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458無人島での休日1

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「拓、さっきのは何だよ。あれだけのボールを何処に隠していたんだ。」

席に着くと、ガラが俺の芸について聞いてきたが

「この手の芸は、ネタを知らない方が楽しめるよ。」

答えは教えない事にした。
他のメンバーからもブーイングが出たが、笑って流す。
実際は、初めのボール以外は全て光魔法で作り出した光の玉を動かしていただけだ。
初めにワザとボールを転がし船乗りの人にボールを光らせてもらい印象付けたので、本物のボールが幾つも有ると勘違いさせる。
それでも、手の動きとボール、光の玉が違和感なく動かす為に光魔法で体力強化をしなければバランスを取れなかったのだが。
せっかく驚いてくれたのに、ネタを言ってしまったら逆に残念がられるだろう。

『面白い芸じゃな。拓の発想は面白い。』

グリムはアイテムボックスの中で俺の魔力の流れを把握しているので分かって当然だが、他のメンバーが気付かないなら大成功だ。
ヤマトがリッチと色々と話し込んでいるみたいだが、簡単過ぎて深みにはまっている。

暫くして、カミーラ船長やポトリ教授達が寝るのに合わせて、俺と浩司も宴会場を後にした。
他の皆は残って飲むそうだ。

「今日は浩司飲んでいないよね。どうしたの。」

「今夜は満月だから、これから拓ちゃんを月夜のデートに誘おうと思ってな。」

皆から離れた所で、アイテムボックスからハングライダーを取り出すと

『2人でずるいにゃ。吾輩も行くにゃ。』

ヤマトが俺の膝の上に乗って来た。
浩司とのデートだったが仕方が無いか。

満月の下の空のデート。
海の上に月の光が反射し、島が黒く浮かぶ。
空からの景色を楽しみ、他の無人島に月明かりに照らされた白い砂浜を見つけたので降りてみる。
砂浜で座り月明かりを見ていると、浩司に肩を抱かれて砂浜に押し倒された。
最後に、砂だらけになった体を海で洗い停泊している島に帰って来た。


次の日の朝は、海岸に死体が転がっていた。
違った、飲み潰れて寝てしまった人達が転がっていた。
ガラとアルは何時もの事だとしても、レオも朝まで飲んでいたみたいだ。
何人かが、朝食を食べていて俺達も誘われたが、せっかくの綺麗な無人島なのでここでの食事は遠慮させてもらう。
俺と浩司とエチゴさん、ヤマトは、人気のない海岸まで移動しテーブルをセットし優雅な朝食を頂いた。

「2人のエアウォークが有ると、木や草が多い茂っていても関係なく移動できて良いですね。
 お蔭で、こんなに素晴らしい景色を見ながら食事が出来ました。」

白い砂浜にセットしたテーブルと椅子で、青い海を見ながら食後の紅茶を堪能しているエチゴさん。
人生の楽園という感じだろうか
優雅なビーチでの朝を十分堪能した後は、

「エチゴさん。皆が死んでいる午前中の間に、新しい遊びをしましょうか。」
「それが、水着を着てくるように言われた理由ですね。2人が何をするのか本当に楽しみです。」

アイテムボックスから昨夜作った2m位のガラスの球体を取り出し水に浮かべた。
もちろん、只のガラスではなくミスリルの粉を混ぜ強度を持たせてある。

『良いバランスで浮かんでおる。成功したみたいじゃな。
 本当に面白い事を考え付く。』

これは、グリムも納得の成功だろう。
下に取り付けた重りでバランスも上手く取れて安定して浮いている。
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