異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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105スキー

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とりあえずの心配事がなくなり、帰りはアークとOZのかなり賑やかな旅になった。
しばらく進むと街道には雪が積もって歩くには大変な状態になっていた。
戻る事も考えたが、せっかくならと手持ちの材料でスキー板を錬成。
浩司の指導の下、皆は直ぐに上達し、街道だけでなく森の中を進んだりしてスキーを楽しんでいた。

一番ヘタなのは俺・・・
あんな体力バカの集団と比べること自体に無理が有る。
スキー板を作ったが、俺自身スキーなんて数回しかしたことが無い。

元々、冬は炬燵と温泉と考えている俺にスキーは似合わない。
スキーなんて移動手段として使えれば問題ない・・・はず。
足に着けた魔道具を使い、こっそりエアウォークで移動しようとすると

『拓、こういうのは魔法無しで楽しむ物じゃなかったのか。』

グリムの突っこみ。
それは趣味の話なのだが、その言葉を聞いた浩司が笑いながら近寄ってくる。
絶対にワザと浩司に聞こえる様に話しているよな。

「拓ちゃん、せっかくだから遊ぼうぜ。」

浩司までそう言うなら仕方が無い、せっかくだからスキーを楽しむか。
どうせ遊ぶなら、もっとファンタジーに遊んでやる。

「浩司、この凧に魔法で風を当ててくれるか。」
「また変な物を作って・・・俺も一緒で良いよな。風を当てるぞ。」

棒が凧に引かれて進んで行く。

「良い調子だ、ヤッホー。」

この感覚は気持ちいいな。これなら魔法を使っても良いだろう。
風魔法を使えるアクセルさんに凧を用意すると直ぐにコツを覚えて遊び始めた。
ガラやレオもつかまり、4人で繋がって進んで遊んだりしていると
レオが空を見上げて何かを感じた様だ。

「空気が怪しい。嵐が来る。」

しばらくすると風が強くなり始め、遠くから黒い雲が広がってきた。

「まずい、OZを中心にして俺達はその周りにテントを張れ。急げ、風よけになるぞ。」

ロウガさんが指示を出していく。

「レオ、この嵐は長く続きそう?」
「この時期の嵐は、数日続く。」
「ロウガさん、天幕を中心にして、テントとタープを付けて場所を作ります。」

アイテムボックスから天幕を取り出す。アークのメンバーが居るが仕方がない。
出入り口の所にタープ3つとテント4つを付けてセッティングする。
準備が終わった時には吹雪になっていたので、直ぐに中に入ってもらう。

「これは凄い。風の音はするが、テントは全く揺れていない。それに温かい。」

アークの皆が驚いている。確かに普通のテントと比べれば高性能だ。
アイテムボックスの事も知られてしまったが、何も言わないのでそのままにしておく。

「タープも床と側面が有るタイプに改造してあるので保温性はしっかりしています。
 トイレは一番奥のタープに用意しておきました。ただ、そこだけは地面が露出して寒いので気を付けて。
 テントはOZで2つ使うので、アークは残り2つと天幕で寝てもらえますか。
 ただ、マットに余裕がないので、直接床に寝る事になるのは諦めて下さい。」
「野外なんだから当り前じゃないか。そもそも、それなりの宿で無ければマットなんて無いだろ。」

フェリックスさんから、何を言っているんだ的な視線を向けられたが、問題無ければ良い。
でも、ガラとアルの同意する様な頷きは止めて欲しい。

「しかし、助かる。吹雪の中で、こんなに快適な場所が確保できるとは思わなかった。
 吹雪がいつまで続くか分からないから、食事は出来る限り切り詰めた方がいいな。」
「ハンスさん。食材には余裕があるので普通に食べて問題ありませんよ。
 ただ、水は容れ物を用意するので雪を溶かして使って下さい。」

レオがハンスさんとダニエルさんに声を掛けて料理の準備を始める。
他の人は荷物の整理と、飲料水の用意を始めた。
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