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2第目、生活

助け

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 羅針はご飯を食べ終わり、再びベルトコンベアに皿を載せた。
 すると、鐘が建物内に響いた。表のドアの外から、鐘の音がした。その途端、そのドアがガチャっと鳴ったのだった。
「開いた…。」
羅針はそう呟き、ドアに手をかけた。重たかったが、開けることに成功した。
 羅針は無意識に外へ飛び出した。そこは、廊下だった。
「広いなぁ、どこまで続いているのかな。」
 人を閉じ込めておくような場所ではないと思った。そして、
どこかからか子供の声が聞こえてきた。
 廊下を歩くと、外へ出る為の透明なドアがあり、羅針はそこから外を見た。何かが動いて見えた。
 生徒達だった。恐らく連れ去られた子供達だろう。
「元気…そうだ。」
彼らは、閉じ込められるわけでもなく、普通に遊んでいたのだった。
 羅針は再び先を急いだ。そこは、コンピュータらしき鉄のものがあった。その前には、子供達がはしゃぎながらそれに夢中だった。
「私達は、娯楽を作っている。彼らはそれに夢中だろ?」
羅針の後ろから不意をつかれ、思わず転んでしまった。
「あ、すまん。」
敵ながら優しく、手を貸してくれた。
「子供達も機械を楽しんでいて、作ってよかったよ。一日中遊んでる。」
その男は、ニヤリと笑った。そして羅針に向かい、こう言った。
「私は、ココの研究員だ。戦闘員じゃないから安心してくれ。」
「彼らって、、」
「そう君と同じ、元学校にいた生徒達。学校なんて古い。これからは機械の力を使うとき。
 これから、見せてあげる。着いてきて。」
その男に導かれ、いろんな部屋をくぐり、そしてある部屋に入った。そこは、研究員が多くいた。羅針は緊張と恐怖を感じていた。
「これはまだ開発途中だが、生徒に知識を与えるものだ。直接脳に送り込む。そうすれば、短期間で能力が身につく。また、完璧な人にもなる。ミスはほぼしないそんな人に。
 そのようになれば、もっと科学は進み、もっと豊かになるはず。人は、人の為に尽くす。そんな社会を目指している。私の勝手な理想だけど。」
男は、再び笑った。楽しそうだった。
 次は羅針の腕を掴み、奥の部屋に連れてこられた。そこは暗く、何もない空間だった。
「これを見てほしい。」
そう言い、壁のボタンを押すと、暗かった奥の壁から光が漏れ、扉が開いたのだった。恐る恐るその中を遠目で見た。
 大きな赤いクリスタルだった。強く光を発している。
「これが、子供達のエネルギーだ。私達は、このエネルギーを糧に機械を動かしている。
 子供達はそれで遊び、私達は豊かになっていく。いい関係だろう。」
男は、光を浴びると息遣いが荒くなり興奮気味になっていた。どうやらここの世界の人はこの光が活きる源なのだろうか。羅針は何も感じなかった。
 このとき、羅針は男をとても不気味に感じていた。
 確かに、言っていることは間違っていない。むしろその野望のほうが人は、豊かになるはず。だが、道を間違っている気がする。そう羅針は確信していた。
 クリスタルを再び、扉の中に閉じ込め、外のドアを開けた。
「君も、やってみないか?」
そう言い、外にある機械を指さした。
「いや、大丈夫です。」
羅針は恐かった。一日中熱中するほどの娯楽。羅針の世界を思い出していた。

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