異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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エチゴさんの新しい店をオープンさせてから1週間。
初日に、ポーション半額セールで集まった冒険者のリピータ率も高いみたいだ。
2階の食器売り場の話も広まり、結構な人が見に来ている。
珍しい物好きの貴族もお忍びで来られているらしい。
売り上げについては、月末に話をしてもらう事になっているので細かくは聞いていないが、それなりに売れているそうだ。

そろそろ、ラグテルの町に帰ろうと考えていた所で、ピース医師、アークのメンバー、他に黒死病の治療に当たってきた医者の方々が戻ってきた。
獣人の男の子、ティコも一緒だった。彼は、薬師としての勉強をする事になった。
村に来た時に、俺に「後悔する様な治療を行ったのではなければ、しっかり顔を上げるように」と言ってくれた医者が面倒をみる。
獣人が医者を目指すのはブルネリ領でも初めての試みらしい。
獣人にとって知識を教わる機会がないだけでなく治癒魔法や解毒等の魔法が使えない為、医者になろうとする者は居ない。
ティコは、薬で治療を行い、最終的には両親の意思を受け継ぎ自分の村で医者になるそうだ。


ピース医師、アークのメンバーも戻り、エチゴ屋もオープン時の忙しさは落ち着いたので、2日後に俺達はラグテルの町へと移動する事にした。

水虫とハゲの薬の効果だが、水虫は見た目にも改善されているのが分かる。
ハゲの方も効果が有り、少づつ頭髪が生えてきていた。
男らしくて気に入っていた海坊主風の兵士が一番効果が表れていた。
性病の方人も良くなってきているそうで、顔を合わせないように気を使っていたが兵士の方から俺に礼を言ってきた。
性病の人は別として、水虫とハゲについては、イルミネーションの時に戻ってきたら、改めて確認させてもらう。

最終日は、果物や食材を大量に購入し、食堂を借りて皆で料理
レオとルドルフ料理長の指示の下、パンやオカズを作っている。
時々、2人で新しい試みを行い、色々と工夫を加えている。
その横で、俺はキノコを使った炊き込みご飯やおこわでおにぎり、浩司はデザートを作っている。
浩司がババロアを作っていると

「ゼリーやババロアも良いけど、プリンも欲しくなるよな。」

と言うので

「この世界って蒸し料理が一般的じゃないからね。
 蒸し器が無くてもプリンくらい作れるだろ。」

「えっ、拓ちゃんってプリンが作れるのか。何で教えてくれなかったんだよ。」

「何でって、浩司なら作れると思っていたから。簡単だから作ってみる。」

せっかくなので、普通の牛乳を使ったのと、牛乳と生クリームを半分づつ使った物を皆で作る事にした。
カラメルソースを作る時は、全員から「「「あ~~」」」と失敗して高級品の砂糖を焦がしたと思われたが、想定の内だ。
カラメルソースを引いた器に、卵、牛乳、バニラエッセンスの様な香りの香料を混ぜた液体を入れて蒸し器に並べる。
浩司以外は、直ぐに食べれると期待していたみたいだが、蒸しあがり、粗熱が取れたら冷蔵庫へ

「これは、夕食のデザートだね。冷たい方が美味しいから楽しみに待っててよ。
 じゃあ、もう少し料理を作っておこうか。」

ガラとアルが溜息を吐きながら料理を作り始めた。
夕食が終わり、デザートが出てくると、ガラとアルが待ってましたとばかりに食べ始めた。

「これは美味い。独特の食感だな。
 生クリームが入っている方は、口の中で蕩けるぞ。」

「砂糖を焦がした時は驚いたが、焦げた砂糖とプリンを一緒に食べると、この苦みが美味いな。」

ガラ、アル、アークの脳筋チームは直ぐに食べてしまった。
こいつら、自制心というのは無いのだろうか。
ゆっくり食べている俺達のプリンを羨ましそうに見ているが、お代わりは無い。
作り方も教えたし、家にも大きな冷蔵庫をプレゼントしたので自分達で作れば良いだろう。
ブルネリ公爵も気に入ってくれ、ルドルフ料理長にレシピを教えてあると聞くと、後で作る様に指示するそうだ。

「OZが世界中の料理を食べつくすと言っていたが、私も一緒に旅をしたいものだ。」

そう言って、笑っていた。
やはり、公爵として仕事ばかりしていると外に出たくなるのだろう。
地位が高いというのも大変の様だ。
忙しいのは俺が原因の所も有るそうなので、珍しい料理や食材が手に入ったら差し入れ位はさせて頂こう。
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