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283パレード
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今日はパレードが有るというので屋敷前の大通りに設置された観覧席へ案内してもらったのだが、昨日の様に拓にくっつくことは無く普通に対応している。
「それにしても、凄い人ですね。」
「ここが一番の見せ場になっているからな。是非、楽しんでくれ。」
拓はズゲベ侯爵の隣に座り、パレードが来る方を眺めていた。
人々にざわめきが起きると、徐々に音楽が聞こえてくる。
先頭は音楽隊、そして綺麗な服を着た女性や男性が踊りながら続き、その後はマッチョ、ガチムチ集団。
露出度が凄い。上半身は裸にハーネス、短いスカートの様な物でズボンは履いていない。
太い腕、逞しい胸板、太い足も露出していて、間近で見たいところだが、贅沢は言えない。
これはズゲベ侯爵の趣味なのだろうかと、拓が侯爵を見てしまうと
「この地を開いた戦士達の戦いの服装と言われている。
本当は上半身には服を着ていたらしいが、祭りで力強さをアピールする為、上半身は裸になったらしい。」
拓は何も言っていないが、ズゲベ侯爵が説明をしてくれた。
拓が思わず頷くと、ズゲベ侯爵は再び前を向く。
漢達は、太鼓の音に合わせて力強い演武を舞い、観客を魅了する。
演武は力強いだけでなく、妙に色っぽい腰使いをしている。
マッチョ好きの女性から黄色い歓声が上がる。
残念ながら、スカートの下はプロレスラーの様な黒いパンツをはいていた。
その後、フロートがやって来ると、ひときわ大きな歓声が上がる。
馬に引かれたフロートは高く派手に飾られていた。
目の前まで来ると音楽隊が大通りの中心に集まり、フロートがその周りを旋回する。
3台目のフロートが旋回を始めた時、斜めに傾いたかと思うと、
「キャ~」「ワ~」
そのまま観客席の方へと倒れた。
フロートに乗っていた人は放り出され、多くの人が下敷きになっている。
「俺がフロートを動かすから、怪我人を安全な場所に運んでくれ。侯爵、丈夫な縄を用意願います。」
拓はOZ、クリームのメンバーに対し叫ぶように指示を出すと、倒れたフロートの方へ走り出した。
ズゲベ侯爵は縄を持ってくるように兵士に言うと、続けて神官を呼んでくるのと、庭を解放し怪我人を運ぶ様に指示を出す。
フロートを持ち上げようとしている所に拓が割り込む。
「魔法でフロートを持ち上げる。少し離れろ。」
拓は探索魔法で下敷きになった人の場所を確認すると、地面に手を付いて何本もの石柱を斜めに作り出しゆっくりとフロートを持ち上げていく。
十分な隙間が出来ると、OZ、クリームのメンバーが中心になって下敷きになった人の救出が始まった。
ズゲベ侯爵が用意した綱が届くと、フロートに巻き付け人々に支えさせながらフロートを更に押し上げていく。
「フロートが立ち上がるぞ。反対側に倒れない様に力を込めろ。」
縄を支えている人達が全力で反対側に倒れるのを抑えて、無事にフロートを立てると周囲から拍手が上がった。
拓は石柱を破壊し土に戻すと、怪我人が運び込まれた屋敷の庭へ向かった。
「拓、怪我の酷い状態から並べてある。直ぐに神官が来るが、先に治療を始められるか?」
ガラに言われ、拓は任せろと言って治癒魔法を掛け始めた。
フロートは比較的軽い素材で出来ていた為か命の危険がある様な怪我人は居ない。
ただ、4人は上級魔法が必要な怪我のため痛みを抑えるだけにし神官の到着を待ち、残りの怪我人を治療を始めた。
「神官が来られました。」
兵士に案内され3人の神官がやって来たので、大怪我をしている4人に対し拓が怪我をした場所を魔力で浸し、神官が魔法を使い治療を行う。
「拓殿のお話は伺っておりましたが、噂以上の魔力ですね。」
「噂ですか?それよりも、残りの怪我人を治療してしまいましょうか。」
手分けをして残りの怪我人を治療を無事に終える事が出来た。
その拓の行動を令嬢は黙って見続けていた。
「それにしても、凄い人ですね。」
「ここが一番の見せ場になっているからな。是非、楽しんでくれ。」
拓はズゲベ侯爵の隣に座り、パレードが来る方を眺めていた。
人々にざわめきが起きると、徐々に音楽が聞こえてくる。
先頭は音楽隊、そして綺麗な服を着た女性や男性が踊りながら続き、その後はマッチョ、ガチムチ集団。
露出度が凄い。上半身は裸にハーネス、短いスカートの様な物でズボンは履いていない。
太い腕、逞しい胸板、太い足も露出していて、間近で見たいところだが、贅沢は言えない。
これはズゲベ侯爵の趣味なのだろうかと、拓が侯爵を見てしまうと
「この地を開いた戦士達の戦いの服装と言われている。
本当は上半身には服を着ていたらしいが、祭りで力強さをアピールする為、上半身は裸になったらしい。」
拓は何も言っていないが、ズゲベ侯爵が説明をしてくれた。
拓が思わず頷くと、ズゲベ侯爵は再び前を向く。
漢達は、太鼓の音に合わせて力強い演武を舞い、観客を魅了する。
演武は力強いだけでなく、妙に色っぽい腰使いをしている。
マッチョ好きの女性から黄色い歓声が上がる。
残念ながら、スカートの下はプロレスラーの様な黒いパンツをはいていた。
その後、フロートがやって来ると、ひときわ大きな歓声が上がる。
馬に引かれたフロートは高く派手に飾られていた。
目の前まで来ると音楽隊が大通りの中心に集まり、フロートがその周りを旋回する。
3台目のフロートが旋回を始めた時、斜めに傾いたかと思うと、
「キャ~」「ワ~」
そのまま観客席の方へと倒れた。
フロートに乗っていた人は放り出され、多くの人が下敷きになっている。
「俺がフロートを動かすから、怪我人を安全な場所に運んでくれ。侯爵、丈夫な縄を用意願います。」
拓はOZ、クリームのメンバーに対し叫ぶように指示を出すと、倒れたフロートの方へ走り出した。
ズゲベ侯爵は縄を持ってくるように兵士に言うと、続けて神官を呼んでくるのと、庭を解放し怪我人を運ぶ様に指示を出す。
フロートを持ち上げようとしている所に拓が割り込む。
「魔法でフロートを持ち上げる。少し離れろ。」
拓は探索魔法で下敷きになった人の場所を確認すると、地面に手を付いて何本もの石柱を斜めに作り出しゆっくりとフロートを持ち上げていく。
十分な隙間が出来ると、OZ、クリームのメンバーが中心になって下敷きになった人の救出が始まった。
ズゲベ侯爵が用意した綱が届くと、フロートに巻き付け人々に支えさせながらフロートを更に押し上げていく。
「フロートが立ち上がるぞ。反対側に倒れない様に力を込めろ。」
縄を支えている人達が全力で反対側に倒れるのを抑えて、無事にフロートを立てると周囲から拍手が上がった。
拓は石柱を破壊し土に戻すと、怪我人が運び込まれた屋敷の庭へ向かった。
「拓、怪我の酷い状態から並べてある。直ぐに神官が来るが、先に治療を始められるか?」
ガラに言われ、拓は任せろと言って治癒魔法を掛け始めた。
フロートは比較的軽い素材で出来ていた為か命の危険がある様な怪我人は居ない。
ただ、4人は上級魔法が必要な怪我のため痛みを抑えるだけにし神官の到着を待ち、残りの怪我人を治療を始めた。
「神官が来られました。」
兵士に案内され3人の神官がやって来たので、大怪我をしている4人に対し拓が怪我をした場所を魔力で浸し、神官が魔法を使い治療を行う。
「拓殿のお話は伺っておりましたが、噂以上の魔力ですね。」
「噂ですか?それよりも、残りの怪我人を治療してしまいましょうか。」
手分けをして残りの怪我人を治療を無事に終える事が出来た。
その拓の行動を令嬢は黙って見続けていた。
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