4 / 752
004魔力
しおりを挟む
この世界には魔力が有る。
それは全ての生物に備わっているもので、人間も例外では無い。
「「俺達も魔法が使えるのか」」
2人そろってテンションが上がる。
『実際、今の儂は拓の魔力を吸収して動いておる。浩司の魔力でも問題ないぞ。』
自覚意識は無いが、本当に俺達も魔力を持っているのか。
しかし魔獣と言われる強力な生物もいて、人間なんて簡単に殺されてしまう危険な世界でもあるらしい。
一応、この家の周辺には結界が施されていて魔獣の侵入を阻んでいるらしいが
結界の一歩外に出たら、命の保証は出来ないそうだ。
身を引き締めてグリムの話を聞いた
グリムに言うとおりに、目を瞑り自分の中へ意識を沈めて行くと体の中に大きな塊が感じられる。
『どうじゃ、感じられたか。次に、塊に向かい力と成すよう強く念じてみるんじゃ。』
グリムが言う通り念じると色がが感じられた。
色を感じると言うのも変な感じだが、確かに色が感じられている。
浩司は赤、黄緑、青、黄、水色を感じたらしく、
それぞれ火、風、水、雷、氷の属性で攻撃力に優れているとの事。
特に雷と氷の属性は上位魔力、魔法と言われ攻撃力が強いらしい。
俺は白、黒、茶、緑色を感じ、
それぞれ光、闇、土(金属)、木の属性で攻撃力は弱いがサポート、防御力に優れているらしい。
光と闇の属性は特殊魔力、特殊魔法と言われているらしい。
この世界に9属性の魔法が存在し俺と浩司で全属性をカバー出来ていた。
早速、魔法の練習!と行きたい所だったが、「グ~ッ」とお腹が鳴った。
色々な事が有り過ぎて、この世界にきて何も食べていない事を忘れていた。
『ハッハッハ。慌てる必要は無いじゃろう。先ずは食事でもしたらどうじゃ。』
もしかして魔法で食事が出てくるのかと期待したが、自分達で食材を調理するしかなかった。
300年前に準備した食材か…グリムが準備しておいた金属の箱の中は真っ暗で何も見えなかったが、恐る恐る手を入れてみると新鮮な食材を取り出す事が出来る。
この箱も光と闇魔法を使った魔道具らしく、中は広く拡張され大量の食材が保管されていた。それも300年前の新鮮な状態でだ。
塩、砂糖、油については元の世界と同じだが、他の調味料は無い。
その変わり、ソースぽいタレが有った。
主食は小麦粉、他にキャベツ、人参、ピーマン、豆に卵と見たことのない果物
とりあえず炒め物を作り、パンが有ったので主食としたが、これがとても固い。
日持ちするように焼き固めるそうだが硬すぎる。
そもそも、劣化しないなら柔らかいパンでも良いと思うが、安かったのだろうか。
水で ふやかしながら食べてみたが、ハッキリ言って不味い。
これは、食生活を改善しないと人生の重要な楽しみが失われてしまう。
食事後はグリムの魔法講座
魔法とは己が持つ魔力に方向性を付け発動させたものだ。
呪文を唱えたり、魔法陣に魔力を流す事で発動させることが出来る。
呪文による魔法の発動は、個人の持っている属性に合った魔法しか発動させることが出来ない。
つまり、俺は火属性の魔法等は使えない。
魔法陣による魔法の発動は個人が持っている魔力の属性に関係なく発動が可能だ。
ただし、火を起こす魔法陣を火以外の魔力で発動させるのと魔力の変換効率が悪化する。
魔力で直接魔法陣を描く方法もあるが魔法陣自体が複雑なため、一般的には魔法陣を描いてある魔道具という道具を使って発動させる。
大枠はそんな感じだが、色々と細かい事も有る。
とにかく、使えるように練習だ。まずは基本となる魔力操作から。これが出来ないと魔法を使う事も出来ない。
自分の中に感じた魔力を動かして体の外に出す。
水が体の中を流れるイメージで動かせばいいと言われたが、何度試してみても全く動く気配も無い。
これが出来ないと魔法が使えないと言うので、暗くなるまで続けた。
動かしている感覚を得られたが、放出できたのは光属性の魔力だけだった。
浩司の方は、とりあえず魔力を少し動かす事は出来るが放出まで行っていない。
それにしても、魔力を動かすだけでヘロヘロだ。
グリムに言わせれば、それも慣れらしい。
腹も減り、晩飯なんだが、あのパン以外の物を食べたい。
グリムは優秀な魔法研究者だったらしく魔法全般に深い知識を持っているが、それ以外については殆ど興味を持っていない。
いわゆる、研究者バカというやつなんだろう。
少しぐらい料理の知識を持っていて欲しかった。
「カップラーメンや弁当は無いのか」
なんて食糧庫を漁っている裸のマッチョは無視して食事作り。
料理は趣味だったが、ダシや調味料も無い状態ではハードルが高すぎる。
この材料で出来る食べ物は、お好み焼き!
一応、お酢の代わりに柑橘系の汁を混ぜてマヨネーズも作ってみた。
それなりに美味しいが、何かが違うお好み焼き。
やはりソースが違うんだよな。
それでも浩司は美味しいと言って、お代わりをねだってくる。
マヨネーズを大量にかけて頬張る様は、冬眠から覚めた熊って感じだ。
こんな風に美味しそうに食べられると作った甲斐があるよな。
それにしても素っ裸での生活は、変な意味で意識をしてしまう。
それは全ての生物に備わっているもので、人間も例外では無い。
「「俺達も魔法が使えるのか」」
2人そろってテンションが上がる。
『実際、今の儂は拓の魔力を吸収して動いておる。浩司の魔力でも問題ないぞ。』
自覚意識は無いが、本当に俺達も魔力を持っているのか。
しかし魔獣と言われる強力な生物もいて、人間なんて簡単に殺されてしまう危険な世界でもあるらしい。
一応、この家の周辺には結界が施されていて魔獣の侵入を阻んでいるらしいが
結界の一歩外に出たら、命の保証は出来ないそうだ。
身を引き締めてグリムの話を聞いた
グリムに言うとおりに、目を瞑り自分の中へ意識を沈めて行くと体の中に大きな塊が感じられる。
『どうじゃ、感じられたか。次に、塊に向かい力と成すよう強く念じてみるんじゃ。』
グリムが言う通り念じると色がが感じられた。
色を感じると言うのも変な感じだが、確かに色が感じられている。
浩司は赤、黄緑、青、黄、水色を感じたらしく、
それぞれ火、風、水、雷、氷の属性で攻撃力に優れているとの事。
特に雷と氷の属性は上位魔力、魔法と言われ攻撃力が強いらしい。
俺は白、黒、茶、緑色を感じ、
それぞれ光、闇、土(金属)、木の属性で攻撃力は弱いがサポート、防御力に優れているらしい。
光と闇の属性は特殊魔力、特殊魔法と言われているらしい。
この世界に9属性の魔法が存在し俺と浩司で全属性をカバー出来ていた。
早速、魔法の練習!と行きたい所だったが、「グ~ッ」とお腹が鳴った。
色々な事が有り過ぎて、この世界にきて何も食べていない事を忘れていた。
『ハッハッハ。慌てる必要は無いじゃろう。先ずは食事でもしたらどうじゃ。』
もしかして魔法で食事が出てくるのかと期待したが、自分達で食材を調理するしかなかった。
300年前に準備した食材か…グリムが準備しておいた金属の箱の中は真っ暗で何も見えなかったが、恐る恐る手を入れてみると新鮮な食材を取り出す事が出来る。
この箱も光と闇魔法を使った魔道具らしく、中は広く拡張され大量の食材が保管されていた。それも300年前の新鮮な状態でだ。
塩、砂糖、油については元の世界と同じだが、他の調味料は無い。
その変わり、ソースぽいタレが有った。
主食は小麦粉、他にキャベツ、人参、ピーマン、豆に卵と見たことのない果物
とりあえず炒め物を作り、パンが有ったので主食としたが、これがとても固い。
日持ちするように焼き固めるそうだが硬すぎる。
そもそも、劣化しないなら柔らかいパンでも良いと思うが、安かったのだろうか。
水で ふやかしながら食べてみたが、ハッキリ言って不味い。
これは、食生活を改善しないと人生の重要な楽しみが失われてしまう。
食事後はグリムの魔法講座
魔法とは己が持つ魔力に方向性を付け発動させたものだ。
呪文を唱えたり、魔法陣に魔力を流す事で発動させることが出来る。
呪文による魔法の発動は、個人の持っている属性に合った魔法しか発動させることが出来ない。
つまり、俺は火属性の魔法等は使えない。
魔法陣による魔法の発動は個人が持っている魔力の属性に関係なく発動が可能だ。
ただし、火を起こす魔法陣を火以外の魔力で発動させるのと魔力の変換効率が悪化する。
魔力で直接魔法陣を描く方法もあるが魔法陣自体が複雑なため、一般的には魔法陣を描いてある魔道具という道具を使って発動させる。
大枠はそんな感じだが、色々と細かい事も有る。
とにかく、使えるように練習だ。まずは基本となる魔力操作から。これが出来ないと魔法を使う事も出来ない。
自分の中に感じた魔力を動かして体の外に出す。
水が体の中を流れるイメージで動かせばいいと言われたが、何度試してみても全く動く気配も無い。
これが出来ないと魔法が使えないと言うので、暗くなるまで続けた。
動かしている感覚を得られたが、放出できたのは光属性の魔力だけだった。
浩司の方は、とりあえず魔力を少し動かす事は出来るが放出まで行っていない。
それにしても、魔力を動かすだけでヘロヘロだ。
グリムに言わせれば、それも慣れらしい。
腹も減り、晩飯なんだが、あのパン以外の物を食べたい。
グリムは優秀な魔法研究者だったらしく魔法全般に深い知識を持っているが、それ以外については殆ど興味を持っていない。
いわゆる、研究者バカというやつなんだろう。
少しぐらい料理の知識を持っていて欲しかった。
「カップラーメンや弁当は無いのか」
なんて食糧庫を漁っている裸のマッチョは無視して食事作り。
料理は趣味だったが、ダシや調味料も無い状態ではハードルが高すぎる。
この材料で出来る食べ物は、お好み焼き!
一応、お酢の代わりに柑橘系の汁を混ぜてマヨネーズも作ってみた。
それなりに美味しいが、何かが違うお好み焼き。
やはりソースが違うんだよな。
それでも浩司は美味しいと言って、お代わりをねだってくる。
マヨネーズを大量にかけて頬張る様は、冬眠から覚めた熊って感じだ。
こんな風に美味しそうに食べられると作った甲斐があるよな。
それにしても素っ裸での生活は、変な意味で意識をしてしまう。
25
お気に入りに追加
202
あなたにおすすめの小説
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
喰らう度強くなるボクと姉属性の女神様と異世界と。〜食べた者のスキルを奪うボクが異世界で自由気ままに冒険する!!〜
田所浩一郎
ファンタジー
中学でいじめられていた少年冥矢は女神のミスによりできた空間の歪みに巻き込まれ命を落としてしまう。
謝罪代わりに与えられたスキル、《喰らう者》は食べた存在のスキルを使い更にレベルアップすることのできるチートスキルだった!
異世界に転生させてもらうはずだったがなんと女神様もついてくる事態に!?
地球にはない自然や生き物に魔物。それにまだ見ぬ珍味達。
冥矢は心を踊らせ好奇心を満たす冒険へと出るのだった。これからずっと側に居ることを約束した女神様と共に……
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
治癒術師の非日常―辺境の治癒術師と異世界から来た魔術師による成長物語―
物部妖狐
ファンタジー
小さな村にある小さな丘の上に住む治癒術師
そんな彼が出会った一人の女性
日々を平穏に暮らしていたい彼の生活に起こる変化の物語。
小説家になろう様、カクヨム様、ノベルピア様へも投稿しています。
表紙画像はAIで作成した主人公です。
キャラクターイラストも、執筆用のイメージを作る為にAIで作成しています。
更新頻度:月、水、金更新予定、投稿までの間に『箱庭幻想譚』と『氷翼の天使』及び、【魔王様のやり直し】を読んで頂けると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる