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174レオの夢
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エチゴさんやオリバー隊長なんて、嬉しそうな顔をして黙々と食べている。
ただ、レオだけが箸が進まず、考え込んでいた。
「レオは刺身は好きじゃ無かった?」
「いや、凄く美味い。
こんなシンプルで、ここまで美味いとは思わなかった。
拓ちゃんから色々と料理を教わっているが、まだまだ知らない事だらけだと思ってな。」
「素材が新鮮だからね。でも切り方で味が落ちるから気を付けてね。
それから、俺はプロの料理人じゃないから知識だってたかが知れてるよ。
俺程度の知識なんて、さっさとモノにして次の段階に進まないと。
この先、きっと色々な料理に出会えるよ。楽しみだね。」
「拓ちゃん程度の知識って何だかな。
俺はさ、料理を教えてもらって、皆が嬉しそうに食べるのを見て料理人に成りたいと思ったんだ。
しかし、拓ちゃんの考える料理のプロになるまで道が遠いな。」
「えっ、そんな事は無いよ。俺は趣味だけど、レオの料理に対する姿勢はプロの卵だよ。
いつも遅くまで勉強して、色々と工夫し続けて
俺、レオの工夫した料理を食べるの、本当に楽しみにしているし。」
「そう言われると嬉しいな・・・プロの料理人か。
こんな夢、今まで考える事も出来無かったよ。頑張ってみるか。」
今までレオは本当に真剣に料理の事を考え創意工夫を行っている。
そして何より、誰かが食べて幸せな顔になるのを本当に喜んでいる。
きっと良い料理人になれるんじゃないだろうか。
しかし、レオに料理人という目標が出来たのが嬉しいのは分かるが、ガラは喜びすぎだ。
ここが家だったら、完全に飲み会に突入だったろうな。
「なぁ、拓ちゃん。未だ刺身は有るんだろ。だったら、寿司を握ってみないか。」
「寿司か、浩司は握った事があるのか。」
「いや、そんなのやったこと有るわけ無い。でも、レオがそういう料理も知ったら良いと思わないか。」
「俺もやった事が無いんだよな。でも面白いかもしれないね。」
「だったら、握るのは俺にやらせてくれ。一度やってみたかったんだよ。」
いや、浩司じゃなくて、レオに色々と教えたかったんだが・・・
ガラとアルも握りたがっているな。
レオも、3人を見て笑っているし、まぁ、良いか。明日の晩飯は3人が握る寿司にするか。
夜、浩司と俺は浜辺で横になっていた。
月も見えず真っ黒な海。代わりに空一面に星が輝いている。
少し離れた所に焚火の灯りが有るだけで、波の音だけが聞こえる。
「なぁ、浩司って何か夢が有るのか。」
「前の世界だったら、ラグビーの大会で優勝とか有ったけどな。
この世界じゃ、旅をして、色んな景色を見て感動して・・・そんな感じか
ちょっと、夢とは違うか。拓ちゃんは。」
「前の世界だったら、技術者。
映画に出て来る様な、マッドサイエンティストみたいな天才に憧れた。」
「それ、分かるよ。拓ちゃんって、技術を総動員させて変な事をやらかしそうだよな。」
何かが浩司のツボにはまったのか、大笑いをしている。
「納得されるのも問題あるな。でも、この世界に来たら、分からなくなった。」
「何でだよ。拓ちゃんの錬成術があるじゃないか。それだけの技術が有れば夢が実現したんじゃないか。」
「その錬成術が問題なんだよ。もちろん、使える様に努力はしてる。ただ、達成感が無いんだ。」
練成術を使うと簡単に作れるが、それが問題になるとは思ってもみなかった。
「贅沢な事を言っているよな。」
「贅沢と言えば、贅沢なんだよな。そうだ、ラグビーの事を教えてくれないか。」
「急にどうしたんだよ。」
「ラグビーボールを作るから、皆を誘って、やってみないか。試合は出来ないけど、楽しめるんじゃないかな。」
「ありがとう。凄く嬉しいよ。」
少し違うが、浩司が楽しんでくれれば嬉しい。
ただ、レオだけが箸が進まず、考え込んでいた。
「レオは刺身は好きじゃ無かった?」
「いや、凄く美味い。
こんなシンプルで、ここまで美味いとは思わなかった。
拓ちゃんから色々と料理を教わっているが、まだまだ知らない事だらけだと思ってな。」
「素材が新鮮だからね。でも切り方で味が落ちるから気を付けてね。
それから、俺はプロの料理人じゃないから知識だってたかが知れてるよ。
俺程度の知識なんて、さっさとモノにして次の段階に進まないと。
この先、きっと色々な料理に出会えるよ。楽しみだね。」
「拓ちゃん程度の知識って何だかな。
俺はさ、料理を教えてもらって、皆が嬉しそうに食べるのを見て料理人に成りたいと思ったんだ。
しかし、拓ちゃんの考える料理のプロになるまで道が遠いな。」
「えっ、そんな事は無いよ。俺は趣味だけど、レオの料理に対する姿勢はプロの卵だよ。
いつも遅くまで勉強して、色々と工夫し続けて
俺、レオの工夫した料理を食べるの、本当に楽しみにしているし。」
「そう言われると嬉しいな・・・プロの料理人か。
こんな夢、今まで考える事も出来無かったよ。頑張ってみるか。」
今までレオは本当に真剣に料理の事を考え創意工夫を行っている。
そして何より、誰かが食べて幸せな顔になるのを本当に喜んでいる。
きっと良い料理人になれるんじゃないだろうか。
しかし、レオに料理人という目標が出来たのが嬉しいのは分かるが、ガラは喜びすぎだ。
ここが家だったら、完全に飲み会に突入だったろうな。
「なぁ、拓ちゃん。未だ刺身は有るんだろ。だったら、寿司を握ってみないか。」
「寿司か、浩司は握った事があるのか。」
「いや、そんなのやったこと有るわけ無い。でも、レオがそういう料理も知ったら良いと思わないか。」
「俺もやった事が無いんだよな。でも面白いかもしれないね。」
「だったら、握るのは俺にやらせてくれ。一度やってみたかったんだよ。」
いや、浩司じゃなくて、レオに色々と教えたかったんだが・・・
ガラとアルも握りたがっているな。
レオも、3人を見て笑っているし、まぁ、良いか。明日の晩飯は3人が握る寿司にするか。
夜、浩司と俺は浜辺で横になっていた。
月も見えず真っ黒な海。代わりに空一面に星が輝いている。
少し離れた所に焚火の灯りが有るだけで、波の音だけが聞こえる。
「なぁ、浩司って何か夢が有るのか。」
「前の世界だったら、ラグビーの大会で優勝とか有ったけどな。
この世界じゃ、旅をして、色んな景色を見て感動して・・・そんな感じか
ちょっと、夢とは違うか。拓ちゃんは。」
「前の世界だったら、技術者。
映画に出て来る様な、マッドサイエンティストみたいな天才に憧れた。」
「それ、分かるよ。拓ちゃんって、技術を総動員させて変な事をやらかしそうだよな。」
何かが浩司のツボにはまったのか、大笑いをしている。
「納得されるのも問題あるな。でも、この世界に来たら、分からなくなった。」
「何でだよ。拓ちゃんの錬成術があるじゃないか。それだけの技術が有れば夢が実現したんじゃないか。」
「その錬成術が問題なんだよ。もちろん、使える様に努力はしてる。ただ、達成感が無いんだ。」
練成術を使うと簡単に作れるが、それが問題になるとは思ってもみなかった。
「贅沢な事を言っているよな。」
「贅沢と言えば、贅沢なんだよな。そうだ、ラグビーの事を教えてくれないか。」
「急にどうしたんだよ。」
「ラグビーボールを作るから、皆を誘って、やってみないか。試合は出来ないけど、楽しめるんじゃないかな。」
「ありがとう。凄く嬉しいよ。」
少し違うが、浩司が楽しんでくれれば嬉しい。
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