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513警備人

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次の日、ニックさんの所に行くと、40代の体格の良い男性2人が居た。

「皆さん、おはようございます。紹介します。
 こちらは工場の警備人として考えているソードさんと、バックラさんです。」

綺麗なオーラをしている。バラン将軍の所に所属していたのなら人柄は問題ないだろう。
ただ、今回は警備と言う事で

「ソードさんとバックラさんは剣の実力を確認させて下さい。」

そのつもりで、自分達の剣と防具を持って来てもらっている。
こちらは、ジークさんが対応して腕前を確認してくれる。
ガラのBランク冒険者の実技の試験監督までした実績があるので任せても問題ない。
2人と打ち合い、ジークさんが勝ったのだが、何だか様子が変だ。

「2人はBランク冒険者並みの実力、いやAランクで良いのか?」

良く分からないが、自分の判断に自信が無いみたいだ。
ソードさんとバラックさんには悪いが、次にロウガさんとも打ち合いをしてもらったが、

「そうだな。多分Bランク冒険者の実力なんだと思うが、いやもっと上のランクなのか?」

ロウガさんまで自分の判断に自信を持てずにいた。

「2人とも、どうしたんです。気になる事が有るなら言って下さい。」

何か考えているみたいだが、大丈夫だろうか。
その後、何故かガラ達と打ち合い「これは拓の影響か」と人の所為にして納得していた。

「すまなかった。彼等はAランク冒険者と同等の実力を持っている。
 警備をして頂くのに十分するぎ実力だ。
 先程、相手の実力は分かっていたのだが、自分と比較して違和感を感じていた。
 原因も分かったので問題ない。」

ジークさんがそう言うと、ロウガさんも頷いていた。俺が分からずにいると

『簡単な事じゃ。拓の始めた魔力操作の訓練が思っていた以上に効果が有ったのじゃろう。
 それに最近は拓や浩司が行う訓練もきつくしておるので、自分の実力が分からなくなっておったんじゃ。
 このメンバーで特訓ばかりしておれば仕方がないじゃろう。』

そんなものなのだろうか。
ソードさんとバックラさんもニックさんが提示した条件で警備を引きうけてくれた。
工場が稼働するまで週一の大工への昼食販売を手伝ってもらい、他は果樹園の準備をしてもらう。
2人は購入した家に家族と住んでいるので、仕事は通いとなる。

エドガーさん達が来た所で、店や工場の様子を見に行く。
2人にも自分が警備を行う場所を知ってもらうのと、寄宿舎の人達との顔合わせを兼ねて付き合ってもらう。
工場や店はほぼ外観の工事が終わり、内装の作業に入っている。

「帰って来たな、オーナー。作業は順調に進んでいるぞ。見て行くだろ。」

俺達が来た事を部下の大工に聞いたのか、棟梁が挨拶をしに建物の中から出て来てくれた。
自ら店や工場の中を案内してくれる。

「こんちわー」「ウッス」「ちわー」

大工たちの元気の良い挨拶をされながら、説明を受けタイル張りが行われた部分を見せてくれた。

「凄く綺麗だ。イメージしていたのよりずっと良い。」
「そうか、オーナーにそう言ってもらえるなら良かった。出来上がるのを期待してくれよ。」

親方の満面の笑み。
スケジュール通りに進み、内装も出来始めて良い感じだ。
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