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424報告
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国王の笑顔を見て、拓はキラーアント討伐の報告と言って自分達を呼んだのは国王の悪戯だと理解。
「驚きました。登城するまで、どう報告するか悩んでいた自分が可哀そうになるくらいに。」
「はっはっは。この位の戯れは許せ。たまにこういう事をしないと面白くないのでな。」
「・・・」
迷惑な国王だと思いながら拓は苦笑。
その後はキラーアントの討伐の話になったのだが
「腕輪に貯めていた魔力を使い、火球を打って打って打ちまくりました。なかなか終わりが来ないので、流石に疲れました。」
国王が事前に兵士から聞いていた報告と比べ、非常に軽い拓の話。
実際に兵士達の報告では「自分の目の前で行われている攻撃が信じられませんでした。」とまで言われていたのだが・・・
あれだけの魔石に貯め込んだ魔力を使い切ったとなると、1人で魔導士団以上の攻撃が行われたはず。
それに関わらず運ばれた素材を見ても、傷が殆どなく非常に高い魔法制御がされているのが分かる。
「・・・それは大変だったな。騎士団の宿舎の方が良いかも知れないが、今夜は城の方に部屋を用意してい在るからゆっくりと休むと良い。
食事の際に、旅の話をゆっくりと聞かせてもらおうか。」
その後、ガラとレオは第3騎士団で特訓を受けられることになり、拓はポトリ教授の元へ。
ヨギ魔導士は面白そうだと言って拓に付いて来た。
「拓様、この度は貴族に成られおめでとうございます。」
拓とヨギ魔導士が書物庫に入るとポトリ教授が頭を下げて迎える。
「・・・あの、その様な話を頂きましたが、お断りさせて頂きました。」
「何故ですか?」
本気で驚いているポトリ教授。
「貴族なんて柄では無いですし、貴族社会も大変そうですので。
そんな事より、遺跡について色々な資料が手に入ったので見てもらえますか。」
拓はオニキスの研究資料をアイテムボックスから取り出す。
そして簡単な説明と自分達が行ったコアの周囲で魔力を通す場所に魔力を注ぎ込んだ実験について話す。
コアの周囲に現れた文字の写真を見せると、
「・・・過去にも同じような実験を行った記録が有りますが、何も反応が起きなかったと。少しお待ちください。」
ポトリ教授は席を外すと、しばらくして大量の資料を持って戻って来た。
「こちらです。拓殿が行った実験と同じことをしていますが、何も反応が起きていません。一体何の違いが・・・」
「多分、流す魔力量の違いです。実験で普通の魔力量を流しただけでは何も反応が有りませんでしたから。」
一応、拓が見せた写真は拓が1人で魔力を流した時のだけを見せていたので問題はない。
「所で、この模様についてご存じないですか?オニキスさんの記述に出てくるのですが見付けられなかったので。」
「私も初めて見ました。そうしましたら、オキニス教授の論文を読み直してみましょう。」
オニキス・・・ポトリ教授の話で拓はオニキスがここで見せてもらった論文に出てきた教授の名前だと思い出した。
龍は力の象徴でなく龍脈と呼ばれる力の流れが存在し、古代人はその力を操ることで文明を発達させたと。
そして、その龍脈を操るための巨大な遺跡が存在すると・・・
生きている遺跡、ダンジョンについての研究が正しいとなると、論文は正しいのかも知れない。
拓はもう一度オニキス教授の論文を見せてもらおうとすると、ヨギ魔導士が提案する。
「拓殿。手に入れた資料の写しを撮らせてもらっても良いだろうか?合わせてオニキス教授の論文の写しも取っておこう。」
「写しって、これだけの資料を書き写すのですか?」
「いや、魔道具で写すだけだ。」
「・・・この世界にコピー機が有ったのですか?是非、お願いします。」
拓が驚いて発した「この世界」という言葉にポトリ教授が一瞬反応したが何も言わない。
拓がコピー魔道具について聞いてみると、遺跡からの発掘品らしく一般的では無いらしい。
カメラや画像を空中に映し出す魔道具を作れるのなら普通にコピー機も作れそうな気がするが、読み込んだデータを紙に写す技術が無い。
正直、空中にフォログラムを映し出す方が高度な技術だと思うが、魔法と科学の違いなのだろう。
「拓殿。そろそろ夕食の準備をした方が良いだろう。書類については明日までに写しを取っておこう。」
拓はズゲベ侯爵の領地へ向かう前に一度登城する約束をし、第3騎士団の方へ向かったのだが・・・
「拓様。この度のキラーアント退治、本当にありがとうございました。」
「私、王都にまで襲ってきたらと考えると、怖くて、怖くて、」
何故か城に居る貴族の女性に囲まれてしまう。異常に拓に接近して潤んだ眼を向けて来る。
拓は目薬でも仕込んだのか?と思いながらも
「今回の退治は仲間が居たので対処できました。では急いでいますので。」
その場を立ち去ると、直ぐに姿を隠して女性陣をまいてしまった。
「驚きました。登城するまで、どう報告するか悩んでいた自分が可哀そうになるくらいに。」
「はっはっは。この位の戯れは許せ。たまにこういう事をしないと面白くないのでな。」
「・・・」
迷惑な国王だと思いながら拓は苦笑。
その後はキラーアントの討伐の話になったのだが
「腕輪に貯めていた魔力を使い、火球を打って打って打ちまくりました。なかなか終わりが来ないので、流石に疲れました。」
国王が事前に兵士から聞いていた報告と比べ、非常に軽い拓の話。
実際に兵士達の報告では「自分の目の前で行われている攻撃が信じられませんでした。」とまで言われていたのだが・・・
あれだけの魔石に貯め込んだ魔力を使い切ったとなると、1人で魔導士団以上の攻撃が行われたはず。
それに関わらず運ばれた素材を見ても、傷が殆どなく非常に高い魔法制御がされているのが分かる。
「・・・それは大変だったな。騎士団の宿舎の方が良いかも知れないが、今夜は城の方に部屋を用意してい在るからゆっくりと休むと良い。
食事の際に、旅の話をゆっくりと聞かせてもらおうか。」
その後、ガラとレオは第3騎士団で特訓を受けられることになり、拓はポトリ教授の元へ。
ヨギ魔導士は面白そうだと言って拓に付いて来た。
「拓様、この度は貴族に成られおめでとうございます。」
拓とヨギ魔導士が書物庫に入るとポトリ教授が頭を下げて迎える。
「・・・あの、その様な話を頂きましたが、お断りさせて頂きました。」
「何故ですか?」
本気で驚いているポトリ教授。
「貴族なんて柄では無いですし、貴族社会も大変そうですので。
そんな事より、遺跡について色々な資料が手に入ったので見てもらえますか。」
拓はオニキスの研究資料をアイテムボックスから取り出す。
そして簡単な説明と自分達が行ったコアの周囲で魔力を通す場所に魔力を注ぎ込んだ実験について話す。
コアの周囲に現れた文字の写真を見せると、
「・・・過去にも同じような実験を行った記録が有りますが、何も反応が起きなかったと。少しお待ちください。」
ポトリ教授は席を外すと、しばらくして大量の資料を持って戻って来た。
「こちらです。拓殿が行った実験と同じことをしていますが、何も反応が起きていません。一体何の違いが・・・」
「多分、流す魔力量の違いです。実験で普通の魔力量を流しただけでは何も反応が有りませんでしたから。」
一応、拓が見せた写真は拓が1人で魔力を流した時のだけを見せていたので問題はない。
「所で、この模様についてご存じないですか?オニキスさんの記述に出てくるのですが見付けられなかったので。」
「私も初めて見ました。そうしましたら、オキニス教授の論文を読み直してみましょう。」
オニキス・・・ポトリ教授の話で拓はオニキスがここで見せてもらった論文に出てきた教授の名前だと思い出した。
龍は力の象徴でなく龍脈と呼ばれる力の流れが存在し、古代人はその力を操ることで文明を発達させたと。
そして、その龍脈を操るための巨大な遺跡が存在すると・・・
生きている遺跡、ダンジョンについての研究が正しいとなると、論文は正しいのかも知れない。
拓はもう一度オニキス教授の論文を見せてもらおうとすると、ヨギ魔導士が提案する。
「拓殿。手に入れた資料の写しを撮らせてもらっても良いだろうか?合わせてオニキス教授の論文の写しも取っておこう。」
「写しって、これだけの資料を書き写すのですか?」
「いや、魔道具で写すだけだ。」
「・・・この世界にコピー機が有ったのですか?是非、お願いします。」
拓が驚いて発した「この世界」という言葉にポトリ教授が一瞬反応したが何も言わない。
拓がコピー魔道具について聞いてみると、遺跡からの発掘品らしく一般的では無いらしい。
カメラや画像を空中に映し出す魔道具を作れるのなら普通にコピー機も作れそうな気がするが、読み込んだデータを紙に写す技術が無い。
正直、空中にフォログラムを映し出す方が高度な技術だと思うが、魔法と科学の違いなのだろう。
「拓殿。そろそろ夕食の準備をした方が良いだろう。書類については明日までに写しを取っておこう。」
拓はズゲベ侯爵の領地へ向かう前に一度登城する約束をし、第3騎士団の方へ向かったのだが・・・
「拓様。この度のキラーアント退治、本当にありがとうございました。」
「私、王都にまで襲ってきたらと考えると、怖くて、怖くて、」
何故か城に居る貴族の女性に囲まれてしまう。異常に拓に接近して潤んだ眼を向けて来る。
拓は目薬でも仕込んだのか?と思いながらも
「今回の退治は仲間が居たので対処できました。では急いでいますので。」
その場を立ち去ると、直ぐに姿を隠して女性陣をまいてしまった。
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