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185技術者
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城を出てポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵、拓がブルネリ公爵の屋敷に来ると、
サリナ姫、ロダン侯爵まで来ていた。
それまで公爵として振舞っていたブルネリ公爵が部屋の扉を閉めたとたん笑い始めた。
「面白かったぞ。バラキエ公爵の顔を見せてやりたかった。」
ここに集まった全員が初めて見るブルネリ公爵の姿。
「ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵、我々も手伝うので必ず成功させましょう。
いやいや、本当に爽快だ。技術者を抑えられたのは朗報だった。我々ではそこに手を回すのは難しいからな。」
喜びが止まらないみたいだ。
「しかし、拓殿はクロイツ公爵と何か接点は有るか?」
「顔は覚えていますが、話したことも有りませんが?」
ブルネリ公爵の話では貴族には大きく3つの派閥が有るらしく
ブルネリ公爵、バラキエ公爵、クロイツ公爵はそれぞれの派閥の上の立場になっている。
どの派閥も国の為にという考えは有るのだが、互いにけん制しあう立場を取っている。
ブルネル公爵と一緒に国王が拓が落ち人だと確認した場に立ち会っていた貴族だが、特に興味を持っていた様には見えなかった。
しかし、今回の件では積極的に拓の支援を行なおうとしている。
「今回の開拓で協力をするのは、拓殿と何か関係が有るのかと思ったのだが・・・」
「拓殿を自分の派閥に取り込もうとしているのでは?」
「その可能性は有り得るが、少し違う感じがする。ところで拓殿、我々の派閥に入る気は無いか。」
ブルネリ公爵とロダン侯爵が話し始めたかと思うと、急に拓に話を振って来る。
「無いです。そう言う事は貴族の方々の中でクローズしてもらえれば良いかと。」
拓の回答は分かっていたが、ブルネリ公爵とロダン侯爵は少し残念そうだった。
拓がポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵も派閥に入っているかを聞いてみると、
男爵という立場は貴族としても一番下の立場で派閥とは関係ないとの事。
以前、ブルネリ公爵のパーティに参加していたが、強力な貴族のパーティには派閥に関係なく可能で有れば出ているらしい。
「しかし、今回の件で他の貴族から注目を浴びています。
今後は、その辺の身の振り方も考えた方が良いでしょう。」
サリナ姫の言葉に、焦る拓。
「サリナ、ちょっと待って。3人って面倒な立場にいるの?」
「今回の開拓は多くの貴族から注目を浴びているのよ。
その指揮を取っているとなれば、男爵でも自分の派閥に引き込みたいと考えるわね。」
拓は3人の男爵に謝ると、
「この様な名誉ある機会を与えて頂いたこと、感謝しか在りません。」
そう応える男爵達に、出来るだけ力になろうと思う拓だった。
村人の代表者にも土地を確認の上、土地を開拓し村を作ることが正式に発表された。
また、自分達の土地を持つことが出来る。
大量の魔獣が現れる中、不安も有るが、多くの村人達は期待で満ち溢れていた。
ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵はスラム街を訪れていた。
今回の件でゴルゴが怪我をしてスラム街に流れて来た技術者に声を掛けて集めてくれた。
「ゴルゴ、技術者を紹介してくれ助かった。」
「私は声を掛けただけです。技術者の事をお願いします。」
ゴルゴが頭を下げると、サブも一緒に頭を下げた。
早速、技術者達と村の開拓に付いての話し合いが行われた。
「ゴルゴさんは、完全にこの町のまとめ役だね。」
「兄貴なら当然だ。まぁ、OZが絡んでいたから今回の件も2つ返事で対応してくれた。」
「有り難いな。技術者の方やゴルゴさんにもお礼を言わないとな。」
「だからと言って兄貴を覗きに来るなよ。」
「見られて興奮する癖に。」
「そっ、そんな事あるか。俺も兄貴も変態じゃねぇ。」
「変態って・・・楽しんだ方が良いじゃないか。まぁ、信頼できる相手でないと楽しめないか。」
「別に、拓が信頼できないとは言ってない・・・刺激にはなるかもしれないな。」
打ち合わせをしている間、部屋の隅で拓とサブが小声でどうしようもない話をしていた。
実際の開拓は春から始まることになるが、今の内に状況を見ておきたいという技術者達の意見を取り入れ、2週間後に下見を行うことになった。
サリナ姫、ロダン侯爵まで来ていた。
それまで公爵として振舞っていたブルネリ公爵が部屋の扉を閉めたとたん笑い始めた。
「面白かったぞ。バラキエ公爵の顔を見せてやりたかった。」
ここに集まった全員が初めて見るブルネリ公爵の姿。
「ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵、我々も手伝うので必ず成功させましょう。
いやいや、本当に爽快だ。技術者を抑えられたのは朗報だった。我々ではそこに手を回すのは難しいからな。」
喜びが止まらないみたいだ。
「しかし、拓殿はクロイツ公爵と何か接点は有るか?」
「顔は覚えていますが、話したことも有りませんが?」
ブルネリ公爵の話では貴族には大きく3つの派閥が有るらしく
ブルネリ公爵、バラキエ公爵、クロイツ公爵はそれぞれの派閥の上の立場になっている。
どの派閥も国の為にという考えは有るのだが、互いにけん制しあう立場を取っている。
ブルネル公爵と一緒に国王が拓が落ち人だと確認した場に立ち会っていた貴族だが、特に興味を持っていた様には見えなかった。
しかし、今回の件では積極的に拓の支援を行なおうとしている。
「今回の開拓で協力をするのは、拓殿と何か関係が有るのかと思ったのだが・・・」
「拓殿を自分の派閥に取り込もうとしているのでは?」
「その可能性は有り得るが、少し違う感じがする。ところで拓殿、我々の派閥に入る気は無いか。」
ブルネリ公爵とロダン侯爵が話し始めたかと思うと、急に拓に話を振って来る。
「無いです。そう言う事は貴族の方々の中でクローズしてもらえれば良いかと。」
拓の回答は分かっていたが、ブルネリ公爵とロダン侯爵は少し残念そうだった。
拓がポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵も派閥に入っているかを聞いてみると、
男爵という立場は貴族としても一番下の立場で派閥とは関係ないとの事。
以前、ブルネリ公爵のパーティに参加していたが、強力な貴族のパーティには派閥に関係なく可能で有れば出ているらしい。
「しかし、今回の件で他の貴族から注目を浴びています。
今後は、その辺の身の振り方も考えた方が良いでしょう。」
サリナ姫の言葉に、焦る拓。
「サリナ、ちょっと待って。3人って面倒な立場にいるの?」
「今回の開拓は多くの貴族から注目を浴びているのよ。
その指揮を取っているとなれば、男爵でも自分の派閥に引き込みたいと考えるわね。」
拓は3人の男爵に謝ると、
「この様な名誉ある機会を与えて頂いたこと、感謝しか在りません。」
そう応える男爵達に、出来るだけ力になろうと思う拓だった。
村人の代表者にも土地を確認の上、土地を開拓し村を作ることが正式に発表された。
また、自分達の土地を持つことが出来る。
大量の魔獣が現れる中、不安も有るが、多くの村人達は期待で満ち溢れていた。
ポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵はスラム街を訪れていた。
今回の件でゴルゴが怪我をしてスラム街に流れて来た技術者に声を掛けて集めてくれた。
「ゴルゴ、技術者を紹介してくれ助かった。」
「私は声を掛けただけです。技術者の事をお願いします。」
ゴルゴが頭を下げると、サブも一緒に頭を下げた。
早速、技術者達と村の開拓に付いての話し合いが行われた。
「ゴルゴさんは、完全にこの町のまとめ役だね。」
「兄貴なら当然だ。まぁ、OZが絡んでいたから今回の件も2つ返事で対応してくれた。」
「有り難いな。技術者の方やゴルゴさんにもお礼を言わないとな。」
「だからと言って兄貴を覗きに来るなよ。」
「見られて興奮する癖に。」
「そっ、そんな事あるか。俺も兄貴も変態じゃねぇ。」
「変態って・・・楽しんだ方が良いじゃないか。まぁ、信頼できる相手でないと楽しめないか。」
「別に、拓が信頼できないとは言ってない・・・刺激にはなるかもしれないな。」
打ち合わせをしている間、部屋の隅で拓とサブが小声でどうしようもない話をしていた。
実際の開拓は春から始まることになるが、今の内に状況を見ておきたいという技術者達の意見を取り入れ、2週間後に下見を行うことになった。
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