異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
436 / 761

436ブルネリ家

しおりを挟む
朝早く、ポトリ教授と発掘手伝いの4人が筋肉の館…ではなく騎士団の寄宿舎へやってきた。
発掘手伝いは男性2人と女性2人だ。
この4人も一応兵士らしい。ただし、戦いとは関係ない遺跡調査専門だそうだ。
バラン将軍の部下10名とOZが加わり、先ずはブルネリ公爵領へ立ち寄る。
今回の遺跡探索の資金はブルネリ公爵が出しているらしく、挨拶をしてから出発するらしい。

それにしても、選ばれたバラン将軍の部下は男性兵士8名に女性兵士2名。
女性兵が選ばれたのは、ポトリ教授や発掘手伝いで来た女性の為だろうか。
男性兵士には、体の大きな逞しい人ばかり。
今回の遺跡探索においては荷物運びが多くなるため、力のある兵士が選ばれたらしい。
俺の訓練を兼ねて、魔力同調を兼ねたマッサージをこの人達に行うのか。
早く魔力同調の技術を上げて、楽しみを増やさないといけない。

馬車を使い夕方にブルネリ公爵領に着いた。
屋敷で迎えてくれたのは、ヨハン王子、ガゼルス将軍、そして初めて見掛ける男の人と女の人。
男の人は魔道師、女の人は剣士って感じだ。
合うのは初めてだが見た事が有る気がする。

「ハンさん・・・いやヨハン王子、ガゼルス将軍、どうしてここに?」

サリナ姫との舞踏会の後なので、ハンさんの本当の名前、ヨハン王子と呼び直した。
ヨハン王子は今までと違い王子ぽい服を着て、ガゼルス将軍も正装をしている。

「俺の事はヨハンと呼んでくれ。王子なんて敬称はつけなくて良い。
 OZが遺跡探索に行くと聞いて、その前に名乗っておこうと思ってな。
 グランザム王国、第3王子ヨハンだ。これからも今まで通りで頼む。」

王子として名乗ったのに俺達と握手をするなんて、本当に気さくな人だと思う。

「しかし、ガゼルスから拓と浩司が俺の素性を知っていると聞かされた時は驚いたぞ。
 2人とも、全く態度が変わらなかったからな。」

一応、知った上での態度を謝罪すると、笑って許してくれた。

「だから、サリナさんはOZと一緒に居たがるのか。一応、サリナさんからの伝言を伝えておく。」

サリナ姫からの伝言なんて、碌な話ではないだろう。

「『拓ちゃん、ヨハン王子の事をガゼルス将軍に頼まれていたとはいえ黙っていて楽しんでいたでしょ。
  また食器を売るんだから、美味しい物を御馳走することで許してあげるわ。』
 だとさ。」

一国の姫が、平民に食事をねだるなんて何を考えているのだろう。

「食器も作るなんて拓は器用なんだな。食事の時は、俺達も一緒に同行しても良いか。」

サリナ姫を誘ってヨハン王子を誘わない訳にはいかないだろう。
ブルネリ公爵まで期待しているみたいなので、前回のメンバーに声をかけるしかないか。

「売れたら、皆で行きましょうか。ただ、前に売れてしまったので、それほど売れないかも知れません。
 人数が多いので、あまり期待しないでくれると助かるのですが。」

後で、エチゴさんとセバスチャンに相談させてもらった方が良いな。

ヨハン王子との話しが終わると、ブルネリ公爵から、始めて会う男性と女性を紹介された。

「皆に紹介する。こちらは息子のリチャードと娘のハンナだ。
 リチャードもハンナもマクニス王国の城に勤めている。
 他に長男と長女が居るのだが、残念ながら戻って来れなかった。
 リチャード、ハンナ、こちらは冒険パーティのOZ。
 ガラ殿、レオ殿、エチゴ殿、アル殿、浩司殿、拓殿。私の友人だ。
 色々と世話になり、我が領地に来た時には屋敷に泊ってもらっている。」

リチャードさんとハンナさんが、自分の父親 ブルネリ公爵を不思議そうに見ている。
お互いに挨拶をしたのだが、ハンナさんは探る様な目つきで俺達を見ていた。
そして、挨拶をしている間、気になっていたのだが、

「あの、ヨギ魔道師が隠れていませんか。」

俺が言うと、リチャードさんの後ろから闇魔法で気配を消していたヨギ魔道師が現れた。

「私に気付くとはさすがだな。拓は更に腕を上げたんじゃないか。
 リチャードとハンナは私が無理やり連れて来たんだ。
 こいつ等と来たら、ブルネリが城に来た時に会えるからと言って帰って来ようともしない。
 未だ未だ未熟ものだが、宜しく頼む。」

ヨギ魔道師にはブルネリ公爵だけでなく、リチャードさんもハンナさんも頭が上がらないみたいだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

処理中です...