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192道案内
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団長の声を聞いた冒険者達が飛び出してくると
「アンディ・ジョーンズじゃないか。覚えていないか。俺達は遺跡の活動期の時に助けられたんだ。」
「もしかして、5階層まで進んでいたパーティか?」
「そうだ。あの時はまともに礼も言えずに別れてしまったが、こうして会えるとは思わなかった。」
アンディ・ジョーンズと握手をして助けられたことの礼を述べていた。
団長はアンディ・ジョーンズを受け入れ移動を開始したのだが、その探索魔法には驚くしかなかった。
「ここから500m程先に魔獣の群れが居る。討伐部隊を先に向かわせた方が良いだろう。」
初めは団長も半信半疑だったが、冒険者達に信じる様に言われ討伐隊を向かわせるとダークウルフの群れと遭遇。
ダークウルフは気配を消して人を襲う魔獣で、他の者は近づいても気付くことも出来ずにいた。
他にも戦闘になれば重傷者を出しかねない魔獣を回避できたりと、殆ど怪我人を出すことなく移動が出来ている。
「貴方を私の仕えている貴族に紹介したのだが、どうだろうか?」
「有難い誘いだが、俺は自由が好きでね。誰かに仕える気は無い。」
貴族に仕えている私兵が話しかけるが、全く興味も示さなかった。
他の人達とも一定の距離を取り、必要最低限の会話しかしない。
晩飯が終わると1人で抜け出して薬草を採取し、磨り潰して怪我人の患部に付ける様にと配っていた。
「助かる。しかし、1人で行動して大丈夫か?」
「探索魔法に昼も夜も関係ないからな。同行させてもらっている礼だ。」
一番危険な場所を抜けて、後二日も有れば王都という村に着くと
「お陰で無事にここまで来ることが出来た。ありがとう。俺は明日から別行動を取らせてもらう。」
「そうか、残念だ。こちらこそ、お陰で無事にここまで辿り着くことが出来た。
ここから何処に向かう予定なんだ。周囲に何もないと思うが。」
「情報が命なんでな、それは教える事は出来ない。」
「失礼な質問だったな。今度会ったら酒でも奢らせてくれ。」
「あぁ、楽しみにしている。」
次の日の朝、アンディ・ジョーンズに見送られ技術者一行は王都に向かって出発した。
王都に着いた一行を待ち受けていたのは、多くの貴族達。
団長が途中の村から通信機で送ったアンディ・ジョーンズの情報が広まってしまったみたいだ。
「アンディ・ジョーンズ殿とはどの方だ?」
途中で別れたと聞くと、直ぐに人相書きが作られ別れた村へ人を派遣することになった。
技術者はポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵に連れられてスラム街の技術者と顔合わせをしたのだが、直ぐに村作りの話になりそのまま打ち合わせになってしまった。
私兵と冒険者はOZとクリームに宿まで案内された。
「拓殿は探索魔法を使えますか。」
「冒険者として困らない程度には使えます。それが何か?」
「いえ、失礼しました。少し有り得ないことを考えてしまいましました。」
拓は団長に笑って応えると、私兵にこれからの予定を伝え、冒険者はここで仕事は終わりになるので完了証明書を配った。
拓の後姿はアンディ・ジョーンズに似ていた。
ここに来ている私兵は拓の事を仕えている貴族から知らされていて、使えるのは多種に渡る中級魔法。
そして、アンディ・ジョーンズには途中の村で見送られ、馬で街道を走ってこない限り、今王都に居るはずがない。
貴族達が村に派遣した者達はアンディ・ジョーンズについて聞いて回ったが、見送った後に森の中へ入って行ったとの情報を得ただけで行先については分からなかった。
「アンディ・ジョーンズじゃないか。覚えていないか。俺達は遺跡の活動期の時に助けられたんだ。」
「もしかして、5階層まで進んでいたパーティか?」
「そうだ。あの時はまともに礼も言えずに別れてしまったが、こうして会えるとは思わなかった。」
アンディ・ジョーンズと握手をして助けられたことの礼を述べていた。
団長はアンディ・ジョーンズを受け入れ移動を開始したのだが、その探索魔法には驚くしかなかった。
「ここから500m程先に魔獣の群れが居る。討伐部隊を先に向かわせた方が良いだろう。」
初めは団長も半信半疑だったが、冒険者達に信じる様に言われ討伐隊を向かわせるとダークウルフの群れと遭遇。
ダークウルフは気配を消して人を襲う魔獣で、他の者は近づいても気付くことも出来ずにいた。
他にも戦闘になれば重傷者を出しかねない魔獣を回避できたりと、殆ど怪我人を出すことなく移動が出来ている。
「貴方を私の仕えている貴族に紹介したのだが、どうだろうか?」
「有難い誘いだが、俺は自由が好きでね。誰かに仕える気は無い。」
貴族に仕えている私兵が話しかけるが、全く興味も示さなかった。
他の人達とも一定の距離を取り、必要最低限の会話しかしない。
晩飯が終わると1人で抜け出して薬草を採取し、磨り潰して怪我人の患部に付ける様にと配っていた。
「助かる。しかし、1人で行動して大丈夫か?」
「探索魔法に昼も夜も関係ないからな。同行させてもらっている礼だ。」
一番危険な場所を抜けて、後二日も有れば王都という村に着くと
「お陰で無事にここまで来ることが出来た。ありがとう。俺は明日から別行動を取らせてもらう。」
「そうか、残念だ。こちらこそ、お陰で無事にここまで辿り着くことが出来た。
ここから何処に向かう予定なんだ。周囲に何もないと思うが。」
「情報が命なんでな、それは教える事は出来ない。」
「失礼な質問だったな。今度会ったら酒でも奢らせてくれ。」
「あぁ、楽しみにしている。」
次の日の朝、アンディ・ジョーンズに見送られ技術者一行は王都に向かって出発した。
王都に着いた一行を待ち受けていたのは、多くの貴族達。
団長が途中の村から通信機で送ったアンディ・ジョーンズの情報が広まってしまったみたいだ。
「アンディ・ジョーンズ殿とはどの方だ?」
途中で別れたと聞くと、直ぐに人相書きが作られ別れた村へ人を派遣することになった。
技術者はポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵に連れられてスラム街の技術者と顔合わせをしたのだが、直ぐに村作りの話になりそのまま打ち合わせになってしまった。
私兵と冒険者はOZとクリームに宿まで案内された。
「拓殿は探索魔法を使えますか。」
「冒険者として困らない程度には使えます。それが何か?」
「いえ、失礼しました。少し有り得ないことを考えてしまいましました。」
拓は団長に笑って応えると、私兵にこれからの予定を伝え、冒険者はここで仕事は終わりになるので完了証明書を配った。
拓の後姿はアンディ・ジョーンズに似ていた。
ここに来ている私兵は拓の事を仕えている貴族から知らされていて、使えるのは多種に渡る中級魔法。
そして、アンディ・ジョーンズには途中の村で見送られ、馬で街道を走ってこない限り、今王都に居るはずがない。
貴族達が村に派遣した者達はアンディ・ジョーンズについて聞いて回ったが、見送った後に森の中へ入って行ったとの情報を得ただけで行先については分からなかった。
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