魔法少女の末裔

倉田京

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エピローグ

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 神社を出て石段を下りる。香奈はがっくりと肩を落としている。俺の方も疲労困憊ひろうこんぱい、足がふらつく。こんなことなら運動部にでも入っておくんだった。そういえば魔法少女がスポーツするっていうのもアリかもしれない。魔法少女を満喫しつつ、運動不足も解消、一石二鳥だ。…あーあ、こんな時でも魔法少女基準でものを考えちまう俺の頭って一体…。
 しかし、これから俺たちどうなっちまうんだ…。

 その時、俺は心に一つ引っかかっていた事を思い出した。それは蔵の神棚にあった空箱。箱を見つけた瞬間、俺は封印のステッキが入っていると確信した。けれどなかった。蔵の扉には特殊な仕掛けが施してあった、おそらくあれは魔法少女りょくのある人間にしか開けられないものだ。俺ならあそこを保管場所として選ぶ。
 爺ちゃんがあの場所から神社へ移動させたのか?だとしたらなぜ、わざわざそんなことを?

 考えすぎかと思ったその時、あるイメージが浮かんだ。
 蔵の中にあった大人(ピンク色的な意味で)な魔法少女のグッズの数々。それを目の前にして考えあぐねる爺ちゃん。あれを俺たちに見せる訳にはいかない。かといってコレクションを退避させようにも量が膨大…。ならばと思い、封印のステッキを別の場所に…。

 でも隠し先を神社にしてくれて助かった。もし家の中にでも移されていたら俺たちは見つけることができなかった。
 蔵の中身については婆ちゃんはそもそも気にしていないようだし、色んな事が重なりすぎて香奈の記憶からも抜けているようだ。同族なかまのよしみであれを見てしまった事については、あえて触れないでおこうと思った。
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