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378毒
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俺はオリバー隊長を闇の魔力で包んで遺跡の中へと入って行った。
遺跡の中は稼働している研究施設だった。そして、ここで作られている物は
「拓殿、一体ここで何を作っているか分かりますか。」
「多分、毒の生成やウィルスの培養していると思います。
そして、向こうに有るのが解毒剤や薬です。」
並んだ容器の中からは真っ黒なオーラが放たれていた。
どの程度の力が有るかは分からないが、このオーラを見るからにかなり強い毒だろう。
その中に、「黒死病」と書いてあるラベルが貼られた容器も有った。
そして、反対側にそれとは逆に奇麗なオーラを持つ物が反対側に並んでいる。
野球ボールぐらいの大きさの魔道具、培養槽に毒のサンプルを採取していく。
オリバー隊長は薬害という毒が効かない体質のため毒やウィルスの方を行うと言ってくれたが、ウィルスまで無効か出来るか分からないので俺が対応し、オリバーさんには薬の対応してもらう事にした。
俺は体の表面に浄化の魔法を発動させながら培養槽に収集していく。
一通り手に入れ、他の部屋を調べてみると…
「見るな。拓殿は覗いては駄目です。」
オリバー隊長が扉を開け声を掛ける前に、俺はその中の様子を見てしまった。
開けた時点で、探索魔法で中の状態は気付いたが、目にするまで理解できずにいた。
胃から逆流する物を何とか飲みこんだ。
そこにはガラスに覆われた部屋で、中にはベットに縛られた死体。
多分、毒や薬の効果を試す為の実験に使われたのだろう。
他の部屋には材料や、完成した大量の毒と薬を保管する設備だった。
劣化させない為か、ケーブルが繋げられた特別な容器に入っている。
俺が全てを破壊する為、炎の魔法事を描いた魔石を取り出してセットしようとすると
「拓殿、今は待って下さい。一度、戻りましょう。」
オリバー隊長に従う事にした。
その日は、ブルネリ公爵やバラン将軍、ピース医師、トリス練成術師が来て今後の対策を練る事になった。
ピース医師とトリス練成術師には毒と薬が入った培養槽を1セットづつ渡しておく。
ヨギ魔道師が、「踏み込んで毒を見つければ後はどうにでもなる。」と言うが、
相手は力のある貴族らしく、屋敷に踏み込む事は出来ないらしい。
何か地下の遺跡まで踏み込む理由が必要だ。
「なら、地下から毒が噴き出すと言うのはどうだ。
屋敷の人間の状態を確認すると言って入りこみ、毒の出所として地下遺跡を発見してしまえば良い。
元々、大量の毒を保有していれば、おかしい話ではないだろう。
それに、屋敷の周囲は結界で覆われているなら、毒次第では周囲にまき散らす事を防げないか。」
ガラが提案するが、あの結界は、侵入者を防ぐより、感知することが目的の様な物だ。
「そんな都合の良い毒なんて・・・いや、毒である必要はない。
屋敷に張ってある結界で拡散を防ぎ、屋敷の人間が体調を崩せばいいのか。」
そう言って、ピース医師が俺の方を見る。
『成程、港の町で行った事をもう一度やると言う事じゃな。』
グリムの言葉でピース医師の言っている事が分かり、俺はアイテムボックスから濁った気で真っ黒になった水晶の玉を取り出した。
「なっ、拓殿は何処かの町を滅ぼそうとでも考えているのですか。
濁った気を集めているのは知っていましたが、これ程集まっているとは思いもしませんでした。
今回は助かりますが、後で水晶の玉は少しづつ浄化させましょう。」
ピース医師の溜息と、全員からの俺への視線が痛い。
『町を滅ぼす程の毒を仕込んでいたとは。流石は毒男の拓にゃ。』
ヤマトは嬉しそうに言うのは止めてくれ。
何か有った時の隠し玉だと言うのに、何故理解してくれないのだろう。
遺跡の中は稼働している研究施設だった。そして、ここで作られている物は
「拓殿、一体ここで何を作っているか分かりますか。」
「多分、毒の生成やウィルスの培養していると思います。
そして、向こうに有るのが解毒剤や薬です。」
並んだ容器の中からは真っ黒なオーラが放たれていた。
どの程度の力が有るかは分からないが、このオーラを見るからにかなり強い毒だろう。
その中に、「黒死病」と書いてあるラベルが貼られた容器も有った。
そして、反対側にそれとは逆に奇麗なオーラを持つ物が反対側に並んでいる。
野球ボールぐらいの大きさの魔道具、培養槽に毒のサンプルを採取していく。
オリバー隊長は薬害という毒が効かない体質のため毒やウィルスの方を行うと言ってくれたが、ウィルスまで無効か出来るか分からないので俺が対応し、オリバーさんには薬の対応してもらう事にした。
俺は体の表面に浄化の魔法を発動させながら培養槽に収集していく。
一通り手に入れ、他の部屋を調べてみると…
「見るな。拓殿は覗いては駄目です。」
オリバー隊長が扉を開け声を掛ける前に、俺はその中の様子を見てしまった。
開けた時点で、探索魔法で中の状態は気付いたが、目にするまで理解できずにいた。
胃から逆流する物を何とか飲みこんだ。
そこにはガラスに覆われた部屋で、中にはベットに縛られた死体。
多分、毒や薬の効果を試す為の実験に使われたのだろう。
他の部屋には材料や、完成した大量の毒と薬を保管する設備だった。
劣化させない為か、ケーブルが繋げられた特別な容器に入っている。
俺が全てを破壊する為、炎の魔法事を描いた魔石を取り出してセットしようとすると
「拓殿、今は待って下さい。一度、戻りましょう。」
オリバー隊長に従う事にした。
その日は、ブルネリ公爵やバラン将軍、ピース医師、トリス練成術師が来て今後の対策を練る事になった。
ピース医師とトリス練成術師には毒と薬が入った培養槽を1セットづつ渡しておく。
ヨギ魔道師が、「踏み込んで毒を見つければ後はどうにでもなる。」と言うが、
相手は力のある貴族らしく、屋敷に踏み込む事は出来ないらしい。
何か地下の遺跡まで踏み込む理由が必要だ。
「なら、地下から毒が噴き出すと言うのはどうだ。
屋敷の人間の状態を確認すると言って入りこみ、毒の出所として地下遺跡を発見してしまえば良い。
元々、大量の毒を保有していれば、おかしい話ではないだろう。
それに、屋敷の周囲は結界で覆われているなら、毒次第では周囲にまき散らす事を防げないか。」
ガラが提案するが、あの結界は、侵入者を防ぐより、感知することが目的の様な物だ。
「そんな都合の良い毒なんて・・・いや、毒である必要はない。
屋敷に張ってある結界で拡散を防ぎ、屋敷の人間が体調を崩せばいいのか。」
そう言って、ピース医師が俺の方を見る。
『成程、港の町で行った事をもう一度やると言う事じゃな。』
グリムの言葉でピース医師の言っている事が分かり、俺はアイテムボックスから濁った気で真っ黒になった水晶の玉を取り出した。
「なっ、拓殿は何処かの町を滅ぼそうとでも考えているのですか。
濁った気を集めているのは知っていましたが、これ程集まっているとは思いもしませんでした。
今回は助かりますが、後で水晶の玉は少しづつ浄化させましょう。」
ピース医師の溜息と、全員からの俺への視線が痛い。
『町を滅ぼす程の毒を仕込んでいたとは。流石は毒男の拓にゃ。』
ヤマトは嬉しそうに言うのは止めてくれ。
何か有った時の隠し玉だと言うのに、何故理解してくれないのだろう。
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