話し相手

糸子(イトコ)

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ままごと

エネルギー研究

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「お邪魔するぞ!」
「「「いらっしゃ…」」」
ザワザワザワザワ…
「ん?どおし…た…の…」

研究資料
「この人形ども、危ないかもな。」
「「「え?!」」」
「この前、妖怪が何枚も現れた。」
「え!」
「「「は?」」」
「お前らは黙ってろ。奥で話すぞ。」
「あっ!ちょ…押しかけはないだろ~…」

「これ、ざっと目を通せ。」
「ん~…妖怪化多数…天へのエネルギー不足…妖精の増加…妖怪による生命エネルギーの研究?」
「一つ一つ話す。まず、妖怪化に関することだ。意味はそのまま。ここ数千年で、生きる以外に生きる目的を見つけたやつが多い。そのせいで、死んでもやる精神が身についてしまった。それにより、困っている生物もいる。
妖怪は知っての通り、生命エネルギーの塊だ。エネルギーの用途さえ変えれば色々できる。電波のジャック、物を動かす、空気を振動させる、光の反射や発光。その他もろもろ。
それのせいで、妖怪であることが楽しくなり、何年もこの地を離れぬものもいる。そのせいで、天への生命エネルギーが少なくなり、転生量が減ってきている。虫でさえ地に残るレベルだからな。
そして、それを感づいた妖精たちが動き出した。ここに来る途中も、午後ティーをがぶ飲みする妖精3人にあった。妖界にも知れ渡ってるってことだ。
最後、昨日狐の妖怪を潰した。その後、潰して手に入れたエネルギーを解析したところ、狐の一部分だった。」
「え!」
「狐は、エネルギーを分断。様々な生物に取り憑かせ、宿主の生命エネルギーを削りながら増殖。分断…の繰り返し。きっと未だ被害に遭ってる生物もいる。そんな生物の行き着く先は…」
「過労や心の枯渇…」
「そうだ。そこで、お前の人形の力を借りたい。」
「「「え?」」」
「黙ってろ!ってか聞いてんじゃねぇ!」
「借りたい?どういうこと?」
「お前は集中とエネルギーの分断、付与が得意だろ?そこで、対妖怪用の人形を作ってほしい。それと、この研究について、お前も協力してほしい。お客が死ぬのは本望ではないだろう?」
「…僕は…僕はもう、こういったたことに参加はしたくない。何万年と人間の生を見てきて、こんなふうに普通に暮らしたいと思った。だから…嫌だ…」
「じゃあ言い方を変える。人形の注文。あと少し手伝ってほしい。困ってる者を助けたいのは、お前も同じだろ?」
「…わかった。言い方だけで変わるものだね。」
「ほとんど変えてないけどな。」
「今日はこの報告だけだ。また今度、別のことの報告もさせてもらう。」
「他のやつは?」
「資料は送った。事情も話した。動いてるやつもいる。」
「うん。わかった。」
「なぁなぁ。俺等戦うことになんのか?」
「君たちは関係ない。この店で店番でもしててくれ。」
「ん~なんか納得いかねー。」
「知らん。人形どもは仲良く話してろ。」
「まぁ平和が一番だよな」
「「「アハハハハハ!」」」
「あのね…脅してるわけじゃないけど、妖怪はときに…いや人形のほうが取り憑きやすいから。」
「「「ア…ハハ…ハ…」」」
「ほんと…愉快なパペットだこと。」
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