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147サリナ姫、勉強
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******(サリナ姫)
あの時、オリバー隊長を助ける為に、壁の中で何が起きたのかは分からない。
OZの人達も、ピース医師も何も話さず、私達も何も尋ねない。
尋ねてはいけない気がする。
あの時、信じられない程の魔力を感じ、壁が崩れた時には、倒れていた拓ちゃん、浩司さん、ピース医師。
他のOZのメンバーは立っているのもやっとの状態だった。
そして、拓ちゃんが1人だけ目も覚まさなくてどれだけ心配したか。
目を覚ましても、指1本も動かす事も出来ずにいたと言うのに。
あれから未だ10日しか経っていないと言うのに。
「ちょっと拓ちゃん。何で寝ていないのよ。」
「魔法を使わなければ、普通に動いても問題ありませんから。
昨夜だって、皆でイルミネーションを楽しんだじゃないですか。
横になっていても暇だから、カイとレムの勉強を見てあげようかと。」
全く、何だかんだ言っても子供なのよね。
本当に子供ってじっとしていられないんだから。
浩司さんが、心配で付きっきりになるのも分かるわ。
「子供の勉強位なら私も一緒に見てあげるわ。
だから、無理をしない様にするのよ。」
そういえば、OZって孤児院の子供に勉強を教えているんだっけ。
でも、拓ちゃんって年齢的に教えてもらう方なんじゃないかしら。
ここは、年上として私が見てあげた方が良いわね。
浩司さんはもちろんの事、バラン将軍も一緒に付いて来るみたい。
バラン将軍って本当に拓ちゃんを気に入っているのよね。
拓ちゃんが倒れた時、あんなに焦っている姿を初めて見たわ。
それにしても、
「なんなのよ、この算数って。こんなの、勉強したことも無いわよ。」
「いや、サリナお姉さん。社会に出て必要になる最低限の知識だよ。」
「折角だから、バラン将軍も一緒にやりましょう。」
バラン将軍に算数の教科書を見せると、同じように頭を悩ましている。
「ほら見なさい。拓ちゃんがズレているのよ。」
何よ、その溜息は。
「自分の知識が足らない事を、他人と比べてどうするんです。カッコ悪いですよ。
知識や技術の上限なんてありません。
孤児院の子は独り立ちしなければならないんです。
その時に、武器となる知識が必要なんですよ。」
私は、何も分かっていなかったのかも知れない。
獣人の事を考えているつもりで、自分の意地を通しているだけだったかも。
拓ちゃんの方がずっと、彼等の事を考えている。
本当に私ってカッコ悪い。
「ごめんなさい、拓ちゃん。良ければ、私にも教えてくれないかしら。」
「喜んで。アークの人が写本の余りを持っていないか聞いてくるね。」
「もし良ければ、私にも教えてもらえないだろうか。」
バラン将軍も受けたいと言うので、2冊譲ってもらった。
あの時、オリバー隊長を助ける為に、壁の中で何が起きたのかは分からない。
OZの人達も、ピース医師も何も話さず、私達も何も尋ねない。
尋ねてはいけない気がする。
あの時、信じられない程の魔力を感じ、壁が崩れた時には、倒れていた拓ちゃん、浩司さん、ピース医師。
他のOZのメンバーは立っているのもやっとの状態だった。
そして、拓ちゃんが1人だけ目も覚まさなくてどれだけ心配したか。
目を覚ましても、指1本も動かす事も出来ずにいたと言うのに。
あれから未だ10日しか経っていないと言うのに。
「ちょっと拓ちゃん。何で寝ていないのよ。」
「魔法を使わなければ、普通に動いても問題ありませんから。
昨夜だって、皆でイルミネーションを楽しんだじゃないですか。
横になっていても暇だから、カイとレムの勉強を見てあげようかと。」
全く、何だかんだ言っても子供なのよね。
本当に子供ってじっとしていられないんだから。
浩司さんが、心配で付きっきりになるのも分かるわ。
「子供の勉強位なら私も一緒に見てあげるわ。
だから、無理をしない様にするのよ。」
そういえば、OZって孤児院の子供に勉強を教えているんだっけ。
でも、拓ちゃんって年齢的に教えてもらう方なんじゃないかしら。
ここは、年上として私が見てあげた方が良いわね。
浩司さんはもちろんの事、バラン将軍も一緒に付いて来るみたい。
バラン将軍って本当に拓ちゃんを気に入っているのよね。
拓ちゃんが倒れた時、あんなに焦っている姿を初めて見たわ。
それにしても、
「なんなのよ、この算数って。こんなの、勉強したことも無いわよ。」
「いや、サリナお姉さん。社会に出て必要になる最低限の知識だよ。」
「折角だから、バラン将軍も一緒にやりましょう。」
バラン将軍に算数の教科書を見せると、同じように頭を悩ましている。
「ほら見なさい。拓ちゃんがズレているのよ。」
何よ、その溜息は。
「自分の知識が足らない事を、他人と比べてどうするんです。カッコ悪いですよ。
知識や技術の上限なんてありません。
孤児院の子は独り立ちしなければならないんです。
その時に、武器となる知識が必要なんですよ。」
私は、何も分かっていなかったのかも知れない。
獣人の事を考えているつもりで、自分の意地を通しているだけだったかも。
拓ちゃんの方がずっと、彼等の事を考えている。
本当に私ってカッコ悪い。
「ごめんなさい、拓ちゃん。良ければ、私にも教えてくれないかしら。」
「喜んで。アークの人が写本の余りを持っていないか聞いてくるね。」
「もし良ければ、私にも教えてもらえないだろうか。」
バラン将軍も受けたいと言うので、2冊譲ってもらった。
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