上 下
124 / 531

124登城

しおりを挟む
「土産は大丈夫か?」
「服装は大丈夫だな。」

ガラとレオにチェックを受けて拓はこれから1人、サリナ姫に土産を渡しに城へと向かう。
一応、同郷の勇者達にも土産は用意したので、問題なければ1泊して色々と話して来いと言われて送り出された。

拓は城を見上げ、門に向かうと免責札を取り出しサリナ姫との面会を求めた。

「こっ、これは。拓様ですね。中で少々お待ち願います。」

門番の1人が何処かに連絡を行い、椅子を用意してくれた。
暫くすると、オリバー隊長が現れた。

「オリバーさん、お久しぶりです。わざわざ対応して頂いて申し訳ありません。」
「いえ、お気にせずに。サリナ様との面会と言うことですが、今、教育を受けている最中です。」
「では、改めて来るので面会の予定だけ入れてもらう事は出来ますか。
 サリナ姫に依頼された土産を渡したいと思っていただけですから。」

結局、サリナ姫の教育が終わるまで城で待つことになった。
それまで、図書室で薬と武技について調べたいと伝えると

「薬とはどのような物を?」
「ここだけの話、媚薬についてです。」

オリバー隊長は一瞬怪訝な顔をする。
盗賊退治の際、使った媚薬の効果が異常に高かった事を伝え、調べようと考えている事を伝え瓶を取り出した。
正確にはダイフクの粘液だが、この世界の媚薬は植物や魔獣から抽出するものなので問題ない。

「盗賊が所有している媚薬を適当に使ったと伺っていますが、これが本当の媚薬なのですね。」
「そんな話まで広まっているのですか?」

拓は自分がそこまで監視されているとは思ってもみなかった。

「拓殿という事以外にも、あの様な惨状は聞いたことが無かったため噂になっています。
 良ければ、媚薬については出所を分からない様にして調べさせて頂きます。」

ダイフクの粘液が入った瓶をオリバー隊長に渡し、解析をお願いした。

「ちなみに、何故この様な媚薬をお持ちになっているのですか?」
「偶然この様な物を知って持っていただけです。犯罪に使うような真似はしていませんし、今後も使う事はありません。」

オリバー隊長は「勿論、信じております。」そう言って微笑む。
拓はその顔を見て、絶対に犯罪に使わないと心に誓った。

「武技についてですが騎士団の訓練を見に来ますか。本より実際に見た方が分かりますよ。」

オリバー隊長の勧めで、訓練場に向かうことにした。
騎士団の皆が声を掛けてくれる中、パウロとヨーゼフの姿を探したが魔獣討伐に出ていて今夜か明日には帰ってくるらしい。

「拓殿、よければ訓練に参加しませんか。私や他の者達も武技を使えるので受けて見るのは如何でしょう。」

オリバー隊長に誘われ、拓も着替えて参加する。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~

クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。 いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。 本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。 誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

父のチンポが気になって仕方ない息子の夜這い!

ミクリ21
BL
父に夜這いする息子の話。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

処理中です...