47 / 56
第四章 マックスの学園生活
騎馬戦の結果
しおりを挟む
イーストは他の二チームから狙われているため、人数が減ってしまい、大将も戦っている。
慌てて馬を返し、大将の側に向かうが、邪魔されてなかなか近づけない。
迂闊に近づくと、こちらがやられてしまう。けれど、大将が帽子を取られたらお仕舞いなのだ。
大将はさすがに強く、立て続けに二人を倒した。
この時ほど、あの馬鹿げたLOVEマークの帽子が尊く見えたことはなかった。
隙間を見つけ、打ちかかってくる剣を叩き返しながら側に馬を寄せる。
ジャケットの腕の部分が頑丈に作られていて、腕でも剣を防げた。
「よお、マックス、やるなお前。見どころあるよ」
大将に褒められた。なんだか心臓がドキンとした。
その時、金色の髪が視線の横をちらっとかすめた。
キースが突っかかってきている。あいつ、笑っているじゃないか。もしかして、僕より性格、悪いんじゃないのか?
そう思いながら、キースの剣をはじいて、その場を離れた。
馬の首を回して、ぐるっとイーストの後ろに回り込み、走り寄った。
全く後ろ側を意識していない奴がいたので襲い掛かった。剣で叩いて体勢をくずし、後ろから鉢巻を引いた。すると騎士が落馬した。
これはどうなるんだろう。鉢巻は取れていない。
戸惑っていると、突然、ワーッと歓声と悲鳴が上がった。
見回したら、イーストの大将が帽子を取られたところだった。
あ~、やられた。
ものすごく、ガクッと気落ちした。こんな気分は初めてだった。この短時間で、こんなに気持ちが上がったり下がったりしたことは、今までない。
残ったイーストチームの騎士数名と、大将がフィールドの外に向かい、僕にも声を掛けてきた。
「マックス、お前よくやったよ。いい戦いぶりだった」
口々にチームメイトに言われ、なんとなく泣きたいような気分になった。
大将に肩を叩かれた。
「来年、リベンジしてくれよ。期待しているからな」
そうか、最上級生は、来年はいないんだ。
はあ~、なんだか感情のコントロールが難しくて疲れる。
「早くフィールドから出て、観戦しようぜ。きっとおもしろいぞ」
急いで待機場所に行き、馬から降りて、皆で観戦した。
広がった陣容のイーストは、丸く集まったサウスをドーナツのように取り囲んで戦っている。
両陣営とも、数が減っているので、その形もばらばらになりつつあるようだ。そこここで、一対一の戦いが繰り広げられている。
さすがに大将の王子様は守られているだろうと思ったら、他の騎士と同じように戦っていた。
相手はキースだ。まずくないのか? いいのか、それ。
まあ、キースだからいいか。自然にそう思ってしまい、ぎょっとした。
周りの生徒にも聞いてみたら、同じように思っているのが分かった。
「キースだからなあ。いいんじゃないか?俺にはできないけど」
「そうだな。キースなら殿下に勝っても問題ないな」
二人は楽しそうに、結構過激にやり合っている。おまけに二人共、腕がいい。
紙の剣が折れない程度で、お互いの体勢を崩そうと狙い合っている様子だ。
ただ、馬自体の能力がジョンの馬の方が断然良く、キースの馬は小回りが利かない感じだ。あれは、最後に残った馬じゃあないか?
そういえば、厩舎でキースの姿を見なかった。
実は、キースは貴賓席に王女を送り届け、挨拶しているうちに準備が遅くなり、一番最後に厩舎に行ったのだった。
次々に勝負が付き、騎士達が打ち取られ、数騎が残った状態になった。
やっぱり目立つ。キースも目立つが、ジョンも目立つのだ。その二人がいい勝負をしていれば、そりゃあ目立つし見ごたえがある。
黄金の騎士対白馬の王子様だ。どっちが主役なんだろう。
まあ、白馬の王子様が白いバラの盛られたつば広帽子をかぶっているので、黄金の騎士対白馬の王女様にも見える。
観覧席の応援も、キャーという声と、ウォーという声が飛び交ってうるさいこと。どっちがどっちを応援しているかは謎だ。キースも美しいもんな。僕も同じ顔だけど。
そうするうちにウエストの大将が討ち取られ、サウス寮チームの勝利で幕が降りた。
全員で一緒にフィールドを一周し、拍手に送られ、厩舎に向かった。
僕はとにかく疲れ切っていた。体もきついけど、メンタルが更にきつかった。
そこから一時間が昼食の休憩に充てられていた。
観覧席を探すとランス伯爵達が手を振っていた。興奮で目が輝いている。
「マックス、すごいじゃないか。馬の扱いが巧みで驚いたよ。すごくかっこよかった」
「楽しそうで、チームメイトとも仲が良くて、よかったわ。」
侍従達が木陰に簡易テーブルとイスを運び食事の用意をしている。彼らも楽しそうでにこにこしている。サンドイッチとジュースという簡単な食事だけど、すごく美味しい。お腹が空いているし、気分が疲れているので、オレンジジュースが最高にうまいし、食後のチョコレートがあちこちを癒してくれる。
目いっぱい食べた。満腹して満足して、満たされるってこういうのを言うんだろうな、と思った。
ふと、先ほど疑問に思った事を聞いてみた。
「キースがジョン王太子に打ちかかって行ったけど、あれは大丈夫なんでしょうか」
「ああ、問題ないよ。昔のサイラス殿下にも、グレッグが全く遠慮なく接していたからね。懐かしいな」
「お父様は、どうだったのですか?」
「アトレーは少し遠慮していたかな? それが逆にサイラス殿下には寂しかったらしいけどね」
はあ、ということは、キースのあれはグレッグ伯父さんに似たということか?
まだまだ、キースの事が全然わかっていないことが、わかった。
でも、僕もグレッグ伯父さんと血の繫がりがある。僕とキースはとても血が近い存在なんだな。
近くを通りかかる人々が僕を見ている。見られることには慣れているので、気にならないが、今までの容姿に目を留めると言う以上の何かが感じられる。
キースとの関係についてか、今日の活躍についてか、色々混ざっているんだろうな。
そこに、男性が二人の娘と息子を連れて近付いて来た。
礼儀正しく、ランス伯爵達に挨拶し、紹介を頼んだ。
「マックス。こちらはお前の叔母のソフィの夫で、モートン侯爵家のニコラス殿だ。
ご挨拶して」
「はじめまして。マックス・ハリルです」
「僕の事はニコラス伯父さんと呼んでくれると嬉しいな。
この子たちは君の従妹弟だよ。マリベルとルース、ハーレイだ。これからよろしくね」
子供たちが、順番に挨拶をしてくれた。一番小さい男の子が一番うれしそうにしている。女の子たちは、不審顔というか、不思議な表情をしていた。
娘たちの様子を見て、ニコラスが言った。
「キースと似ていすぎて、変な気分になるんだろうね。僕だって、戸惑うよ。本当に似ているんだね」
それにはランス伯爵が答えた。
「双子でもないのに不思議なことですね。でも、大人になれば変わるでしょう。生活と性格が容姿を変えていくものだから」
なんとなくすっと気分が落ち込んだ。生活はキースより下になるし、性格は彼にかなう気がしない。それが容姿に表われると、どうなるんだろう。
ニコラスがにこにこしながら言った。
「そうですね。今でも、マックスの方がキースより落ちついた雰囲気を持っている。まったく同じじゃあないですね」
僕の方が落ち着いている?ああ、そういう風に言われると悪くないかもしれない。
なんとなくこの男性の言葉は気持ちよく心に届く気がした。
今日は気持ちの上がり下がりが激しい。やはり疲れる日だ。
慌てて馬を返し、大将の側に向かうが、邪魔されてなかなか近づけない。
迂闊に近づくと、こちらがやられてしまう。けれど、大将が帽子を取られたらお仕舞いなのだ。
大将はさすがに強く、立て続けに二人を倒した。
この時ほど、あの馬鹿げたLOVEマークの帽子が尊く見えたことはなかった。
隙間を見つけ、打ちかかってくる剣を叩き返しながら側に馬を寄せる。
ジャケットの腕の部分が頑丈に作られていて、腕でも剣を防げた。
「よお、マックス、やるなお前。見どころあるよ」
大将に褒められた。なんだか心臓がドキンとした。
その時、金色の髪が視線の横をちらっとかすめた。
キースが突っかかってきている。あいつ、笑っているじゃないか。もしかして、僕より性格、悪いんじゃないのか?
そう思いながら、キースの剣をはじいて、その場を離れた。
馬の首を回して、ぐるっとイーストの後ろに回り込み、走り寄った。
全く後ろ側を意識していない奴がいたので襲い掛かった。剣で叩いて体勢をくずし、後ろから鉢巻を引いた。すると騎士が落馬した。
これはどうなるんだろう。鉢巻は取れていない。
戸惑っていると、突然、ワーッと歓声と悲鳴が上がった。
見回したら、イーストの大将が帽子を取られたところだった。
あ~、やられた。
ものすごく、ガクッと気落ちした。こんな気分は初めてだった。この短時間で、こんなに気持ちが上がったり下がったりしたことは、今までない。
残ったイーストチームの騎士数名と、大将がフィールドの外に向かい、僕にも声を掛けてきた。
「マックス、お前よくやったよ。いい戦いぶりだった」
口々にチームメイトに言われ、なんとなく泣きたいような気分になった。
大将に肩を叩かれた。
「来年、リベンジしてくれよ。期待しているからな」
そうか、最上級生は、来年はいないんだ。
はあ~、なんだか感情のコントロールが難しくて疲れる。
「早くフィールドから出て、観戦しようぜ。きっとおもしろいぞ」
急いで待機場所に行き、馬から降りて、皆で観戦した。
広がった陣容のイーストは、丸く集まったサウスをドーナツのように取り囲んで戦っている。
両陣営とも、数が減っているので、その形もばらばらになりつつあるようだ。そこここで、一対一の戦いが繰り広げられている。
さすがに大将の王子様は守られているだろうと思ったら、他の騎士と同じように戦っていた。
相手はキースだ。まずくないのか? いいのか、それ。
まあ、キースだからいいか。自然にそう思ってしまい、ぎょっとした。
周りの生徒にも聞いてみたら、同じように思っているのが分かった。
「キースだからなあ。いいんじゃないか?俺にはできないけど」
「そうだな。キースなら殿下に勝っても問題ないな」
二人は楽しそうに、結構過激にやり合っている。おまけに二人共、腕がいい。
紙の剣が折れない程度で、お互いの体勢を崩そうと狙い合っている様子だ。
ただ、馬自体の能力がジョンの馬の方が断然良く、キースの馬は小回りが利かない感じだ。あれは、最後に残った馬じゃあないか?
そういえば、厩舎でキースの姿を見なかった。
実は、キースは貴賓席に王女を送り届け、挨拶しているうちに準備が遅くなり、一番最後に厩舎に行ったのだった。
次々に勝負が付き、騎士達が打ち取られ、数騎が残った状態になった。
やっぱり目立つ。キースも目立つが、ジョンも目立つのだ。その二人がいい勝負をしていれば、そりゃあ目立つし見ごたえがある。
黄金の騎士対白馬の王子様だ。どっちが主役なんだろう。
まあ、白馬の王子様が白いバラの盛られたつば広帽子をかぶっているので、黄金の騎士対白馬の王女様にも見える。
観覧席の応援も、キャーという声と、ウォーという声が飛び交ってうるさいこと。どっちがどっちを応援しているかは謎だ。キースも美しいもんな。僕も同じ顔だけど。
そうするうちにウエストの大将が討ち取られ、サウス寮チームの勝利で幕が降りた。
全員で一緒にフィールドを一周し、拍手に送られ、厩舎に向かった。
僕はとにかく疲れ切っていた。体もきついけど、メンタルが更にきつかった。
そこから一時間が昼食の休憩に充てられていた。
観覧席を探すとランス伯爵達が手を振っていた。興奮で目が輝いている。
「マックス、すごいじゃないか。馬の扱いが巧みで驚いたよ。すごくかっこよかった」
「楽しそうで、チームメイトとも仲が良くて、よかったわ。」
侍従達が木陰に簡易テーブルとイスを運び食事の用意をしている。彼らも楽しそうでにこにこしている。サンドイッチとジュースという簡単な食事だけど、すごく美味しい。お腹が空いているし、気分が疲れているので、オレンジジュースが最高にうまいし、食後のチョコレートがあちこちを癒してくれる。
目いっぱい食べた。満腹して満足して、満たされるってこういうのを言うんだろうな、と思った。
ふと、先ほど疑問に思った事を聞いてみた。
「キースがジョン王太子に打ちかかって行ったけど、あれは大丈夫なんでしょうか」
「ああ、問題ないよ。昔のサイラス殿下にも、グレッグが全く遠慮なく接していたからね。懐かしいな」
「お父様は、どうだったのですか?」
「アトレーは少し遠慮していたかな? それが逆にサイラス殿下には寂しかったらしいけどね」
はあ、ということは、キースのあれはグレッグ伯父さんに似たということか?
まだまだ、キースの事が全然わかっていないことが、わかった。
でも、僕もグレッグ伯父さんと血の繫がりがある。僕とキースはとても血が近い存在なんだな。
近くを通りかかる人々が僕を見ている。見られることには慣れているので、気にならないが、今までの容姿に目を留めると言う以上の何かが感じられる。
キースとの関係についてか、今日の活躍についてか、色々混ざっているんだろうな。
そこに、男性が二人の娘と息子を連れて近付いて来た。
礼儀正しく、ランス伯爵達に挨拶し、紹介を頼んだ。
「マックス。こちらはお前の叔母のソフィの夫で、モートン侯爵家のニコラス殿だ。
ご挨拶して」
「はじめまして。マックス・ハリルです」
「僕の事はニコラス伯父さんと呼んでくれると嬉しいな。
この子たちは君の従妹弟だよ。マリベルとルース、ハーレイだ。これからよろしくね」
子供たちが、順番に挨拶をしてくれた。一番小さい男の子が一番うれしそうにしている。女の子たちは、不審顔というか、不思議な表情をしていた。
娘たちの様子を見て、ニコラスが言った。
「キースと似ていすぎて、変な気分になるんだろうね。僕だって、戸惑うよ。本当に似ているんだね」
それにはランス伯爵が答えた。
「双子でもないのに不思議なことですね。でも、大人になれば変わるでしょう。生活と性格が容姿を変えていくものだから」
なんとなくすっと気分が落ち込んだ。生活はキースより下になるし、性格は彼にかなう気がしない。それが容姿に表われると、どうなるんだろう。
ニコラスがにこにこしながら言った。
「そうですね。今でも、マックスの方がキースより落ちついた雰囲気を持っている。まったく同じじゃあないですね」
僕の方が落ち着いている?ああ、そういう風に言われると悪くないかもしれない。
なんとなくこの男性の言葉は気持ちよく心に届く気がした。
今日は気持ちの上がり下がりが激しい。やはり疲れる日だ。
1,744
お気に入りに追加
5,180
あなたにおすすめの小説
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
【完結】「政略結婚ですのでお構いなく!」
仙桜可律
恋愛
文官の妹が王子に見初められたことで、派閥間の勢力図が変わった。
「で、政略結婚って言われましてもお父様……」
優秀な兄と妹に挟まれて、何事もほどほどにこなしてきたミランダ。代々優秀な文官を輩出してきたシューゼル伯爵家は良縁に恵まれるそうだ。
適齢期になったら適当に釣り合う方と適当にお付き合いをして適当な時期に結婚したいと思っていた。
それなのに代々武官の家柄で有名なリッキー家と結婚だなんて。
のんびりに見えて豪胆な令嬢と
体力系にしか自信がないワンコ令息
24.4.87 本編完結
以降不定期で番外編予定
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
結婚式後に「爵位を継いだら直ぐに離婚する。お前とは寝室は共にしない!」と宣言されました
山葵
恋愛
結婚式が終わり、披露宴が始まる前に夫になったブランドから「これで父上の命令は守った。だが、これからは俺の好きにさせて貰う。お前とは寝室を共にする事はない。俺には愛する女がいるんだ。父上から早く爵位を譲って貰い、お前とは離婚する。お前もそのつもりでいてくれ」
確かに私達の結婚は政略結婚。
2人の間に恋愛感情は無いけれど、ブランド様に嫁ぐいじょう夫婦として寄り添い共に頑張って行ければと思っていたが…その必要も無い様だ。
ならば私も好きにさせて貰おう!!
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる