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「さぁ、行くぞ。」
腰を下ろす暇もなく、クニはあるくぼみの前に立った。その先は、真っ暗で行き止まりだった。
「手をつなぐぞ。」
「うん。」
さやかは右手をクニの左手と繋いだ。すると、そのくぼみの先は別の世界への入口となった。先はここからでは見えず、不思議な雰囲気を放っていた。
二人はその先へ入っていった。
「ここは、異世界だ。」
「魔法とか使える?」
さやかは、思っている異世界のイメージを口にした。
「使えない。そんな、いい世界じゃない。いわば、パラレルワールドだ。」
「?」
「お前の世界と類似している世界。不思議なことは起こることはないはずなんだ。だがな、あの穴のせいで不可思議なことが起こっている。」
二人は、橋の下から河川敷に出た。堤防をあがると、そこからは街が見えた。しかし、なにか様子がおかしかった。
「おい。逃げろ。」
「敵が来た。」
多くの人が、燃え盛る街から避難していた。そこには、防空頭巾を被った子供や背中に老人を抱えた女の人の姿があった。
「戦争中?」
社会で習ったあの戦争だった。
「空を見ろ。」
クニは、街からの黒い煙めがけて遠くへ飛ぶ飛行機を指さした。しかしその先には、大きな物体が立ちはだかっていた。
「なにあれ?」
さやかは、じっと見つめてみた。すると煙の中から来たのは、ロボットだった。それも、ビルぐらい大きな。背中からミサイルを出し、飛行機を爆音と共に落としていく。
飛行機も攻撃はするが、全く歯が立たなかった。
「そこいると危ない。俺の手にはまだ触れるなよ。」
クニは、さやかの腕を取り、橋を渡った。その時、飛行機が火をあげながら、二人めがけ高度を落として来たのだった。さやかは思わずクニの腕を引き、脇道に入ると危機一髪で回避することに成功したのだった。
「危なかった。」
「もしかして、運動音痴?」
「…。そうだけど、なにか悪いか?」
「ほんと?」
クニは、なんだよ、と睨んだがさやかはずっと笑っていた。
「見た目で判断するのはいけないね。」
「そんなことよりも、早く行くぞ。見つけなきゃ。」
クニは立ち上がると、さやかの腕を取り、立ち上がるのを手伝った。
「ありがとう。」
「別に…。」
クニはプイッと顔を脇道の先に向け、一人で進んでいった。
さやかは、そこにきれいな青のビー玉を見つけた。それはなんとも言えない澄んだ色で気に入った。それをポケットへ入れ、クニの後を追った。
「もしかして、あのロボットみたいなやつが不可思議なものなの?」
「あぁ。もしかしたらあの近くにコアがあるはず。」
「この不可思議の元凶ってこと?」
「そうだ。」
そう言っていると、ロボットはこちらへ向きを変え、一つミサイルを飛ばしてきた。
さやかは、いち早く気が付きクニの腕を再び掴むと、走った。細い道をくぐり抜け右に曲がると、その左にミサイルが落ちた。その爆発はあまり大きくはなかったが、一帯深い穴が出来ていた。もし人に当たったなら確実にバラバラになると、さやかは不安を感じた。
「来て。」
さやかは、クニを率いて一生懸命走った。
「あれに近づかないと、コアが見つからないぞ。」
「でも、、このままじゃ、、死ぬ。」
二人は息がきれてかけて、まともに話すことはできなかった。
ロボットは、何個もミサイルを落とすが、二人は必死に避け一つも直撃はしなかった。
腰を下ろす暇もなく、クニはあるくぼみの前に立った。その先は、真っ暗で行き止まりだった。
「手をつなぐぞ。」
「うん。」
さやかは右手をクニの左手と繋いだ。すると、そのくぼみの先は別の世界への入口となった。先はここからでは見えず、不思議な雰囲気を放っていた。
二人はその先へ入っていった。
「ここは、異世界だ。」
「魔法とか使える?」
さやかは、思っている異世界のイメージを口にした。
「使えない。そんな、いい世界じゃない。いわば、パラレルワールドだ。」
「?」
「お前の世界と類似している世界。不思議なことは起こることはないはずなんだ。だがな、あの穴のせいで不可思議なことが起こっている。」
二人は、橋の下から河川敷に出た。堤防をあがると、そこからは街が見えた。しかし、なにか様子がおかしかった。
「おい。逃げろ。」
「敵が来た。」
多くの人が、燃え盛る街から避難していた。そこには、防空頭巾を被った子供や背中に老人を抱えた女の人の姿があった。
「戦争中?」
社会で習ったあの戦争だった。
「空を見ろ。」
クニは、街からの黒い煙めがけて遠くへ飛ぶ飛行機を指さした。しかしその先には、大きな物体が立ちはだかっていた。
「なにあれ?」
さやかは、じっと見つめてみた。すると煙の中から来たのは、ロボットだった。それも、ビルぐらい大きな。背中からミサイルを出し、飛行機を爆音と共に落としていく。
飛行機も攻撃はするが、全く歯が立たなかった。
「そこいると危ない。俺の手にはまだ触れるなよ。」
クニは、さやかの腕を取り、橋を渡った。その時、飛行機が火をあげながら、二人めがけ高度を落として来たのだった。さやかは思わずクニの腕を引き、脇道に入ると危機一髪で回避することに成功したのだった。
「危なかった。」
「もしかして、運動音痴?」
「…。そうだけど、なにか悪いか?」
「ほんと?」
クニは、なんだよ、と睨んだがさやかはずっと笑っていた。
「見た目で判断するのはいけないね。」
「そんなことよりも、早く行くぞ。見つけなきゃ。」
クニは立ち上がると、さやかの腕を取り、立ち上がるのを手伝った。
「ありがとう。」
「別に…。」
クニはプイッと顔を脇道の先に向け、一人で進んでいった。
さやかは、そこにきれいな青のビー玉を見つけた。それはなんとも言えない澄んだ色で気に入った。それをポケットへ入れ、クニの後を追った。
「もしかして、あのロボットみたいなやつが不可思議なものなの?」
「あぁ。もしかしたらあの近くにコアがあるはず。」
「この不可思議の元凶ってこと?」
「そうだ。」
そう言っていると、ロボットはこちらへ向きを変え、一つミサイルを飛ばしてきた。
さやかは、いち早く気が付きクニの腕を再び掴むと、走った。細い道をくぐり抜け右に曲がると、その左にミサイルが落ちた。その爆発はあまり大きくはなかったが、一帯深い穴が出来ていた。もし人に当たったなら確実にバラバラになると、さやかは不安を感じた。
「来て。」
さやかは、クニを率いて一生懸命走った。
「あれに近づかないと、コアが見つからないぞ。」
「でも、、このままじゃ、、死ぬ。」
二人は息がきれてかけて、まともに話すことはできなかった。
ロボットは、何個もミサイルを落とすが、二人は必死に避け一つも直撃はしなかった。
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