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74 公爵令嬢は王子の誕生日を祝う
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もうすぐロナウド王子の誕生日。
誕生日当日、王宮でする社交界デビューを記念した超本格誕生日パーティーをする事になっている。
なので、前日にいつものメンバーやロナウド王子の友人を呼んで子供達で誕生日パーティーをしようという事になった。
そこで、ロナウド王子から相談があった。
「皆んなに内緒で、新しい料理を作ってパーティーで振る舞いたいから、手伝ってほしい。」
ほほぅ、なるほど。
よしきた、私が力になってあげましょう!
「皆んなに内緒だから、レベッカについて来られないようにしてくれ。」
おぉっと、中々難しい課題を出されたぞ?
うーん、どうしようか……
……国王様の力を少しお借りしよう。
「領主として国王様から呼び出しがあったから、明日私は医療現場には行けないわ。
リリーちゃんと二人で頑張ってね。」
「私もフランちゃんと一緒に王宮に行っちゃダメ?」
ぬぅ、付いてくるって言うと思ったよ。
「政治的な話になると思うから、レベッカちゃんが来ても隔離されちゃうと思うよ?」
「いいよ、ロナウド王子と遊んで待ってるから。」
くそぅ、手強い!
「レベッカちゃん、明日手術があるって言ってなかった?
いいの? 患者さん放っておいて。」
「うーん……仕方ない、明日は諦める。
次の機会には絶対連れてってよ?」
「分かったってば!
明日、頑張ってね!」
よし、何とか乗り切れたぁぁ……
ああ言っちゃったし、これから男爵領の資料を整理しておこう。
翌日、私はレベッカちゃんをなんとか残して王宮へ向かった。
一応、国王様へ領主としての報告を上げるため、挨拶をさせて頂く。
「領地も随分発展してきたな、かなり景気が良いようじゃないか。」
「領内へ移住する人が多く、皆さんが活動的でいてくれるからです。
ただ、人が増えると治安が乱れやすくなっているのも確かで、現状は自衛官が足りていません。」
「それと、近隣領から民が奪われて困ると言う声を聞いておる。
まぁ、そこは領主の力不足なのもあるのだがな。」
「国王様にお願いがあります。
騎士団の方に、現在の自衛官の訓練をお願いしたいのです。
そして、領民で才能のある者を自衛官にスカウトして頂きたいと思っています。」
「ほぅ、訓練はともかく、スカウトは何か方法があるのか?」
「はい、今後このような企画をしたいと思っています。」
「なるほど。 うむ、検討しておこう。」
だいぶ国王様と話し込んでしまった。
国王様ってば、領地経営と全然関係ない話までしてくるんだもん。
この後ロナウド王子に用事があるって言うまで、全然帰してくれなかった。
「遅い。」
ほら、ロナウド王子に怒られた。
「俺の約束より父上の方が大事なのか?」
そう言うわけじゃないってば。
仕方ないじゃん、レベッカちゃんをかわす大義名分がいったんだもん。
あ、それとも、国王様にやきもち焼いてるの?
「ち、ちがう、そう言うんじゃない!」
ふっふっふっ、こういうところは相変わらずだなぁ。
さて、前日パーティーは昼食時間にする予定だから、ご飯系とスイーツ系両方作っていこう。
何がいいかなー。
「こないだ作ってた白い餡子、あれってどうやって作ってんの?」
「白インゲン豆で餡子を作ったんですよ。
青エンドウで作ればうぐいす餡になります。
あ、小豆餡にチョコを混ぜるとチョコ餡になりますし、白餡にフルーツペーストを混ぜればフルーツ餡にもなります。」
「へぇー、面白いな。
餡子ってそんなに色んな種類が作れるのか。
それ使おうぜ。」
「デザートは餡子を使ったお菓子に決定ですね。
メインはどうします?」
「うーん、フランが前やったピザパーティーみたいに、皆んなで楽しめるようなやつがいいなぁ。」
うーん、皆んなで楽しめるような、新しい料理かぁ……
あ!ちょっと思いついたぞ!
社会見学で見て作り方知ってるってだけで、実際作ったことないからかなり不安だけど、魚醤も出汁もあるから、味付けは大丈夫だ!
今は夏だし、ちょうどいい!
ただ、これ一日で作れないなぁ。
「ロナウド王子、良い物を思いついたんですが、作るのにかなり時間がかかるんです、今日一日ここへ泊めていただいても良いですか?」
「へ!? あ、おう、わ、分かった。
部屋を用意してもらっとく。」
ロナウド王子なんか照れてるけど、君今まで男爵邸に散々寝泊りしてたんだからね?
前日パーティーの当日、私は準備があるので早めにこっそり出発していた。
レベッカちゃんを置き去りにして。
パーティー時間に連れてきてもらうようにリリーちゃんとケンにお願いをしている。
こないだ一泊した時も相当拗ねてたし、今日も怒るかな……
パーティー会場は、以前お茶会をした場所。
ここに、錬金魔法で装置を設置。
人数が結構いるみたいだから、装置を三本にした。
つゆとかやく、デザートをロナウド王子と用意して、準備をしていく。
パーティーの時間になって、皆んなが集まってきた。
招待客は皆んな子供かと思ったらそんな事なくて、大人も普通にいた。
国王様もしっかりいらっしゃる。
てか、お父様とお兄様招待されてたの?
「「明日より今日の方が楽しそう」」
そんなんでいいのか?
リリーちゃんとケンと一緒にレベッカちゃんが来た。
めっちゃ怒ってる。
「なんで私に黙って勝手に行くの?」
レベッカちゃん、怖い怖い。
「ロナウド王子が特別なパーティーにしたいって言って、皆んなに内緒で色々企画してたの!
レベッカちゃんにも楽しんでもらいたかったの、それだけは分かって!」
めっちゃ睨んでくる、ロナウド王子、助けて。
「俺がフランにパーティーの相談してたんだよ。
そしたらフランのやつ、レベッカにだけサプライズが出来ないのは可愛そうっつって、俺に言ってきたんだよ。
分かってやってくれ。」
「……分かった。
でも、今度からは一言言ってほしい。」
ロナウド王子、ナイスフォロー!!
さぁ、パーティーが始まって、皆んなに麺つゆの入った小さな器を渡す。
そして、装置の横へ並んでもらった。
「これ、どうするの?」
「なにがあるの?」
ふっふっふっ、では始めよう、いざ、流しそうめん!
上から水と一緒に流れてくるそうめんをすくって、麺つゆに付けて食べてもらうよう説明すると、皆んな一斉に装置を睨みつける。
そして、流れてくるそうめんをキャアキャア言いながらすくって食べている。
「この麺、すごく細い!
どうやって作ってるんだ!?」
「細いけど、コシがしっかりあるぞ。
麺がツヤツヤしてて、すごく美味い。」
「麺つゆに刻んだネギやゴマを入れると風味が変わっていいね!」
「美味しいー! 楽しいー!」
フォークから逃げるそうめんに慌てる皆んな。
箸普及させたいなー。
大人も腕まくりして全力で楽しんでるねー。
手延べそうめん、上手く作れてよかったー。
食後のデザートに、色んな味のようかん。
しっかり冷やしてるから、暑い夏にもピッタリ。
「あ!これ餡子だ!
ひんやりしてて、美味しい!」
「色んな色があってすごくキレイね。
どれから食べようか迷っちゃうわ。」
「これ、チョコ味!
あ!こっちはオレンジ味!
イチゴ味もある!」
フルーツ餡はジャムでも作れるから、色んな味が用意できた。
夏の屋外で行われたパーティーだったけど、よく冷えたそうめんとようかんで暑さを乗り越えられたかな。
「フラン、本当にありがとう。
おかげで楽しいパーティーになった。」
パーティーが終わって、ロナウド王子が私に話しかけてきた。
「こちらこそ、パーティーすごく楽しめました。
声をかけていただいて、ありがとうございます。」
…………あ! ヤバイ! 忘れてた!
誕生日プレゼント!!
どうしよう、何にも用意してない……
うーん、うーん、うーん………
「どうしたんだ?」
「あ、いえ、えっと……一日早いんですけど、お誕生日おめでとうございます。
えっと、その、うーん、あ! これ、私からの誕生日プレゼントです!」
なんとか思いついて錬金魔法で作ったのが、ガラスペン。
ロナウド王子の瞳と同じ翠色の軸で、ペン先に向かって透明になっている。
「これ、ペンなんですけど、羽ペンより書き味が滑らかで、インクの伸びもいいんです。
こんな物しか用意出来ませんが、受け取っていただけますか?」
差し出したガラスペンを、ロナウド王子はそっと受け取ってくれた。
「ありがとうフラン。
一番最初にもらった10歳の誕生日プレゼントだ。
大事にする。」
ニコッと笑う笑顔が眩しい。
さすが王子様だ。
今日はいいパーティーになって、よかった。
そして、誕生日プレゼントを今思いついたってバレてなくてよかった。
「もしかして、誕生日プレゼント忘れてて今思い出したとか?」
……バレてた。
誕生日当日、王宮でする社交界デビューを記念した超本格誕生日パーティーをする事になっている。
なので、前日にいつものメンバーやロナウド王子の友人を呼んで子供達で誕生日パーティーをしようという事になった。
そこで、ロナウド王子から相談があった。
「皆んなに内緒で、新しい料理を作ってパーティーで振る舞いたいから、手伝ってほしい。」
ほほぅ、なるほど。
よしきた、私が力になってあげましょう!
「皆んなに内緒だから、レベッカについて来られないようにしてくれ。」
おぉっと、中々難しい課題を出されたぞ?
うーん、どうしようか……
……国王様の力を少しお借りしよう。
「領主として国王様から呼び出しがあったから、明日私は医療現場には行けないわ。
リリーちゃんと二人で頑張ってね。」
「私もフランちゃんと一緒に王宮に行っちゃダメ?」
ぬぅ、付いてくるって言うと思ったよ。
「政治的な話になると思うから、レベッカちゃんが来ても隔離されちゃうと思うよ?」
「いいよ、ロナウド王子と遊んで待ってるから。」
くそぅ、手強い!
「レベッカちゃん、明日手術があるって言ってなかった?
いいの? 患者さん放っておいて。」
「うーん……仕方ない、明日は諦める。
次の機会には絶対連れてってよ?」
「分かったってば!
明日、頑張ってね!」
よし、何とか乗り切れたぁぁ……
ああ言っちゃったし、これから男爵領の資料を整理しておこう。
翌日、私はレベッカちゃんをなんとか残して王宮へ向かった。
一応、国王様へ領主としての報告を上げるため、挨拶をさせて頂く。
「領地も随分発展してきたな、かなり景気が良いようじゃないか。」
「領内へ移住する人が多く、皆さんが活動的でいてくれるからです。
ただ、人が増えると治安が乱れやすくなっているのも確かで、現状は自衛官が足りていません。」
「それと、近隣領から民が奪われて困ると言う声を聞いておる。
まぁ、そこは領主の力不足なのもあるのだがな。」
「国王様にお願いがあります。
騎士団の方に、現在の自衛官の訓練をお願いしたいのです。
そして、領民で才能のある者を自衛官にスカウトして頂きたいと思っています。」
「ほぅ、訓練はともかく、スカウトは何か方法があるのか?」
「はい、今後このような企画をしたいと思っています。」
「なるほど。 うむ、検討しておこう。」
だいぶ国王様と話し込んでしまった。
国王様ってば、領地経営と全然関係ない話までしてくるんだもん。
この後ロナウド王子に用事があるって言うまで、全然帰してくれなかった。
「遅い。」
ほら、ロナウド王子に怒られた。
「俺の約束より父上の方が大事なのか?」
そう言うわけじゃないってば。
仕方ないじゃん、レベッカちゃんをかわす大義名分がいったんだもん。
あ、それとも、国王様にやきもち焼いてるの?
「ち、ちがう、そう言うんじゃない!」
ふっふっふっ、こういうところは相変わらずだなぁ。
さて、前日パーティーは昼食時間にする予定だから、ご飯系とスイーツ系両方作っていこう。
何がいいかなー。
「こないだ作ってた白い餡子、あれってどうやって作ってんの?」
「白インゲン豆で餡子を作ったんですよ。
青エンドウで作ればうぐいす餡になります。
あ、小豆餡にチョコを混ぜるとチョコ餡になりますし、白餡にフルーツペーストを混ぜればフルーツ餡にもなります。」
「へぇー、面白いな。
餡子ってそんなに色んな種類が作れるのか。
それ使おうぜ。」
「デザートは餡子を使ったお菓子に決定ですね。
メインはどうします?」
「うーん、フランが前やったピザパーティーみたいに、皆んなで楽しめるようなやつがいいなぁ。」
うーん、皆んなで楽しめるような、新しい料理かぁ……
あ!ちょっと思いついたぞ!
社会見学で見て作り方知ってるってだけで、実際作ったことないからかなり不安だけど、魚醤も出汁もあるから、味付けは大丈夫だ!
今は夏だし、ちょうどいい!
ただ、これ一日で作れないなぁ。
「ロナウド王子、良い物を思いついたんですが、作るのにかなり時間がかかるんです、今日一日ここへ泊めていただいても良いですか?」
「へ!? あ、おう、わ、分かった。
部屋を用意してもらっとく。」
ロナウド王子なんか照れてるけど、君今まで男爵邸に散々寝泊りしてたんだからね?
前日パーティーの当日、私は準備があるので早めにこっそり出発していた。
レベッカちゃんを置き去りにして。
パーティー時間に連れてきてもらうようにリリーちゃんとケンにお願いをしている。
こないだ一泊した時も相当拗ねてたし、今日も怒るかな……
パーティー会場は、以前お茶会をした場所。
ここに、錬金魔法で装置を設置。
人数が結構いるみたいだから、装置を三本にした。
つゆとかやく、デザートをロナウド王子と用意して、準備をしていく。
パーティーの時間になって、皆んなが集まってきた。
招待客は皆んな子供かと思ったらそんな事なくて、大人も普通にいた。
国王様もしっかりいらっしゃる。
てか、お父様とお兄様招待されてたの?
「「明日より今日の方が楽しそう」」
そんなんでいいのか?
リリーちゃんとケンと一緒にレベッカちゃんが来た。
めっちゃ怒ってる。
「なんで私に黙って勝手に行くの?」
レベッカちゃん、怖い怖い。
「ロナウド王子が特別なパーティーにしたいって言って、皆んなに内緒で色々企画してたの!
レベッカちゃんにも楽しんでもらいたかったの、それだけは分かって!」
めっちゃ睨んでくる、ロナウド王子、助けて。
「俺がフランにパーティーの相談してたんだよ。
そしたらフランのやつ、レベッカにだけサプライズが出来ないのは可愛そうっつって、俺に言ってきたんだよ。
分かってやってくれ。」
「……分かった。
でも、今度からは一言言ってほしい。」
ロナウド王子、ナイスフォロー!!
さぁ、パーティーが始まって、皆んなに麺つゆの入った小さな器を渡す。
そして、装置の横へ並んでもらった。
「これ、どうするの?」
「なにがあるの?」
ふっふっふっ、では始めよう、いざ、流しそうめん!
上から水と一緒に流れてくるそうめんをすくって、麺つゆに付けて食べてもらうよう説明すると、皆んな一斉に装置を睨みつける。
そして、流れてくるそうめんをキャアキャア言いながらすくって食べている。
「この麺、すごく細い!
どうやって作ってるんだ!?」
「細いけど、コシがしっかりあるぞ。
麺がツヤツヤしてて、すごく美味い。」
「麺つゆに刻んだネギやゴマを入れると風味が変わっていいね!」
「美味しいー! 楽しいー!」
フォークから逃げるそうめんに慌てる皆んな。
箸普及させたいなー。
大人も腕まくりして全力で楽しんでるねー。
手延べそうめん、上手く作れてよかったー。
食後のデザートに、色んな味のようかん。
しっかり冷やしてるから、暑い夏にもピッタリ。
「あ!これ餡子だ!
ひんやりしてて、美味しい!」
「色んな色があってすごくキレイね。
どれから食べようか迷っちゃうわ。」
「これ、チョコ味!
あ!こっちはオレンジ味!
イチゴ味もある!」
フルーツ餡はジャムでも作れるから、色んな味が用意できた。
夏の屋外で行われたパーティーだったけど、よく冷えたそうめんとようかんで暑さを乗り越えられたかな。
「フラン、本当にありがとう。
おかげで楽しいパーティーになった。」
パーティーが終わって、ロナウド王子が私に話しかけてきた。
「こちらこそ、パーティーすごく楽しめました。
声をかけていただいて、ありがとうございます。」
…………あ! ヤバイ! 忘れてた!
誕生日プレゼント!!
どうしよう、何にも用意してない……
うーん、うーん、うーん………
「どうしたんだ?」
「あ、いえ、えっと……一日早いんですけど、お誕生日おめでとうございます。
えっと、その、うーん、あ! これ、私からの誕生日プレゼントです!」
なんとか思いついて錬金魔法で作ったのが、ガラスペン。
ロナウド王子の瞳と同じ翠色の軸で、ペン先に向かって透明になっている。
「これ、ペンなんですけど、羽ペンより書き味が滑らかで、インクの伸びもいいんです。
こんな物しか用意出来ませんが、受け取っていただけますか?」
差し出したガラスペンを、ロナウド王子はそっと受け取ってくれた。
「ありがとうフラン。
一番最初にもらった10歳の誕生日プレゼントだ。
大事にする。」
ニコッと笑う笑顔が眩しい。
さすが王子様だ。
今日はいいパーティーになって、よかった。
そして、誕生日プレゼントを今思いついたってバレてなくてよかった。
「もしかして、誕生日プレゼント忘れてて今思い出したとか?」
……バレてた。
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