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382サポート力

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「また魔力の使い過ぎで意識を失ったみたいだね。」

グリムがいる白い空間に俺は居た。
浩司や、ヤマトまで居ると言う事は、2人とも気を失ったのだろうか。

『浩司は意識を失ったが、吾輩は自らの意志で、この世界に入ってきたにゃ。』

「最後にジェニファーさんが投げたのは何か分かるか。」

『多分、拓が作った火の魔法陣を描いたコアじゃろう。』

「それって、死者の洞窟を炎で満たす為に使ったやつか。
 そう言えば、ジークさんに幾つか渡したままにしていたな。」

しかし、皆に心配を掛けてしまったかも知れない。

『今回の場合は、仕方が無いじゃろう。
 あそこまでしなければ、全滅していたじゃろうからな。
 しかし、レオとアルにとっては辛い現実じゃな。
 強化魔法が掛からない為に、皆の足を引っ張ってしまった。』

「レッドタイガー4体なんて想定外だから仕方がないだろ。」

『浩司よ、生死を賭けた戦いに、仕方がないは通じない。
 誰よりも、彼等が一番それを分かっているからな。』

厳しいがグリムの言う通りなのだろう。だからと言って、彼等を見捨てるという選択肢は無い。
対応方法を色々と考えてみたが俺に出来る事は僅かで、後は特訓を行うしかないみたいだ。
レオとアルは大丈夫だろうか。

『そんな風に悩んでも仕方が無いにゃ。
 2人の訓練も良いとは思うにゃ。にゃれど、サポート力が足らなかった事も問題にゃ。
 吾輩の実力が上がれば、問題解決にゃ。大船に乗った気でいると良いにゃ。』

ヤマトはそう言って、現実の世界に戻って行った。


******

浩司と俺は、丸一日寝ていたみたいだ。俺達が目を覚ますと

「本当に迷惑をかけた。」「すまねぇ、俺達の為に。」

レオとアルが謝ってきた。
ずっと、俺達の側に付いていてくれたみたいだ。

「俺の方こそ、力不足で御免。もっとサポートが出来ていれば良かったんだけど。」

俺が、自分のサポート力が足らなかった事を謝ると

「そんな事はねぇ。今回の戦いは2人が居たから勝てたんだ。
 あれだけのサポート、他の誰にもできやしねぇ。」

アルは俺が言った事を否定してくれる。

「だったら、レオもアルの事も同じだよ。2人だったから、あれだけ戦えたんだ。
 大変だと思うけど考えられる訓練を行なおうか。
 悩むのも良いけど、立ち止まっていたら何も変わらないからね。」

「今まで、あんな戦いを想定していなかったからな。
 もっと、応用の効く攻撃パターンを考えるから2人も協力して欲しい。」

俺と浩司の言葉にレオとアルが頷いてくれた。


ニックさん達も戻ってきていて、テントを張っている。
既に周囲の探索は済んでいて、強力な魔獣は居なかった。
ジークさんに最後の攻撃を聞いてみると、グリムの言う通り俺が作った火の魔法事が描かれたコアを投げたそうだ。
いざという時の秘密兵器として取っておいたらしい。
後で、新しいコアを作って渡す事にした。

とは言っても、浩司と俺は起きれるが、体が重い。
今は練成術を使える状態では無く、俺達は馬車で休んだ状態で運ばれた。
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