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262宴会
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とりあえず、一段落付いたみたいだ。
俺は抱きしめ続けている浩司から離れ、特殊メイクばりのの犬耳と皮膚に付けた獣人の体毛を取り外して行く。
頭にも獣人の体毛を付ける為、頭髪も剃って綺麗に丸坊主だ。体中の体毛は、ここで取り外せないので諦める。
周りに居た冒険者達は、俺が変装していたと知って驚いていた。
実際には、裏切り者のレンドが使っていた変身魔法を上からかけて本物の様にしていたが、魔法を使っていた事は気付かれず、特殊メイクだけで変装していたと受け取ってくれたみたいだ。
すると、ゴルゴが俺の前に立ちはだかりと、思いっきり頭に拳骨が落ちた。
「この馬鹿野郎。ガキが何をやっているんだ。
助かったから良かったものの、囮なんかして焼け死んでいたらどうするつもりだったんだ。」
ゴルゴに本気で怒られてしまった。
獣人の子供が誘拐されて、ずっと心配していたのだろう。
いや、ゴルゴだけでない。今回の囮として捕まった事で、ここに居る冒険者の皆に心配をかけてしまった。
「皆さんに心配かけて申し訳ありませんでした。」
皆に頭を下げて謝った。
「わ、分かれば良いんだよ。ガキはガキらしくしてろ。
大体、お前は出しゃばり過ぎなんだよ。こんな事は大人に任せておけ。」
急に照れくさそうに言うゴルゴに、俺は改めて謝ると
「ゴルゴ、その位で許してやれよ。ナイス、囮役。頑張ったな。」
「そうだ、お前は頑張ったぞ。その分、俺達の立場が無くなったけどな。」
周りの冒険者から俺に声がかかる。
冒険者の皆が笑っていた。人間も獣人も関係なく笑っていた。
「おい拓。これは、お前のお陰だ。
お前が気付かせてくれなければ、俺達はギリス教側の人間だったんだ。
全く、以前の自分を殴りたくなるぜ。その、何と言うか、ありがとうな。」
ゴルゴは俺の方は向かなかったが、お礼を言ってくれた。
俺がやって来た事なんてたかが知れている。
ゴルゴ達が頑張ってくれたから、こんなに早く人間と獣人が打ち解ける事が出来た。俺にお礼なんて不要だろう。
ジークさん並みの怖い顔の男が倒れているギリス教の奴等を縄で縛りあげると叫んだ。
「野郎ども。今日はギルド会館で宴会だ。朝まで飲み明かすぞ」
「「「お~~」」」と冒険者達が雄叫びを上げ、ギルド会館へと移動し始めた。
「拓も疲れているだろうが、顔ぐらいは出しておけ。」
ゴルゴはそう言うと仲間の方へ行ってしまった。
未だ昼間なのに、ギルド会館は凄い盛り上がりだ。
ギルド会館の中に有る居酒屋から大量の酒や食事が出されたうえ、各々が酒や食べ物を持ち込んでいた。
ジェニファーさんとロビンさんは女冒険者に囲まれ、他のクリームのメンバーやアークは男の冒険者に囲まれ、今回の戦いの話で盛り上がっていた。
俺達もOZのメンバーで机を囲んで、適当に食事をしていると、ジークさんがギルド会館で飲むぞと叫んだジークさん並みの怖い顔の男を連れてきた。
「彼がOZに挨拶をしたいと言うので連れてきた。」
「少し、邪魔させてもらっても良いか。ガラとレオは居ないんだな。」
「久しぶりですね。彼等には孤児院の子供達の面倒を見てもらっているんですよ。」
エチゴさんは、この男の事を良く知っているみたいだ。
「こちらの2人と会うのは初めてだな。俺は、このギルドでギルドマスターをやっているバクルだ。
先ずは、礼を言う。あの糞共を叩き潰してくれてありがとうな。
そして、人間と獣人の仲をとりもってくれて、感謝している。」
初めて見たけど、この人がギルドマスターなのか。ジークさんと並ぶと犯罪者にしか見えないな。
しかし、酔っぱらっているのだろうか。仲をとりもつとは何を言っているのだろう。
そんな俺達を見て、バクルさんは笑うと
「何だ、分かってないのか。
この町の冒険者の今を作ったきっかけは、2人がガラとレオとパーティを組んだ事だ。
あれだけ差別をしていたゴルゴ達が考え方を変えて獣人のサポートを行い、
BランクのアークやAランクのクリームが獣人に指導するようになり、一気に空気が変わったんだ。」
アークやクリームってそんな事をしていたんだ。
「それって、皆のおかげって事ですよね。」
「おいおい、拓。俺達みたいな他所者が、簡単に獣人達と打ち解けられる訳ないだろ。」
ジークさんがそう言ってくるが、
「受け入れられたから、獣人の人達が指導を受けたのでは?高ランクの冒険者から教われるのは有りがたいから。」
何故か、ジークさんに深い溜息を吐かれてしまった。
「差別意識が有る所で、高ランクだろうと簡単に受け入れられる訳がないだろ。
受け入れられたのは、アークも俺達もOZの知り合いだからだよ。
お前達が下地を作っておいてくれたからだ。」
ギルドマスターのバルクさんが笑って話し始める。
「今、冒険者達の間で良く言われている言葉を知っているか。」
はやり言葉なんて有ったのか。それ自体知らない。
「『情けは人の為ならず』だ。
ゴルゴもアークもOZから恩を受け、次に回しているそうだ。
どちらも、どんな恩を受けたかは教えてくれないがな。
あいつ等、助けた奴等に『情けは人の為ならず』を説明して次に回す様に言っている。
お前等は俺が諦めていた差別を無くすきっかけを作ってくれたんだよ。
そして今回、立場上あの糞共を叩き出せず悔しい思いをしていたが、お前達が一掃してくれたしな。
何か有ったら言ってくれ。ギルドマスターとしては動けなくても、俺個人として必ず力になる。
当然、俺も今回の恩は次に回させてもらう。」
そう言って席を立つと、他の冒険者達に声を掛けながら皆の所を回っていた。
俺は抱きしめ続けている浩司から離れ、特殊メイクばりのの犬耳と皮膚に付けた獣人の体毛を取り外して行く。
頭にも獣人の体毛を付ける為、頭髪も剃って綺麗に丸坊主だ。体中の体毛は、ここで取り外せないので諦める。
周りに居た冒険者達は、俺が変装していたと知って驚いていた。
実際には、裏切り者のレンドが使っていた変身魔法を上からかけて本物の様にしていたが、魔法を使っていた事は気付かれず、特殊メイクだけで変装していたと受け取ってくれたみたいだ。
すると、ゴルゴが俺の前に立ちはだかりと、思いっきり頭に拳骨が落ちた。
「この馬鹿野郎。ガキが何をやっているんだ。
助かったから良かったものの、囮なんかして焼け死んでいたらどうするつもりだったんだ。」
ゴルゴに本気で怒られてしまった。
獣人の子供が誘拐されて、ずっと心配していたのだろう。
いや、ゴルゴだけでない。今回の囮として捕まった事で、ここに居る冒険者の皆に心配をかけてしまった。
「皆さんに心配かけて申し訳ありませんでした。」
皆に頭を下げて謝った。
「わ、分かれば良いんだよ。ガキはガキらしくしてろ。
大体、お前は出しゃばり過ぎなんだよ。こんな事は大人に任せておけ。」
急に照れくさそうに言うゴルゴに、俺は改めて謝ると
「ゴルゴ、その位で許してやれよ。ナイス、囮役。頑張ったな。」
「そうだ、お前は頑張ったぞ。その分、俺達の立場が無くなったけどな。」
周りの冒険者から俺に声がかかる。
冒険者の皆が笑っていた。人間も獣人も関係なく笑っていた。
「おい拓。これは、お前のお陰だ。
お前が気付かせてくれなければ、俺達はギリス教側の人間だったんだ。
全く、以前の自分を殴りたくなるぜ。その、何と言うか、ありがとうな。」
ゴルゴは俺の方は向かなかったが、お礼を言ってくれた。
俺がやって来た事なんてたかが知れている。
ゴルゴ達が頑張ってくれたから、こんなに早く人間と獣人が打ち解ける事が出来た。俺にお礼なんて不要だろう。
ジークさん並みの怖い顔の男が倒れているギリス教の奴等を縄で縛りあげると叫んだ。
「野郎ども。今日はギルド会館で宴会だ。朝まで飲み明かすぞ」
「「「お~~」」」と冒険者達が雄叫びを上げ、ギルド会館へと移動し始めた。
「拓も疲れているだろうが、顔ぐらいは出しておけ。」
ゴルゴはそう言うと仲間の方へ行ってしまった。
未だ昼間なのに、ギルド会館は凄い盛り上がりだ。
ギルド会館の中に有る居酒屋から大量の酒や食事が出されたうえ、各々が酒や食べ物を持ち込んでいた。
ジェニファーさんとロビンさんは女冒険者に囲まれ、他のクリームのメンバーやアークは男の冒険者に囲まれ、今回の戦いの話で盛り上がっていた。
俺達もOZのメンバーで机を囲んで、適当に食事をしていると、ジークさんがギルド会館で飲むぞと叫んだジークさん並みの怖い顔の男を連れてきた。
「彼がOZに挨拶をしたいと言うので連れてきた。」
「少し、邪魔させてもらっても良いか。ガラとレオは居ないんだな。」
「久しぶりですね。彼等には孤児院の子供達の面倒を見てもらっているんですよ。」
エチゴさんは、この男の事を良く知っているみたいだ。
「こちらの2人と会うのは初めてだな。俺は、このギルドでギルドマスターをやっているバクルだ。
先ずは、礼を言う。あの糞共を叩き潰してくれてありがとうな。
そして、人間と獣人の仲をとりもってくれて、感謝している。」
初めて見たけど、この人がギルドマスターなのか。ジークさんと並ぶと犯罪者にしか見えないな。
しかし、酔っぱらっているのだろうか。仲をとりもつとは何を言っているのだろう。
そんな俺達を見て、バクルさんは笑うと
「何だ、分かってないのか。
この町の冒険者の今を作ったきっかけは、2人がガラとレオとパーティを組んだ事だ。
あれだけ差別をしていたゴルゴ達が考え方を変えて獣人のサポートを行い、
BランクのアークやAランクのクリームが獣人に指導するようになり、一気に空気が変わったんだ。」
アークやクリームってそんな事をしていたんだ。
「それって、皆のおかげって事ですよね。」
「おいおい、拓。俺達みたいな他所者が、簡単に獣人達と打ち解けられる訳ないだろ。」
ジークさんがそう言ってくるが、
「受け入れられたから、獣人の人達が指導を受けたのでは?高ランクの冒険者から教われるのは有りがたいから。」
何故か、ジークさんに深い溜息を吐かれてしまった。
「差別意識が有る所で、高ランクだろうと簡単に受け入れられる訳がないだろ。
受け入れられたのは、アークも俺達もOZの知り合いだからだよ。
お前達が下地を作っておいてくれたからだ。」
ギルドマスターのバルクさんが笑って話し始める。
「今、冒険者達の間で良く言われている言葉を知っているか。」
はやり言葉なんて有ったのか。それ自体知らない。
「『情けは人の為ならず』だ。
ゴルゴもアークもOZから恩を受け、次に回しているそうだ。
どちらも、どんな恩を受けたかは教えてくれないがな。
あいつ等、助けた奴等に『情けは人の為ならず』を説明して次に回す様に言っている。
お前等は俺が諦めていた差別を無くすきっかけを作ってくれたんだよ。
そして今回、立場上あの糞共を叩き出せず悔しい思いをしていたが、お前達が一掃してくれたしな。
何か有ったら言ってくれ。ギルドマスターとしては動けなくても、俺個人として必ず力になる。
当然、俺も今回の恩は次に回させてもらう。」
そう言って席を立つと、他の冒険者達に声を掛けながら皆の所を回っていた。
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