異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
383 / 761

383強化特訓

しおりを挟む
ギルドでの魔獣報告はアークとクリームに任せて、俺達は孤児院への味のお土産の準備を始めた。
あれだけ喜ぶ子供達の期待を裏切る訳にはいかない。
今回は、ロダン侯爵の所で出すリゾート料理がプレゼントだ。
アーク、クリームが説明に疲れて帰って来た所で、子供達に料理を振る舞った。
毎回見ていて思うが、子供達の食いっぷりが凄い。
この孤児院は、将来の事を考え贅沢は出来ないが、問題無いようにサポートしているが不足だっただろうか。
孤児院の院長にそれとなく聞いてみると

「皆様のお陰で、十分な食事が出来ています。
 ただ、この味のお土産を子供達がとても期待してしまい
 今日のお昼は、食事の量を半分位にして夜に備えていたんです。」

確かに、レオの料理は群を抜いて美味しいので気持ちは分かる。
追加で実験的にワサビを使った料理を出してみたが、こればかりは不評だった。
手を付けなかった分は、ガラ達が嬉しそうに回収している。
後でレオに聞いてみると、パーティに出す前に子供達に食べてもらって反応を見たらどうかとガラに勧められたらしい。

「子供達が残すのを前提に、残りを自分達が食べたかっただけじゃないのか。」

「そうかもしれないな。
 ただ、実際にワサビを使った料理を食べたのはカイとレムと拓ちゃんだけだからな。
 試しに子供達に食べてもらって良かったよ。」

レオって本当に出来た人だと思う。
ガラ達はワサビ料理をつまみに飲むのかと思ったが拡張バッグにしまっただけで今日は止めておくみたいだ。
流石に、旅から帰って来たばかりで疲れているのだろうか。
次の日位はノンビリと過ごしても問題ないだろうと思っていたが、朝早くから寝ている所を

『何時まで寝ているにゃ。早く食事をして強化特訓をするにゃ。』

ヤマトに突かれ起こされ食堂に向かうと、OZ、クリームだけでなくアークやカイも来ていた。
強化特訓を行いたく俺達が起きるのを待っていたそうだ。
何でこんなにやる気に満ちているのだろう。
こうなったら仕方がない。布団の中で1日ゴロゴロするのは諦めるか。
俺は怪我をした時に直ぐに対応出来る様に魔道具作りをしながら待機し、浩司が特訓の指導を行う。

「先ず、全員に行ってもらうのは、魔力の訓練。
 レオやアルに関しては魔道具を起動させるスピードアップにもなる。
 そして、なにより魔力感知能力を上げる事が出来る。」

魔法を使う時にだけ魔力を動かすのが一般的だ。
それに対し、常に体の中に魔力を循環させておくと呪文詠唱を行うとしても、短時間で強い魔法を放出する事が出来る様になる。
魔道具に対しても魔力を流しておけば起動時間を短縮する事が出来る。
そして、魔力に対する感覚が鋭くなれば、強化魔法を使う相手の攻撃に対し素早い反応が出来る様になる。
レッドタイガーなら炎の魔法を纏っているので、動きを把握しやすい。
体術の才能が無い俺が何とか戦えているのも、相手の魔力の流れを感じているからだ。

訓練方法は簡単で、体内に魔力を循環させながら普段の訓練を行うのだが、魔力の循環に気を取られると動きが悪くなり、動きに気を取られると魔力の循環が悪くなる。
更には、魔力の循環を行なえず、魔力が放出してる。

『それなりに筋は良いが厳しいな。下手をすると体内の魔力の流れ自体に悪影響を与えることになりかねんぞ。』

グリムが初めに徹底的に指導してくれたお蔭で体内に魔力を循環させられるが、癖が付いた状態で身に付けるのは非常に大変らしい。
一応、皆にその事を説明してみたが、レオやアルだけでなく全員訓練を続けるとの事。

『全く、拓と浩司に影響を受けるメンバーじゃな。
 こうなれば、拓、お前が全員の魔力の流れを整えるしかないじゃろう。』
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~

冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。  俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。 そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・ 「俺、死んでるじゃん・・・」 目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。 新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。  元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

処理中です...