34 / 37
2第目、生活
助け
しおりを挟む
羅針はご飯を食べ終わり、再びベルトコンベアに皿を載せた。
すると、鐘が建物内に響いた。表のドアの外から、鐘の音がした。その途端、そのドアがガチャっと鳴ったのだった。
「開いた…。」
羅針はそう呟き、ドアに手をかけた。重たかったが、開けることに成功した。
羅針は無意識に外へ飛び出した。そこは、廊下だった。
「広いなぁ、どこまで続いているのかな。」
人を閉じ込めておくような場所ではないと思った。そして、
どこかからか子供の声が聞こえてきた。
廊下を歩くと、外へ出る為の透明なドアがあり、羅針はそこから外を見た。何かが動いて見えた。
生徒達だった。恐らく連れ去られた子供達だろう。
「元気…そうだ。」
彼らは、閉じ込められるわけでもなく、普通に遊んでいたのだった。
羅針は再び先を急いだ。そこは、コンピュータらしき鉄のものがあった。その前には、子供達がはしゃぎながらそれに夢中だった。
「私達は、娯楽を作っている。彼らはそれに夢中だろ?」
羅針の後ろから不意をつかれ、思わず転んでしまった。
「あ、すまん。」
敵ながら優しく、手を貸してくれた。
「子供達も機械を楽しんでいて、作ってよかったよ。一日中遊んでる。」
その男は、ニヤリと笑った。そして羅針に向かい、こう言った。
「私は、ココの研究員だ。戦闘員じゃないから安心してくれ。」
「彼らって、、」
「そう君と同じ、元学校にいた生徒達。学校なんて古い。これからは機械の力を使うとき。
これから、見せてあげる。着いてきて。」
その男に導かれ、いろんな部屋をくぐり、そしてある部屋に入った。そこは、研究員が多くいた。羅針は緊張と恐怖を感じていた。
「これはまだ開発途中だが、生徒に知識を与えるものだ。直接脳に送り込む。そうすれば、短期間で能力が身につく。また、完璧な人にもなる。ミスはほぼしないそんな人に。
そのようになれば、もっと科学は進み、もっと豊かになるはず。人は、人の為に尽くす。そんな社会を目指している。私の勝手な理想だけど。」
男は、再び笑った。楽しそうだった。
次は羅針の腕を掴み、奥の部屋に連れてこられた。そこは暗く、何もない空間だった。
「これを見てほしい。」
そう言い、壁のボタンを押すと、暗かった奥の壁から光が漏れ、扉が開いたのだった。恐る恐るその中を遠目で見た。
大きな赤いクリスタルだった。強く光を発している。
「これが、子供達のエネルギーだ。私達は、このエネルギーを糧に機械を動かしている。
子供達はそれで遊び、私達は豊かになっていく。いい関係だろう。」
男は、光を浴びると息遣いが荒くなり興奮気味になっていた。どうやらここの世界の人はこの光が活きる源なのだろうか。羅針は何も感じなかった。
このとき、羅針は男をとても不気味に感じていた。
確かに、言っていることは間違っていない。むしろその野望のほうが人は、豊かになるはず。だが、道を間違っている気がする。そう羅針は確信していた。
クリスタルを再び、扉の中に閉じ込め、外のドアを開けた。
「君も、やってみないか?」
そう言い、外にある機械を指さした。
「いや、大丈夫です。」
羅針は恐かった。一日中熱中するほどの娯楽。羅針の世界を思い出していた。
すると、鐘が建物内に響いた。表のドアの外から、鐘の音がした。その途端、そのドアがガチャっと鳴ったのだった。
「開いた…。」
羅針はそう呟き、ドアに手をかけた。重たかったが、開けることに成功した。
羅針は無意識に外へ飛び出した。そこは、廊下だった。
「広いなぁ、どこまで続いているのかな。」
人を閉じ込めておくような場所ではないと思った。そして、
どこかからか子供の声が聞こえてきた。
廊下を歩くと、外へ出る為の透明なドアがあり、羅針はそこから外を見た。何かが動いて見えた。
生徒達だった。恐らく連れ去られた子供達だろう。
「元気…そうだ。」
彼らは、閉じ込められるわけでもなく、普通に遊んでいたのだった。
羅針は再び先を急いだ。そこは、コンピュータらしき鉄のものがあった。その前には、子供達がはしゃぎながらそれに夢中だった。
「私達は、娯楽を作っている。彼らはそれに夢中だろ?」
羅針の後ろから不意をつかれ、思わず転んでしまった。
「あ、すまん。」
敵ながら優しく、手を貸してくれた。
「子供達も機械を楽しんでいて、作ってよかったよ。一日中遊んでる。」
その男は、ニヤリと笑った。そして羅針に向かい、こう言った。
「私は、ココの研究員だ。戦闘員じゃないから安心してくれ。」
「彼らって、、」
「そう君と同じ、元学校にいた生徒達。学校なんて古い。これからは機械の力を使うとき。
これから、見せてあげる。着いてきて。」
その男に導かれ、いろんな部屋をくぐり、そしてある部屋に入った。そこは、研究員が多くいた。羅針は緊張と恐怖を感じていた。
「これはまだ開発途中だが、生徒に知識を与えるものだ。直接脳に送り込む。そうすれば、短期間で能力が身につく。また、完璧な人にもなる。ミスはほぼしないそんな人に。
そのようになれば、もっと科学は進み、もっと豊かになるはず。人は、人の為に尽くす。そんな社会を目指している。私の勝手な理想だけど。」
男は、再び笑った。楽しそうだった。
次は羅針の腕を掴み、奥の部屋に連れてこられた。そこは暗く、何もない空間だった。
「これを見てほしい。」
そう言い、壁のボタンを押すと、暗かった奥の壁から光が漏れ、扉が開いたのだった。恐る恐るその中を遠目で見た。
大きな赤いクリスタルだった。強く光を発している。
「これが、子供達のエネルギーだ。私達は、このエネルギーを糧に機械を動かしている。
子供達はそれで遊び、私達は豊かになっていく。いい関係だろう。」
男は、光を浴びると息遣いが荒くなり興奮気味になっていた。どうやらここの世界の人はこの光が活きる源なのだろうか。羅針は何も感じなかった。
このとき、羅針は男をとても不気味に感じていた。
確かに、言っていることは間違っていない。むしろその野望のほうが人は、豊かになるはず。だが、道を間違っている気がする。そう羅針は確信していた。
クリスタルを再び、扉の中に閉じ込め、外のドアを開けた。
「君も、やってみないか?」
そう言い、外にある機械を指さした。
「いや、大丈夫です。」
羅針は恐かった。一日中熱中するほどの娯楽。羅針の世界を思い出していた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる