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「リッチは薬の製造知識を持っているのか。」
『有る程度の知識は有るそうにゃ。
ただリッチは医者で、薬師ほどの製造知識は無いそうにゃ。』
「もし、使える知識が有れば教えてもらえないだろうか。」
『分かったと言っているにゃ。』
少しでも薬の知識が有るのは助かる。自分達の身を守る手段は多いほうが良い。
遺跡の周辺をウルトラアイで調べてみると、綺麗な色のオーラを放つ植物が多く生息しているのが分かる。
「もしかすると、黒死病の薬草が揃ったのは、遺跡のお陰なのかな。」
「どういう事だ。」
浩司が質問してくる。
「この周辺の薬草の種類が多いんだよ。もしかして、研究の為に集めた薬草かと思って。」
「成程な。だから黒死病の薬の材料も集まったのか。」
遺跡に向かって手を合わせる俺に、浩司が心配そうに俺の顔を覗きこむ
「拓ちゃん、大丈夫か。」
俺は自分でも気づかない内に泣いていた。
助けられなかった。グリムの知識と俺の魔力があれば何とかなると軽く考えていた。
しかし、現実は無力で助けられない大勢の人達。
それなのに、俺に「ありがとう」と笑いかけて亡くなった方も居た。
残された家族ですら、村を出る俺に礼を言ってくれた。
涙が止まらない俺を、浩司は黙ったまま抱きしめ続けてくれた。
次の日になっても、俺の気分は優れなかった。そんな俺に
「拓ちゃん、ここで薬草を採取していかないか。
珍しい薬草も生えているみたいだぞ。」
「拓さん、拓さんはやれる事を全てやりきったと思います。
辛いでしょうが、次に同じ事が有っても対応出来る様に先に進みましょう。」
「拓、同じ事が起きても大丈夫な様に、俺も薬作りを頑張るからな。
だから、そんなに独りで抱え込まないでくれよ。」
浩司、エチゴさん、アルに励まされる。
俺が落ち込んでいてどうする・・・
同じ事が発生した時、また同じ様に落ち込むのか・・・
自分は医者では無いから仕方ないと言い訳するのか・・・
そんなのまっぴらだ。
だったら、だったら、どうすればいい。考えろ。立ち止まるな前に進め。
食欲が無かろうと、無理やりにでも朝食を胃に詰め込んで、周辺の薬草を調べてみた。
ウルトラアイで多くの種類の薬草があるのが分かるが、グリムでも見た事のない種類が多い。
サンプルとして持ち帰り、後でブルネリ公爵の本で調べ
グリムやリッチーから薬について教わり、製造方法が分かる物はまとめようと思う。
遺跡を傷つけたくなかったので、俺が持っている金属を使いガラスでコーティングされた遺跡を訪ねた証のメダルを作った。
表には薬草の絵を描いてある。
何をして良いのかは分からないが、俺に出来る事を見つけてやる。
「何時もの拓ちゃんの顔に戻ったな。ブルネリ公爵領に戻るとすか。」
浩司がそう言うと、ガラがこれからの事を話す。
「ブルネリ公爵領についたら宿さがしだ。流石にエチゴ屋の件で館にお世話になる訳にはいかないからな。
ブルネリ公爵に報告した後、クリームはどうする。ラグテルに戻るなら、俺達の家を使ってもらって良いぞ。」
クリームはマクニス王国でギルドの依頼を受けるそうだ。
ラグテルでもそれなりの依頼があるが、金を稼ぐならマクニス王国の方が割の良い仕事が多い。
Aランクの冒険者ともなれば尚更だ。
俺達OZは、店のオープン1週間ほど様子を見てから帰る。
『有る程度の知識は有るそうにゃ。
ただリッチは医者で、薬師ほどの製造知識は無いそうにゃ。』
「もし、使える知識が有れば教えてもらえないだろうか。」
『分かったと言っているにゃ。』
少しでも薬の知識が有るのは助かる。自分達の身を守る手段は多いほうが良い。
遺跡の周辺をウルトラアイで調べてみると、綺麗な色のオーラを放つ植物が多く生息しているのが分かる。
「もしかすると、黒死病の薬草が揃ったのは、遺跡のお陰なのかな。」
「どういう事だ。」
浩司が質問してくる。
「この周辺の薬草の種類が多いんだよ。もしかして、研究の為に集めた薬草かと思って。」
「成程な。だから黒死病の薬の材料も集まったのか。」
遺跡に向かって手を合わせる俺に、浩司が心配そうに俺の顔を覗きこむ
「拓ちゃん、大丈夫か。」
俺は自分でも気づかない内に泣いていた。
助けられなかった。グリムの知識と俺の魔力があれば何とかなると軽く考えていた。
しかし、現実は無力で助けられない大勢の人達。
それなのに、俺に「ありがとう」と笑いかけて亡くなった方も居た。
残された家族ですら、村を出る俺に礼を言ってくれた。
涙が止まらない俺を、浩司は黙ったまま抱きしめ続けてくれた。
次の日になっても、俺の気分は優れなかった。そんな俺に
「拓ちゃん、ここで薬草を採取していかないか。
珍しい薬草も生えているみたいだぞ。」
「拓さん、拓さんはやれる事を全てやりきったと思います。
辛いでしょうが、次に同じ事が有っても対応出来る様に先に進みましょう。」
「拓、同じ事が起きても大丈夫な様に、俺も薬作りを頑張るからな。
だから、そんなに独りで抱え込まないでくれよ。」
浩司、エチゴさん、アルに励まされる。
俺が落ち込んでいてどうする・・・
同じ事が発生した時、また同じ様に落ち込むのか・・・
自分は医者では無いから仕方ないと言い訳するのか・・・
そんなのまっぴらだ。
だったら、だったら、どうすればいい。考えろ。立ち止まるな前に進め。
食欲が無かろうと、無理やりにでも朝食を胃に詰め込んで、周辺の薬草を調べてみた。
ウルトラアイで多くの種類の薬草があるのが分かるが、グリムでも見た事のない種類が多い。
サンプルとして持ち帰り、後でブルネリ公爵の本で調べ
グリムやリッチーから薬について教わり、製造方法が分かる物はまとめようと思う。
遺跡を傷つけたくなかったので、俺が持っている金属を使いガラスでコーティングされた遺跡を訪ねた証のメダルを作った。
表には薬草の絵を描いてある。
何をして良いのかは分からないが、俺に出来る事を見つけてやる。
「何時もの拓ちゃんの顔に戻ったな。ブルネリ公爵領に戻るとすか。」
浩司がそう言うと、ガラがこれからの事を話す。
「ブルネリ公爵領についたら宿さがしだ。流石にエチゴ屋の件で館にお世話になる訳にはいかないからな。
ブルネリ公爵に報告した後、クリームはどうする。ラグテルに戻るなら、俺達の家を使ってもらって良いぞ。」
クリームはマクニス王国でギルドの依頼を受けるそうだ。
ラグテルでもそれなりの依頼があるが、金を稼ぐならマクニス王国の方が割の良い仕事が多い。
Aランクの冒険者ともなれば尚更だ。
俺達OZは、店のオープン1週間ほど様子を見てから帰る。
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