異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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2111号店

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貴族のパーティ前日、屋敷の中は大騒動だった。
クリームも屋敷にやってきたが、アークもクリームもパーティの警護をする事になっていて綿密な打ち合わせを行っている。
ピース医師やトリス練成術師の所は大切な客が来られているみたいで、遊びに行ける状態ではない。
サリナ姫ですら、スケジュールの確認や服装のチェックなどをして忙しくしていた。
OZだけがやる事が無く、町の散策にでも行こうとすると

「OZの皆さん、今日の午前中付き合ってもらえませんか。」

オリバー隊長が声を掛けてくれる。
バラン将軍の代わりに、無人島で約束したお勧めの店に連れて行ってくれるそうだ。
凄い人混みの中、向かったのは奇麗な門構えの店
支度中の札が掛っていたが気にせず入ると

「「いらっしゃいませ。」」

迎えてくれたのは、以前、蕎麦打ちを教えた山脈の麓の村の村長だった。

「えっ、何で村長がここに居るんですか。」

「色々有りまして。さぁ、どうぞお掛け下さい。」

オリバー隊長が注文すると、山菜の天ぷらと3色の蕎麦が出てきた。

「おっ、やっぱり蕎麦か。良い香りがするな。悪いが俺は蕎麦にはちょっと煩いんだぞ。」

そう言ってガラが食べ始めると、無言で箸が進んでいく。俺も早速頂いてみると…

「コシが有って美味しい。天つゆの味も凄く良い。」

全員、お代わりまでしてしまった。最後に出て来た蕎麦饅頭を頂いていると、村長が挨拶に出てきた。

「当店の蕎麦は如何でしたか。」

「凄く美味しかったです。見た目も美しいし、こんなに美味しい蕎麦が食べれるとは思いませんでした。」

「確かに美味いな。蕎麦打ち名人の俺が保証するぞ。」

何時からガラは蕎麦打ち名人になったんだよ。

「あれから我々も工夫を凝らして来ました。拓殿に少しでも驚きとの出会いを与えられ良かったです。」

「これぞプロっていう腕前ですよね。本当に凄いです。」

話を伺うと、ブルネリ公爵の勧めで、ここに蕎麦の店を出す事になったそうだ。
人気が出て、行列が出来る店となっているらしい。
今度、2号店を出す予定もある。
今回は、俺達を連れて来るというので、わざわざ村長が町まで出てきてくれたそうだ。
本当に良い店に連れてきてもらえて良かった。
店頭で、蕎麦クレープと蕎麦饅頭の持ち帰り販売をしていたので、お土産に購入した。
お代は要らないと言われたが、

「それはいけません。それに、バラン将軍の奢りですので気にせず使いましょう。」

オリバー隊長が苦笑しつつも代金を払っていた。
バラン将軍の奢りとなると、美味しさが1ランクアップしたような気がする。
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