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367ロビンさんの休日1

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休みの日とはいえ、私の朝は早い。
この寝心地の良いベットから起きると、部屋についた洗面台で顔を洗う。
窓の外は地下庭園で。いつでも、ほんのり暗い明るさになっている。
ベランダで寛ぐのも良いけど、やはり朝は明るい方が良い。

エントランスにある2階席で紅茶を飲む。
使うのはお気に入りのカップ。
エチゴ屋で買ってきたロダン侯爵領の器。

大理石で作られたエントランスはシンプルで高級感があり、天井のガラスから朝日が差し込んでいる。
壁には、ロダン侯爵で作られた大皿や壺、拓ちゃんが作ったガラス細工が置かれ目を楽しませてくれる。
何度も貴族の護衛をしているが、こんなに美しいエントランスは滅多に見る事が無い。
朝の時間は、この空間を私が独り占めできる。
音を奏でる魔道具から川のせせらぎと小鳥のさえずる声を流す。
早朝、私がエントランスで寛いでいるので拓ちゃんが用意してくれた。

「天井がガラスだと、夏は暑くて、冬は寒くないの。それに強度的にも危険じゃないかしら。」

と以前、拓ちゃんに聞いたことが有ったが、
ガラスにはミスリルを混ぜ込んで強度を上げ、更に2重構造にして間に空気層を挟んでいるので断熱効果も高い。
と、色々と説明してくれた。確かに断熱効果は高いし、実際に同じガラスに攻撃をしてみると強度も有った。
日差しが強ければ、シートを張る事が出来る。
シート張りも窓の開閉も壁のボタンに魔力を流すだけで行うことができる。
何でも、魔道具で水を動かしプロペラを回転させて窓の開閉やシート張りの動力にしているとの事。
他にも色々と教えてもらった事が有るけど、私は凄いの一言で終わってしまう。
そもそも、普通の家の窓ガラスにミスリルを混ぜ込むなんて拓ちゃん以外に居ないと思う。

他の町で宿に泊ると「早く仕事を終わらせて帰りたい」が次の日のクリームメンバーの口癖。
こんな素晴らしい家に住まわせて貰えて、本当に感謝している。


そろそろ、OZの皆さんが起きる時間。
基本的にレオさんが中心で朝食を作っている。
そろそろトムとジェニファーも起きるし、私も朝食の準備を手伝いに行こうかしら。

「おはようございます。」

台所には、レオさんの他に浩司さんとガラさん、ピース医師にトリス錬成術師。少し遅れてトムとジェニファーもやってくる。
OZの他の3人は、昨日も夜遅くまで仕事をしていたのかしら。

エチゴさんは商人から冒険者になったというのに、良く拓ちゃんのフォローで大変な交渉を任されているし
アルさんはポーションや解毒剤、拓ちゃんは何かの魔道具を作っている。
かと言って、他の3人が休んでいる訳ではない。
ガラさんは町の情報収集や、浩司さんとOZとしての戦闘方法の検討を色々と行っている。
浩司さんは、あれだけの魔法を使えるのに、更に剣術の訓練を行なっている。
レオさんは、時間が有れば料理の研究。朝まで台所に居る場合も結構ある。
皆楽しそうにしているから大丈夫だとは思うけど、働き過ぎじゃないかしら。


皆で朝食を頂いた後は、バザーへ買い出し。
大食いのメンバーが揃っているから、食べ物の消費が激しい。
既に顔なじみになった売り子さんと話しながら大量に購入した米、小麦、野菜を拡張バッグに入れていく。
拡張バッグを使って買い物なんて私達位だろう。
拓ちゃんから貰ったバッグなのに、OZが使うと目立つからと私達に荷物運びをお願いするしかないなんて大変よね。

バザーで食材を大量に買ったにも関わらず、更にヨーゼフさんの店に寄って珍しい食材を購入する。
ガラさんがBランク冒険者の試験を受けた時、知り合いになってから寄る様になった。
浩司さんや拓ちゃんに言わせると、もっと生の果物を売って欲しいそうだ。
確かに浩司さんが作ってくれるデザートには生の果物が外せない。
ただ、残念ながら、この町では果物を育てる人は少なく、店頭に並ぶのは僅かだ。

お昼を食べた後は、今日はジェニファーと町を散策。
服やアクセサリーを見ながら歩いていると

「お前等、盗んだ金じゃねぇのか。」

少し離れた所の店から店主の罵声が聞えた。
覗いてみると、10人位の孤児の子供達が食べ物を買おうと店に行ったみたいだが、追いだされてしまったみたいだ。
年長の男の子が「自分達で稼いだ金だ」と言っているが聞く耳を持とうともしない。

「ちょっと、この子達が盗んだ証拠でもあるの。」

ジェニファーが間に入って文句を言うと、店主は

「どっちにしろ、こんな汚い奴等が来たら商売の邪魔だ。とっとと失せやがれ。」

捨て台詞を吐いて店の中に戻って行った。
私達はAランクの冒険者として顔が知られている。
流石に店主も、これ以上は何も言えなかっただろう。
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