欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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135誰の事?

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少し間が空いてしまったが、久しぶりに3人でギルドの依頼を受けに来たのだが

「OZの皆様にはロダン侯爵より指名依頼が来ていますが、如何しますか。」

またしても貴族からの指名依頼。
依頼を受けるか少し考えさせてもらう事にし、他の冒険者達から離れて話す事にする。
拓は2人に、昇級試験を行った以外にも、城に伺った時に会っている事を話した。

「拓も色々と大変だな。そうなると、喜んでばかりはいられないか。」
「俺は受けても良いと思うぜ。拓だけでなく、他の冒険者に対しても気を使っていたしな。
 それに、私兵のモーゼス、ジークフリートを見れば、主としてしっかりした人物だと分かる。」

拓としても免責札でのパーティに参加されている人なら安心できると考え、依頼を受けることにした。
依頼内容は、ご子息が行う魔獣討伐の護衛。

受ける場合は、一度 屋敷に来て欲しいとの記載が有ったので3人で伺ってみる事にした。


「話の前に1つ確認したいのですが、この依頼は私が免責札を持っているからでしょうか。」

初めに拓がロダン侯爵に問いただす。

「正直、この間のギルド試験の審査役に出たのは、拓殿が居るからだった。
 今回の依頼においても免責札の事を考えなかった訳ではない。
 しかし一番は、拓殿のサポート力とレオ殿の攻撃力を見込んでの依頼だ。」
「ありがとうございます。」

ロダン侯爵の答えに拓は頭を下げ、ガラが改めてOZとして依頼を受けると回答した。

「引き受けてもらい感謝する。これが息子のルーカスだ。」
「ルーカスです。本格的な魔獣退治は初めての為、迷惑を掛けると思いますが宜しくお願いします。」

今回の護衛対象と顔合わせをしたところで、実力確認を行うためガラと剣を交えたのだが実力はDランク冒険者レベル。
場所は国が討伐を行った後の場所。未だ強い魔獣が近寄ってきていない。
護衛方法は拓がルーカスに付いて、レオとガラが前衛を務めて魔獣を間引いた所でルーカスが対応することにした。

護衛にはモーゼスとジークフリートも付くが、いざというときの対応の為だ。
出発は明日とし、未だ時間も早いのでOZは薬草採取と近場で魔獣が出たら退治することにしたのだが

「私も同行させてもらっても良いでしょうか。勿論、本日分の依頼料も払います。」

ルーカスの依頼にロダン侯爵も了承しモーゼス、ジークフリートも護衛と同行し6人で町の外へ出ることになった。

「では、この辺で薬草を採取しましょうか。」

森の浅い場所で薬草採取を始めたのだが、ルーカスが採取するのは似たような雑草が多い。
拓は採取した薬草を見せて違いを説明し、薬草採取を始めた。

「ルーカス様は、何故そこまで熱心に薬草採取を行っているのですか?」

余りにもルーカスが真面目に薬草採取を行うので拓が聞いてみると。

「拓様のように成りたいと思っているからです。」
「えっ?拓って私の事ですか?」
「はい、父から何度も聞きました。拓様は権力も力も有るのに、驕ることなく精進をされていると。」

言われた拓自身はロダン侯爵は一体誰の話をしたのかと不思議に思っているのだが、モーゼス、ジークフリートを見ると頷いている、

「ありがとうございます。ただ、私の場合は知らない事ばかりで覚える必要が有るだけです。
 後、私は一冒険者として活動していますので、様を付けないで頂けると助かります。
 免責札は登城の時にしか使っていませんので。」
「そうなのですか。流石は拓様です・・・あっ、拓さんです。」

拓にはどこに流石のポイントが有ったのかが分からないが、ここまでくると本当の自分を知られるのが怖く感じる。
ガラとレオが後ろを向いて肩が震えているので、笑っているのだろう。
拓自身、自分の事でなければ笑いたい。
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