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152招待状
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冬も深まり本格的に寒くなると、魔獣の活動が収まって来た。
スラム街では、OZが持ち込む魔獣の他にも、怪我が治り復活した冒険者達によって魔獣が運び込まれ解体が行われている。
アイテムボックスを使えるような魔導士は居ないため、討伐組、運搬組、解体組といったように作業分担がされていた。
更にサリナ姫の配給も有り、この冬は誰も飢えに苦しむことなく過ごせている。
怪我人が出たが、大した怪我でないので拓が顔を出したついでに対応していた。
怪我をするのは魔獣退治を行っている体格の良い男が多く、無駄に治療時間が掛かている。
「治療を行ってもらったのに、こんな状態になって申し訳ありません。」
「気にしないで。体が健康になった証拠ですから。」
拓は治癒魔法を使って勃起させる技を身に付けてしまい、時々その技で楽しんでいた。
相変わらず、OZの解体依頼は続き、解体作業人数が増えたと聞くと、
依頼をしに毎日、朝一に顔を出し夜に引き取りにやって来ていた。
拓一人で寄る事もあれば、OZとして3人で寄る事も有る。
それも、毎回30体もの魔獣の解体作業を依頼される。
そして解体作業の体制も整い、ゴルゴやサブが居なくてもしっかりと機能するようになっていた。
OZは今日もスラム街で解体した素材を受け取り、エチゴの店に寄っていた。
「拓さん、在庫の肉に余裕はないでしょうか。有れば売って頂きたいのですか。」
「色々と有りますが、何の肉が必要ですか?」
エチゴの要求した肉は十分にアイテムボックスに有るので、全て対応することが可能だった。
「しかしこれだけ多くの肉がどうして必要なのですか?」
「貴族の方々からの注文です。冬の社交シーズンに使われるみたいなのですが、私の店に集中するとは思いませんでした。
他の商人にも声を掛けますが、それなりの量は用意しないと問題になりますので助かりました。」
商人同士の繋がりも有り、独りで対応すれば多くの利益を得られるが、ある程度は利益の分配を行う必要が有る。
特にエチゴは大商人ともいえる立場で、中小の商人に対して気配りが必要だった。
「毎年、パーティが開かれるのですか?」
「国王主催のパーティは毎年行われていましたが、
貴族のとなると5年ぶりになります。勇者様によって魔獣の脅威が取り払われたからでしょう。」
拓は、この国に大量の魔獣が現れてから5年も経っていたと初めて知った。
4年間も耐えた上での召喚の儀式・・・本当に国王の苦渋の決断だったのだと思った。
そして、拓に貴族が開くパーティの招待状を渡す。
全て拓宛ての招待状だった。
「何故、エチゴさんの所に私への招待状が届いているのでしょうか?」
「それは、OZの行き先が不明だからでしょう。」
確かに、OZは王都の外でテント生活を行っており、確実に出没する場所はスラム街かエチゴ屋となればエチゴの所に届くのは仕方ない事だった。
結局、今回の肉の依頼の集中は拓が原因だった。
「未だ、これからも招待状は届くかと思います。
免責札を持つというのは、色々と大変みたいですね。パーティはどうされるのですか?」
手紙はエチゴの方で公爵から子爵まで順番に並べられている。
何枚か見たが、ブルネリ公爵とロダン侯爵からも招待状がきていたが、他は知らない人ばかりだ。
「後で知り合いに相談してみます。正直、知らない人ばかりなので。」
拓としては問題なければ全て破棄しようと考えていた。
免責札を持っているとなると貴族としては出席して欲しい人物なのだろうが面倒なだけだ。
「免責札の義務なんて事になったら、仮病でも使いましょうか。」
拓が本気か冗談かも分からない事を言って笑っていた。
スラム街では、OZが持ち込む魔獣の他にも、怪我が治り復活した冒険者達によって魔獣が運び込まれ解体が行われている。
アイテムボックスを使えるような魔導士は居ないため、討伐組、運搬組、解体組といったように作業分担がされていた。
更にサリナ姫の配給も有り、この冬は誰も飢えに苦しむことなく過ごせている。
怪我人が出たが、大した怪我でないので拓が顔を出したついでに対応していた。
怪我をするのは魔獣退治を行っている体格の良い男が多く、無駄に治療時間が掛かている。
「治療を行ってもらったのに、こんな状態になって申し訳ありません。」
「気にしないで。体が健康になった証拠ですから。」
拓は治癒魔法を使って勃起させる技を身に付けてしまい、時々その技で楽しんでいた。
相変わらず、OZの解体依頼は続き、解体作業人数が増えたと聞くと、
依頼をしに毎日、朝一に顔を出し夜に引き取りにやって来ていた。
拓一人で寄る事もあれば、OZとして3人で寄る事も有る。
それも、毎回30体もの魔獣の解体作業を依頼される。
そして解体作業の体制も整い、ゴルゴやサブが居なくてもしっかりと機能するようになっていた。
OZは今日もスラム街で解体した素材を受け取り、エチゴの店に寄っていた。
「拓さん、在庫の肉に余裕はないでしょうか。有れば売って頂きたいのですか。」
「色々と有りますが、何の肉が必要ですか?」
エチゴの要求した肉は十分にアイテムボックスに有るので、全て対応することが可能だった。
「しかしこれだけ多くの肉がどうして必要なのですか?」
「貴族の方々からの注文です。冬の社交シーズンに使われるみたいなのですが、私の店に集中するとは思いませんでした。
他の商人にも声を掛けますが、それなりの量は用意しないと問題になりますので助かりました。」
商人同士の繋がりも有り、独りで対応すれば多くの利益を得られるが、ある程度は利益の分配を行う必要が有る。
特にエチゴは大商人ともいえる立場で、中小の商人に対して気配りが必要だった。
「毎年、パーティが開かれるのですか?」
「国王主催のパーティは毎年行われていましたが、
貴族のとなると5年ぶりになります。勇者様によって魔獣の脅威が取り払われたからでしょう。」
拓は、この国に大量の魔獣が現れてから5年も経っていたと初めて知った。
4年間も耐えた上での召喚の儀式・・・本当に国王の苦渋の決断だったのだと思った。
そして、拓に貴族が開くパーティの招待状を渡す。
全て拓宛ての招待状だった。
「何故、エチゴさんの所に私への招待状が届いているのでしょうか?」
「それは、OZの行き先が不明だからでしょう。」
確かに、OZは王都の外でテント生活を行っており、確実に出没する場所はスラム街かエチゴ屋となればエチゴの所に届くのは仕方ない事だった。
結局、今回の肉の依頼の集中は拓が原因だった。
「未だ、これからも招待状は届くかと思います。
免責札を持つというのは、色々と大変みたいですね。パーティはどうされるのですか?」
手紙はエチゴの方で公爵から子爵まで順番に並べられている。
何枚か見たが、ブルネリ公爵とロダン侯爵からも招待状がきていたが、他は知らない人ばかりだ。
「後で知り合いに相談してみます。正直、知らない人ばかりなので。」
拓としては問題なければ全て破棄しようと考えていた。
免責札を持っているとなると貴族としては出席して欲しい人物なのだろうが面倒なだけだ。
「免責札の義務なんて事になったら、仮病でも使いましょうか。」
拓が本気か冗談かも分からない事を言って笑っていた。
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