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449偵察

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王都までクロイツ公爵、兵士達は一緒に移動し周囲を守っていた領主の私兵と次の休憩所で合流。

「結構な兵士が動いていたんだね。」

拓が感心するほどの兵士と冒険者が集まっていた。
その日の夜、ガラとレオはてっきり拓が身体を求めて来ると思っていたが、夕食を終えると出かける準備をしていた。

「悪いけど、誰かが来たら俺の事は適当に話しておいて。」
「何処に行くつもりだ?」
「瘴気の吹き溜まりの確認をしてくる。ここの休憩所が一番近くに有って、月明かりも有るから何とかなるだろ。」
「分かった。こっちは俺達で何とか対応しておく。無理はするなよ。」

ガラは姿を消した拓が巨大な瘴気の吹き溜まりの方へ飛んで行くのを見送った。


「ガラさん。拓さんってもう休んでいるのかな?」

ガラがテントの前で椅子に座って寛いでいると、浩司が話しかけてきた。
浩司なら問題ないだろうと、拓が瘴気の吹き溜まりを確認しに行ったことを話すと

「1人で行ったか。拓さんに連れて行ってもらえないかとお願いするつもりでした。」
「何か気になる事でも有るのか?」

魔獣討伐を行うと、その魔獣が居なくなった所へ他の魔獣が移動してくるのが何時もの状態だった。
しかし、今回は少し前に浩司達が魔獣退治を行ったにもかかわらず、何故かこちらの方へとアンデットの大群が押し寄せて来た。

「キラーアントの時はどうだったんだ?」
「あの時は、今回より討伐からの時間が経っていたので、その為だと考えていました。しかし、今回の件で何か別の要因が有るかと思って。」
「そう言えば拓も気にしていたが、何か考えられることは有るのか?」
「いえ、そういうのは無いです。」

話は拓が戻ってからとなり、浩司は自分のテントへと戻って行った。


明け方に拓が戻って来ると、そのままベットで寝てしまう。
朝食後、ガラが寝不足気味の拓に話を聞くと、

「やはり全ての瘴気の吹き溜まりが1つになりそうだ。前よりも動きが速くなっているみたいだ。」

拓は書き上げた地図をガラに渡す。
そこには、以前より距離が近くなった瘴気の吹き溜まりと、中央の巨大な吹き溜まりの触手の様なのが更に伸びているのが描かれていた。

「これが全て繋がったらどうなるんだ?」
「俺に聞かれても分からないよ。そこは騎士団に頑張ってもらうしかない。」
「拓でも対処できないのか?」
「当たり前だろ。俺より浩司達の方が純粋な攻撃力が高いからね。
 俺達は何時でも逃げられるから、先ずは間引きを試してみようか。
 とりあえず、前と同じ様にアンディ・ジョーンズとして手紙を送って様子を見るよ。」

話はそこまでとなり、一行は休憩所を出発した。
その日の夜、浩司、由美、里香に今回調べた結果を話すと、3人とも黙り込んでしまった。

「3人でも、魔獣を防ぐのは厳しいのか?」
「正直、今以上の魔獣が襲ってきたら難しいかも知れないです。」
「数が増えると、どうしても接近戦になってしまうので。」
「数が少なければ何とかなるけど、乱戦でのサポートなんてマジ無理。高台から後ろにいる魔獣を倒すだけ。」

平地だと魔法攻撃を続けるのは難しいらしい。
かといって、単独で魔獣の中へと攻め込む危険は冒せない。
拓の様に空を飛べれば対応しようが有るが、1つの魔力に特化させてしまった為か3人とも新しい魔法を使う事が出来なかった。
一応、拓が重力のロッドを渡して使わせてみるが、やはり魔法は発動しない。

「こればかりは仕方が無いか。出来る事と言えば、魔力制御力を上げる位か。
 時間が取れるなら、一緒に魔獣退治をしてみるか?」

この先、何が起きるか分からないのなら、拓としては浩司達を強くして生存率を高めるしかやれる事がない。
出来れば重力魔法を使えるようになってもらい逃げる手段を手に入れて欲しいのだが、方法が全く分からなかった。
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