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452回転
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「結局、柱は1本しか無かったか。」
ガラが地図を描きながら残念がっていた。
あの柱は天地見聞録とは関係ないのかも知れない。
地下を探索している兵士達が戻って来たのは夜遅くなってからだった。
遺跡の地下は建物自体はしっかりしていて、特に危険は無かった。
柱はポトリ教授の助手2名で引き続き調査を行い、俺達は地下の探索を行う。
何に使っていたのか分からない巨大な部屋。
所々に灯りの魔道具を設置し部屋全体を見渡せる様にしたが、机や棚、奥は作業スペースだろうか。
見た事の無い設備が設置されていた。
更に奥には、エレベータの後らしき崩れた縦穴。
パソコンやモニターが有ったが、電源を入れてみても反応は無い。
動力源となる部屋を探してみたが見つからない。もしかすると、地上に有ったのかも知れない。
「おい、拓。コアが生きている魔道具を見つけたぞ。何だか分かるか。」
ガラが呼ぶ方へ向かうと、手に持っていたのはミニ扇風機だった。
もうボロボロで壊れかけていたが、魔力を流すと欠けたプロペラが回る。
『どういう構造じゃ。何でプロペラが回転するんじゃ。』
ミニ扇風機を弄っていると、グリムが興奮して聞いてくる。
こんなのはモーターを回して・・・違う。
家のロビーの窓をモーター駆動式にするとき、プロペラを回すのに水を循環させて回転力を得ている。
しかし、これはそんな面倒な構造にはなっていない。
ネジを外し内部をみると、コアによって周りの歯車が直接回転力を得ていた。
『拓、コアに描かれている魔法陣を直ぐに写すんじゃ。』
言われるまでもなく、目に魔力を込めて描かれている魔法陣をウルトラアイで見ながら紙に写す。
「出来上がったみたいだな。浩司は分かっているみたいだが、俺達にも説明してくれないか。」
俺の作業が一段落したのを見て、ガラが声を掛けてきた。
調査隊の人達は柱の調査を行っていた人達と今後の予定を検討するために地上に戻り、OZだけが俺に付き合って地下に残っていてくれた。
皆の前に取り出したコアを置いた。
「ここに描かれている魔法陣は、物を直接回転させる事が出来るんだ。
グリムの意見だと、闇属性という感じかな。」
実際にコアの上に物を乗せて回転させてみせると
「へ~、面白い。」「拓ちゃんの好きな玩具になりそうだな。」「闇属性で回転なのか。」
ガラ、レオ、アルの反応はその程度か。俺の説明が悪かったかな。
「拓さん、この回転はどの程度の力を出せますか。」
この凄さをエチゴさんは気が付いてくれたみたいだ。
「これは大した力は発揮できないですね。先程の羽を回す程度でしょうか。
基本的な魔法陣の組み合わせみたいなので、大きな魔石に細かく描けば馬並みの力は出せるかもしれません。」
ただ、実際にどの程度の力を引き出せるかは試してみないと分からないだろう。
「それって、普通だったらだろ。拓ちゃんならバイクや車を作れるんじゃないか。」
「コアの力次第だけど、作れる可能性はあるかな。ただ、出来たら出来たで問題があるよ。」
急な変化は碌な結果にならないだろう。
他の人達にはバイクや車が分からないので簡単に説明すると、凄い発見だと納得したみたいだ。
本当は、元の世界で言う産業革命までの話に発展できそうだが、そこまでは言わなくても良いだろう。
******(エチゴ)
拓殿の反応を見ると、この回転力を与える魔法陣は初めて知ったと思う。
それなのに浩司さんと拓さんは、その力を使ったバイクや車と言う物を知っている。
2人は古代の知識を受け継いでいるのかとも思ったが、それだと今回の魔法陣の反応は無いだろう。
今まで半信半疑だったが、彼等は別の世界から来た人間だ。
多分、彼等の世界ではバイクや車は魔法とは異なる技術で動かしていた。
そして、その知識を2人は持っている。
2人の持つ知識のほんの一部で、この世界を大きく変える力となる。
2人が自重する人で本当に良かった。
ガラさんも同じ事を考えたのだろう。
ただ、諦めて全てを受け入れた人の顔にしか見えない。
ガラが地図を描きながら残念がっていた。
あの柱は天地見聞録とは関係ないのかも知れない。
地下を探索している兵士達が戻って来たのは夜遅くなってからだった。
遺跡の地下は建物自体はしっかりしていて、特に危険は無かった。
柱はポトリ教授の助手2名で引き続き調査を行い、俺達は地下の探索を行う。
何に使っていたのか分からない巨大な部屋。
所々に灯りの魔道具を設置し部屋全体を見渡せる様にしたが、机や棚、奥は作業スペースだろうか。
見た事の無い設備が設置されていた。
更に奥には、エレベータの後らしき崩れた縦穴。
パソコンやモニターが有ったが、電源を入れてみても反応は無い。
動力源となる部屋を探してみたが見つからない。もしかすると、地上に有ったのかも知れない。
「おい、拓。コアが生きている魔道具を見つけたぞ。何だか分かるか。」
ガラが呼ぶ方へ向かうと、手に持っていたのはミニ扇風機だった。
もうボロボロで壊れかけていたが、魔力を流すと欠けたプロペラが回る。
『どういう構造じゃ。何でプロペラが回転するんじゃ。』
ミニ扇風機を弄っていると、グリムが興奮して聞いてくる。
こんなのはモーターを回して・・・違う。
家のロビーの窓をモーター駆動式にするとき、プロペラを回すのに水を循環させて回転力を得ている。
しかし、これはそんな面倒な構造にはなっていない。
ネジを外し内部をみると、コアによって周りの歯車が直接回転力を得ていた。
『拓、コアに描かれている魔法陣を直ぐに写すんじゃ。』
言われるまでもなく、目に魔力を込めて描かれている魔法陣をウルトラアイで見ながら紙に写す。
「出来上がったみたいだな。浩司は分かっているみたいだが、俺達にも説明してくれないか。」
俺の作業が一段落したのを見て、ガラが声を掛けてきた。
調査隊の人達は柱の調査を行っていた人達と今後の予定を検討するために地上に戻り、OZだけが俺に付き合って地下に残っていてくれた。
皆の前に取り出したコアを置いた。
「ここに描かれている魔法陣は、物を直接回転させる事が出来るんだ。
グリムの意見だと、闇属性という感じかな。」
実際にコアの上に物を乗せて回転させてみせると
「へ~、面白い。」「拓ちゃんの好きな玩具になりそうだな。」「闇属性で回転なのか。」
ガラ、レオ、アルの反応はその程度か。俺の説明が悪かったかな。
「拓さん、この回転はどの程度の力を出せますか。」
この凄さをエチゴさんは気が付いてくれたみたいだ。
「これは大した力は発揮できないですね。先程の羽を回す程度でしょうか。
基本的な魔法陣の組み合わせみたいなので、大きな魔石に細かく描けば馬並みの力は出せるかもしれません。」
ただ、実際にどの程度の力を引き出せるかは試してみないと分からないだろう。
「それって、普通だったらだろ。拓ちゃんならバイクや車を作れるんじゃないか。」
「コアの力次第だけど、作れる可能性はあるかな。ただ、出来たら出来たで問題があるよ。」
急な変化は碌な結果にならないだろう。
他の人達にはバイクや車が分からないので簡単に説明すると、凄い発見だと納得したみたいだ。
本当は、元の世界で言う産業革命までの話に発展できそうだが、そこまでは言わなくても良いだろう。
******(エチゴ)
拓殿の反応を見ると、この回転力を与える魔法陣は初めて知ったと思う。
それなのに浩司さんと拓さんは、その力を使ったバイクや車と言う物を知っている。
2人は古代の知識を受け継いでいるのかとも思ったが、それだと今回の魔法陣の反応は無いだろう。
今まで半信半疑だったが、彼等は別の世界から来た人間だ。
多分、彼等の世界ではバイクや車は魔法とは異なる技術で動かしていた。
そして、その知識を2人は持っている。
2人の持つ知識のほんの一部で、この世界を大きく変える力となる。
2人が自重する人で本当に良かった。
ガラさんも同じ事を考えたのだろう。
ただ、諦めて全てを受け入れた人の顔にしか見えない。
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