通りだが、とても悔しい。
本当に、いつの間に練習していたのだろう。剣君と斧ちゃんが目立つ日は来るのだろうか。
サリナ姫とヨハン王子が2人で姿を現すのを見て、凄い歓声が上がる。
そして、前回と比べて倍近くに増えたパレードの人数、その迫力に驚き、拍手や歓声が上がった。

探索魔法で周囲を調べていたが、特に問題になる気配も無く、パレードは無事に屋敷へ戻ってきた。
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