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494訓練方針
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拓、サリナ姫、浩司、由美、里香だけで茶会を開いたのだが
「拓って、まるで3人の保護者みたいじゃない。」
「笑い話でなく、本当にそんな気持ちだったよ。
紹介しておいて何だけど、貴族ってあんな事を勉強するんだ。俺は絶対に無理。」
拓の反応に笑うサリナ姫。
他の人が居ない時は、サリナ姫は普通の女の子として話すようになっていた。
そして、お互いの近況について話をしたのだが、やはり王都周辺では魔獣の動きが活発になっていた。
前回の討伐では、勇者3人もかなり危険な状態になっている。
「拓さんに特訓をしてもらっていなかったら、本当に危険でした。」
「そうね。あそこまでの乱戦は初めてだったわ。」
「あれはマジ焦った。攻撃魔法で兵士を倒してしまいそうだったし。」
浩司、由美、里香がその時の状況を説明してくれたが、拓は3人が無事で改めてホッとしていた。
それでも3人とも勇者として魔獣退治を続けていくつもりでいる。
拓が3人に自分と一緒にまた魔法訓練をしないかと誘ってみるが
「嬉しいですが、今俺達が抜けてしまうと兵士が危険になります。」
浩司が戦力の低下を気にし、由美と里香も浩司と同じ心配をしている。
拓は王都に戻ってくる際に調べていた魔獣の分布状況をまとめた地図をテーブルに広げた。
国王に渡したのより更に情報が追加されている。
「もう少し調べる必要が有るけど、幾つかの場所を叩けば魔獣の攻撃はある程度は抑えられると思う。」
そう言って、魔獣が集中している場所を指さす。
何処も森の奥で、拓が居なければ辿り着くのも無理だろう。
「俺が3人を連れて行くから、全力で攻撃を仕掛けてたいと思う。
遺跡で見つけたロッドも有るし、4人なら軍として動くより成果を出せる。
それから接近戦の特訓を行なえば普通に活動するより兵士達の危険も抑えられるよ。
国王からは3人の接近戦のサポート訓練を行って欲しいと言われたばかりだしね。」
拓の言葉に3人は少し考え、特訓を受ける事にした。
サリナ姫は拓が空を飛べる事を知らないので、どうやってそのポイントを攻撃するのか分からずにいたが
拓の様子を見て問題ないのだろうと、何も言わずに居た。
許可が下りたら、一度スラム街に一泊してから出発する事にした。
「良かったら、サリナもスラム街に1泊してみる?最近の状態を見れてないでしょ。
あそこなら安全だし、魔道具のテントを手に入れたから豪華ではないけど宿泊も問題無いよ。」
「良いの?」
「あんな勉強をしているのなら、気分転換も必要でしょ。」
夕食の時、拓は国王に勇者3人との訓練を行いたいと話をすると、国王は少し拓の顔を見て了解してくれた。
「分かった。ヨギ魔導士、バラン将軍に魔獣退治の調整を行う様に連絡をしておこう。拓殿、宜しく頼む。」
直ぐに調整を行ってくれ、特訓は2週間後に行う事になった。
合わせてサリナ姫もスラム街での一泊に誘う事にして見ると、許可が出たのだが
「スラム街では護衛を付けさせてもらう。後、エドモンドとギルベルトも一緒に良いだろうか?
一度、見せておきたいと考えていた所だ。」
王子2人まで一緒とは考えていなかったが、拓としては特訓の後を付けられなければ問題ない。
サリナ姫、由美、里香が居るための対応だろう。シンシア将軍とその配下が護衛に付く。
エドモンド王子とギルベルト王子は話を聞いていただけのスラム街を見れると聞いて喜んでいる。
興味が有ったが立場的に勝手に見に行くことも出来ず、サリナ姫を羨ましく思っていた。
更に機会を作って、開拓地の視察を行なえるようにとまで拓に依頼をする。
「王族と言う立場を隠して頂けるのなら。」
「それなら、全員を変装させて商人見習いとして同行させてもらうのはどうだ?」
「クロイツ公爵が使っている手段だな。その商人なら拓殿とも面識が有り慣れているだろうから問題無いだろう。」
王子達の間で話が勝手に進む。サリナ姫や勇者達も変装に興味を持つ。特に浩司が一番乗り気でいた。
拓はビストン商人を思い出し、王子達の暴走を止められなかった事を心の中で謝る。
そして拓はヨギ魔導士から魔導士の接近戦についての指導を依頼されたのだが・・・
「指導と言っても、何をすれば良いのでしょうか?
勇者ほどの魔力でなければ、攻撃魔法のサポート位は出来ると思いますし。」
そもそも、魔導士団の対応を1人で行う事なんで不可能だ。
「拓殿の戦い方を見せて貰いたい。目標とする形をハッキリとイメージできれば、上達が変わってくる。」
結局、拓は第3騎士団の地獄の特訓を受けることになってしまった。
「拓って、まるで3人の保護者みたいじゃない。」
「笑い話でなく、本当にそんな気持ちだったよ。
紹介しておいて何だけど、貴族ってあんな事を勉強するんだ。俺は絶対に無理。」
拓の反応に笑うサリナ姫。
他の人が居ない時は、サリナ姫は普通の女の子として話すようになっていた。
そして、お互いの近況について話をしたのだが、やはり王都周辺では魔獣の動きが活発になっていた。
前回の討伐では、勇者3人もかなり危険な状態になっている。
「拓さんに特訓をしてもらっていなかったら、本当に危険でした。」
「そうね。あそこまでの乱戦は初めてだったわ。」
「あれはマジ焦った。攻撃魔法で兵士を倒してしまいそうだったし。」
浩司、由美、里香がその時の状況を説明してくれたが、拓は3人が無事で改めてホッとしていた。
それでも3人とも勇者として魔獣退治を続けていくつもりでいる。
拓が3人に自分と一緒にまた魔法訓練をしないかと誘ってみるが
「嬉しいですが、今俺達が抜けてしまうと兵士が危険になります。」
浩司が戦力の低下を気にし、由美と里香も浩司と同じ心配をしている。
拓は王都に戻ってくる際に調べていた魔獣の分布状況をまとめた地図をテーブルに広げた。
国王に渡したのより更に情報が追加されている。
「もう少し調べる必要が有るけど、幾つかの場所を叩けば魔獣の攻撃はある程度は抑えられると思う。」
そう言って、魔獣が集中している場所を指さす。
何処も森の奥で、拓が居なければ辿り着くのも無理だろう。
「俺が3人を連れて行くから、全力で攻撃を仕掛けてたいと思う。
遺跡で見つけたロッドも有るし、4人なら軍として動くより成果を出せる。
それから接近戦の特訓を行なえば普通に活動するより兵士達の危険も抑えられるよ。
国王からは3人の接近戦のサポート訓練を行って欲しいと言われたばかりだしね。」
拓の言葉に3人は少し考え、特訓を受ける事にした。
サリナ姫は拓が空を飛べる事を知らないので、どうやってそのポイントを攻撃するのか分からずにいたが
拓の様子を見て問題ないのだろうと、何も言わずに居た。
許可が下りたら、一度スラム街に一泊してから出発する事にした。
「良かったら、サリナもスラム街に1泊してみる?最近の状態を見れてないでしょ。
あそこなら安全だし、魔道具のテントを手に入れたから豪華ではないけど宿泊も問題無いよ。」
「良いの?」
「あんな勉強をしているのなら、気分転換も必要でしょ。」
夕食の時、拓は国王に勇者3人との訓練を行いたいと話をすると、国王は少し拓の顔を見て了解してくれた。
「分かった。ヨギ魔導士、バラン将軍に魔獣退治の調整を行う様に連絡をしておこう。拓殿、宜しく頼む。」
直ぐに調整を行ってくれ、特訓は2週間後に行う事になった。
合わせてサリナ姫もスラム街での一泊に誘う事にして見ると、許可が出たのだが
「スラム街では護衛を付けさせてもらう。後、エドモンドとギルベルトも一緒に良いだろうか?
一度、見せておきたいと考えていた所だ。」
王子2人まで一緒とは考えていなかったが、拓としては特訓の後を付けられなければ問題ない。
サリナ姫、由美、里香が居るための対応だろう。シンシア将軍とその配下が護衛に付く。
エドモンド王子とギルベルト王子は話を聞いていただけのスラム街を見れると聞いて喜んでいる。
興味が有ったが立場的に勝手に見に行くことも出来ず、サリナ姫を羨ましく思っていた。
更に機会を作って、開拓地の視察を行なえるようにとまで拓に依頼をする。
「王族と言う立場を隠して頂けるのなら。」
「それなら、全員を変装させて商人見習いとして同行させてもらうのはどうだ?」
「クロイツ公爵が使っている手段だな。その商人なら拓殿とも面識が有り慣れているだろうから問題無いだろう。」
王子達の間で話が勝手に進む。サリナ姫や勇者達も変装に興味を持つ。特に浩司が一番乗り気でいた。
拓はビストン商人を思い出し、王子達の暴走を止められなかった事を心の中で謝る。
そして拓はヨギ魔導士から魔導士の接近戦についての指導を依頼されたのだが・・・
「指導と言っても、何をすれば良いのでしょうか?
勇者ほどの魔力でなければ、攻撃魔法のサポート位は出来ると思いますし。」
そもそも、魔導士団の対応を1人で行う事なんで不可能だ。
「拓殿の戦い方を見せて貰いたい。目標とする形をハッキリとイメージできれば、上達が変わってくる。」
結局、拓は第3騎士団の地獄の特訓を受けることになってしまった。
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