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2第目、生活

星たち

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 しばらく空を見つめていた。
「ここに座ったら?」
ラッシュはいつの間にか無地のシートを敷いていた。
「ありがとう。」
その上に腰掛け、上を再び見た。ラッシュは横でお菓子を取り出していた。
「これも食べなさい。他の先生が作ってくれたんだ。」
「うん。いただきます。」
それを口の中に入れる。優しい甘みが全身を駆け巡った。
「これ美味しい。」
羅針の世界とは全く違う甘さだった。この味は、すごく好きだった。

「ここに私の星、あるかな…。」
空を見て羅針はそう呟いた。
「あるよ。届きそうなくらい近くに。」
ラッシュはそう答えてくれた。
 羅針は、少し悲しくなった。涙が溢れ落ちそうだった。それを横目で見たラッシュは何も言わず、シートの上に仰向けで寝た。羅針は、そのまま上を見ていた。

「そろそろ行こうか。」
ラッシュは、そうきりだした。羅針は、
「うん。」
そう答えた。
「そうか。」
ラッシュは一人で片付けを始め、羅針は空をまだ眺めていた。
 目をこすり、羅針はラッシュを見た。
「帰ろう。」
「もういいのか?」
「十分。希望が見えたんだ。」
「それは良かった。」
ラッシュは微笑み、手を差し伸べた。羅針は、強く握った。
「走るよ。」
来た道をラッシュ達はまた、走り下った。
 一つの明かりが山を駆け下りるのが、街から見えた。それを、街で酔って座っていたローカルが見ていた。
「帰りたい?自分の星に。」
ラッシュはふとそう聞いた。
「うん…。」
「…。僕も助けるから、安心して。」
優しい言葉だった。その時羅針は、不思議とラッシュが親に見えた。

 気がつくと、自分のベッドで寝ていた。疲れていて、すぐに寝ていたのだった。空はまだ暗く、星が小さく瞬いていた。
 もう一度寝ることにした。その時、自分の部屋のある二階から物音が聞こえた。
 しかし、とても眠たかった為、意識がとんでしまっていた。

「ラッシュ。」
一階で寝ていたラッシュは、家に来たローカルに起こされた。
「全然学校に来ないから来た。それにしても、この有様は?」
ベッドから起き上がると、物が散乱していた。
「分からない。頭が…クラクラする。」
毒なのか?
「あれ?羅針は?」
「二階にいないのか?」
「さっき、一応探したけど誰もいない。窓が割れていた。」
「本当に?まさか、アイツラに?」
「それは大変だ。今すぐ、校長先生に。」
それから二人は、急いで学校へと向かった。

「…。それは大変だ。」
校長室には花が置いてあり、紅く咲いていた。
「でもなぜ、羅針が?」
「分からない。それに、今までの生徒と同様に助けることは難しい。」
校長先生は、頭を抱えこんでいた。
「私が行きます。」
ラッシュは、一人校長室を飛び出して行った。校長先生が止める暇もなく。
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